5/17(土)現代批評講座(第7回):対談 安丸良夫×菅 孝行『近代日本の国家権力と天皇制』
- 2014年 4月 29日
- 催し物案内
- 天皇制安丸良夫現代批評講座菅 孝行近代日本の国家権力
現代批評講座—著者が語る新刊の集い
■新講座開講のご案内
二〇一一年三月一一日の東北大震災と原発の惨事は、私たちに多くの課題を突きつけました。それらの問題は三・一一以前にも少なからず論じられてきた一方で、三・一一は私たちの国が、私たちの社会が、そして私たちの生が現在どのような歴史的状況のなかに置かれているのかをあらためてまざまざと見せつけました。この点では、明治維新以降の近現代史、日本の近代化の過程を総体的に捉えなおすことが喫緊の要請となります。「近代」そのもののあり方を問うことが迫られているのです。
新しく立ち上げました「現代批評講座—著者が語る新刊の集い」は、そうした混沌とする時代状況をさまざまな側面から切開して、少しでも豊かな地平を築くことのできる糸口を探求するために開かれた試行の場であります。新刊について著者から直接に語っていただくことによって、そして著者とともに考えていくことを通じて、私たちはみずからの環境を作りあげていくことに参画していきたいと考えます。
二〇一三年二月一〇日
講座世話人 (二月一〇日現在・四〇名)
伊藤セツ(昭和女子大学名誉教授)伊藤述史(大学非常勤講師)伊藤誠(東京大学名誉教授)今井昭彦(文筆家)岩田昌征(千葉大学名誉教授)内野光子(歌人)上之園幸子(社会思想家)宇波彰(評論家)及川淳子(大学非常勤講師)追川恵子(デザイナー)岡本充弘(東洋大学教員)岡本有佳(風工房)川元祥一(作家・評論家)黒須純一郎(明海大学教員)高良留美子(詩人)小林孝吉(文芸評論家)小林勝(ドイツ史研究)児島博紀(東京大学院博)権安理(大学非常勤講師)佐藤俊男(デザイナー)澤村美枝子(フリー編集者)椎名修(写真家)柴田隆行(東洋大学教員)清家竜介(大学非常勤講師)高橋一行(明治大学教員)中村朋宏(コーチ)橋本盛作(御茶の水書房)羽田三郎(印刷会社役員)原田克子(詩人)船木恵子(武蔵大学総合研究所)細井隆(評論家)西角純志(大学非常勤講師)仁科伸子(東京福祉大学専任講師)三上治(評論家)矢島杜夫(社会思想史研究)山家誠一(評論家)吉留昭広(社会運動家)米村健司(早稲田大学教員)若生のり子(美術家)渡邉澄子(大東文化大学名誉教授)
第七回 五月十七日(土)午後一時三〇〜五時三〇分(場所:明治大学研究棟四階第一会議室)
対談 安丸良夫×菅 孝行『近代日本の国家権力と天皇制』(二〇一四年、御茶の水書房、本体八〇〇円)
コメンテーター 友常 勉
■本書の内容
国家権力と天皇制― 安丸良夫氏との対談に向けて 菅孝行
幻想の共同性の装置としての国家神道/国家宗教による近代化への 精神動員/アメリカが保証した戦後国体の延命/学問の陥穽― 方 法の欠如/民衆の心性と国家装置― 〈周縁〉の希望としてのみかど 幻想/丸山真男の天皇制論をめぐって/「歴史意識の古層」と「天皇 制の最高形態」― 解体可能な歴史的産物としての…
I 近代化の装置としての天皇制への批判的視座
近 代 国 家 の 支 配 ― 統 治・資 本 制・幻 想 の 共 同 性 /「幻 想 の 共 同 性」 と宗教/天皇制論と「三二テーゼ」/近代化への出口なお的抵抗
II 戦後国家における天皇・天皇制、その延命の根拠
『永続敗戦論』と「天皇制の最高形態」/徹底して負けたからこそ「負 けてない」といえる!/「無責任の体系」と日本の戦後過程/参加型 民主主義の欺瞞/文化運動がハビトゥスを変える/民衆の集合的心 理における「みかど」の地平/天皇(みかど)は近代につくり変えられ た/「古層論」にみる丸山真男の絶望と「アジア的なるもの」/近代王 権における家族観の隘路
■著者紹介
安丸良夫(やすまる・よしお) 一九三四年、富山県生まれ。京都大学文学部卒業、同大学院修了、 日本思想史研究者。一橋大学社会学部教授をへて、現在は同大学 名誉教授。『出口なお』、『近代天皇像の形成』、『安丸良夫集』(岩波 書店)全六巻他の著作がある。
菅 孝行(かん・たかゆき) 一九三九年、東京生まれ、評論家。河合塾非常勤講師、二〇一四年から梅光学院大学文学部特任教授。 六二年、東京大学文学部卒業、東映に入社、演出助手となる。六七 年退社。著書に『「死せる芸術」=「新劇」に寄す』(六七年)、『吉本隆 明論』(七三年)、『解体する演劇』(七四年)、『天皇論ノート』(七五 年)、『竹 内 好 論』(七 六 年)、ATG映 画 脚 本『北 村 透 谷 わ が 冬 の 歌』(七七年)、『鶴見俊輔論』(八〇年)、『戦後演劇』(八一年)、『関係 と し て の 身 体』(八 二 年)、『感 性 か ら の 自 由 を 求 め て』(八 二 年)、『九・一 一 以 後 丸 山 真 男 を ど う 読 む か』(二〇〇四 年)、『戦 う 演 劇 人』(二〇〇七年)など。 二〇一四年五月より、天皇制批判論を集成した『天皇制論集』全三 巻を御茶の水書房から順次刊行
▼本講座は世話人会が設立趣旨に沿った新刊を選定し、著者自らが新刊を紹介・説明し読者と討論する場であります。
▼場所 明治大学研究棟四階第一会議室 千代田区神田駿河台一—一 明治大学リバティータワーの裏
▼参加費 五〇〇円
▼主催者連絡先 伊藤述史(090—9388—3831) 清家竜介 ryu.seike@gmail.com
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