原子力規制委員の人事案
- 2014年 6月 1日
- 評論・紹介・意見
- Masa.原子力規制委員の人事案
原子力規制委員の新人事案として、
日本原子力学会の元会長 田中知 東京大学教授が国会に提出されました。
大問題のこの人事案についてネット情報を検索したので、シリーズで投稿します。
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原子力規制委員の人事案 1 利益相反
東京新聞の記事によれば、田中氏は110万円を原子力業界から受け取っていた。
また、赤旗の記事によれば、福島原発事故前から継続的に原子力マネーを受け取っていた。
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東京新聞記事
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014052302000103.html
電力会社側から研究費 最高3270万円 規制委審査会6人
2014年5月23日 朝刊
原子炉や核燃料の安全性について原子力規制委員会に助言する二つの審査会の委員六人が、原発メーカーや電力会社の関連団体からそれぞれ三千二百 七十七万~六十万円の研究費などを過去数年間に受け取っていたことが二十二日、分かった。規制委事務局の原子力規制庁が公表した。
最も多かったのは東京大の関村直人教授で、三菱重工業と電力関係団体の電力中央研究所から研究費計三千二百七十七万円を受領。審査会長を務める 田中知(さとる)東京大教授は、日立GEニュークリア・エナジーなどから計百十万円受領したほか、東京電力の関連団体から五十万円以上の報酬も得 ていた。
他の四委員は東京大の高田毅士(つよし)教授、京都大原子炉実験所の森山裕丈(ひろたけ)所長、大阪大の山中伸介教授、東海大の浅沼徳子(のり こ)准教授。
二つの審査会は原子炉安全専門審査会と核燃料安全専門審査会。それぞれ委員は十一人(六人は兼務)で、原子力事業者の役員や従業員は除外。規制 庁は、事業者からの研究費受け取りは委員が自己申告し公表すれば問題ないとしている。
両審査会は原子力事故の規制への反映などを審議するが、原子力施設の審査には関与しない。
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ソースは赤旗と思われる記事の表
06年から10年まで400万円受領
原子力規制委員の人事案 2 河野太郎さんの批判
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河野太郎さんのブログより
ちょっと待った、その人事
http://www.taro.org/2014/05/post-1482.php
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2014年4月22日附けで、東京大学 田中知教授から原子力規制委員会あて
に提出された「透明性・中立性の確保に関する自己申告書」をみると、 日本原
子力産業協会の役員を過去2011年から2012年まで務めていたと記載され
ている。
2012年7月3日に内閣官房原子力安全規制組織等改革準備室が出した「原子
力規制委員会委員長及び委員の要件について」という文書には、「法律 上の欠
格要件に加えて欠格要件とする事項」という記載があり、「就任前直近3年間
に、原子力事業者及びその団体の役員、従業者等であった者」とあ る。
この文書を説明するために、政府が、参議院の議運委員長あてに出した文書であ
る「原子力規制員会委員長・委員の要件等の考え方について」に、原子 力事業
者及びその団体の例が具体的に列記されている。
その中には「電事連、日本電機工業会、電中研、原産協会等の原子力事業者の団
体」が明記されている。
つまり、田中知教授は、直近の3年間に「原子力事業者及びその団体の役員、従
業員等であった者」は原子力委員会の委員長及び委員には就任できない とする
規定に抵触する。
ちなみに2012年7月3日付の上記文書には、「『人格が高潔であって、原子
力利用における安全の確保に関して専門的知識及び経験並びに高い識見 を有す
ること』にくわえ、中立公正性及び透明性の確保を徹底することが必要です。」
と明記されている。
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原子力規制委員の人事案 3 欠格要件を反故にする安倍自民党政権
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ネットより、東京新聞の記事を見ました。
規制委の「中立」基準 適用せず
http://magicmemo.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/580-2044.html
2014年5月30日 東京新聞朝刊 こちら特報部:[ニュースの追跡]より 俺的メモあれこれ
原子力規制委員会の委員に田中知(さとる)東京大大学院教授を充てる政府の人事案に対し、2012年に定めた人選基準の「欠格要件」に当たる という批判が 高まっている。政府は、基準から外れても違法ではないとするが、「中立公正」を目的とした人選基準をほごにしてよいのか。(出田阿生)
◆田中氏「アウト」なのに… 「民主党政権より後退」
「独立性をもって、中立、公正な立場から職務を遂行できるベストの人事だ」。菅義偉官房長官は27日の記者会見で、人事案についてこう強調し た。だが、「原発再稼働の布石」という見方は強まるばかりだ。
東京電力福島第一原発事故をきっかけに、それまでの原子力行政に対する国民の不信感が急速に高まった。原子力規制委員会を発足させる際には、 規制委の独立 性や中立性、公正性などが国会などで大きな議論となった。政府は、「原子力ムラ」からの独立のため、規制委発足前の12年7月3日、法律とは 別の厳しい人 選基準を定めた。
そこでは、委員長や委員になる資格のない「欠格要件」として2点を決めた。まず、就任直前の3年間に原子力事業者やその関連団体の役員・従業 者だった人。 もう一つは、同じく直前3年間に原子力事業者から個人として50万円以上の報酬を受け取っていた人。委員長や委員の「中立公正性と透明性の確 保を徹底す る」ことが目的とした。
田中氏は、10~12年にかけて「日本原子力産業協会」(原産協会)の理事に就いていた。原産協会は、政府が関連団体として例示した「電力会 社と強いつな がりがある団体」の一つだ。また、東電の関連団体の「東電記念財団」から11年度に50万円以上の報酬を得ていた。これらは、人選基準を満た しているかを 規制委が事前に把握するための自己申告書に本人が記入している。
どうみても「欠格要件」に該当し、「アウト」だ。
井上信治環境副大臣は28日の参院原子力問題時別委員会で、基準を適用せずに人選したことを認め、「基準は前政権が当時の内閣として作成し、 活用したも の。今回は基準を適用するのではなく、法で定められた要件に照らして選定した」と、民主党政権時代の基準は踏襲しない考えを示した。
東電記念財団は、電気やエネルギー分野の研究に助成などをしている。原子力規制庁の森本英香次長は「東京電力から運転資金の提供は得ていな い」と強調した。だが、財団の理事長は東電元会長の田村滋美氏で、東電元幹部の役員がいることも考えれば、苦しい釈明だ。
田中氏は、日本原子力学会の元会長で、これまで原発の利用に積極的な姿勢をみせていた。研究費として、直近原発メーカーの日立GEニュークリ ア・エナジーなどから計110万円の寄付を受け取っていた。
田中氏の経歴が欠格要件に「抵触する」とブログで指摘した自民党の河野太郎衆院議員は「内閣が代わったから基準も変えるというのはおかしい。 自民党はこれ まで原発を推進してきた責任がある。だからこそ厳しい姿勢で人選に臨まなければならないのに、これでは民主党政権よりも後退したととられても 仕方ない」と 話している。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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