「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」中の駄法螺について(続)
- 2014年 7月 12日
- 評論・紹介・意見
- 熊王信之
読めば読むほどに、書いた者の頭の中が知れるほどの馬鹿らしさに云うべき言葉も無いが、こんな駄法螺を前提に、国民を騙して、米国の主導する「テロとの戦い」に、本当に加担する積りならば、反面では、米国その他西側諸国にとっては、迷惑この上無い御世話に過ぎないであろうし、こんな空証文を見せられて戦地に送り込まれる自衛隊員にとっては、唯の御経に過ぎない架空の保険契約で命を召し上げられることに他ならないであろう。
それは、要点を抜書きした閣議決定文書中の「2国際社会の平和と安定への一層の貢献」にある自衛隊の海外派兵に関するものである。 架空の前提を連ねて、如何にも自衛隊の海外派兵が安全であり、戦闘には関わらないかのように装うが、それは、「空中楼閣」である。
日本のマスゴミは、米国主導の「テロとの戦い」が如何に凄惨なもので、その実態は、他国の民衆を敵視し、テロリストと民衆の区別が不可能な事実を隠ぺいし、他国の民衆の抑圧と虐殺を合理化しているに過ぎない実態を報じることが無いのである。 その事実に着目して如何にも第一線と銃後の判別が可能であるかのように装うが、現在進行中のアフガニスタンに於いても、イラクに於いても、最早、そのような区別は不可能である。
戦争の実態については、日本の報道には無いので(あっても安全地帯での御座なり報道)、You-tube を検索してみると、その実態が良く分かるものが数点あったので御紹介致したい。
http://www.youtube.com/watch?v=5Cefe8ljOkA
Sudden attack on British soldiers in Afghanistan The Times
2nd Battalion The Yorkshire Regiment
英ヨークシャー連隊第2大隊所属兵士と雑談中に、突然、敵襲を受ける。 展開した所属兵士に後退を命じて撤収に転じる上官の号令が緊迫しているのが分かる。 このように何時如何なる場所で敵襲を受けるかは全く分からないのである。
https://www.youtube.com/watch?v=Pgdpt77DeB4
Royal Marines In Afghanistan Ambushed
英海軍海兵隊コマンドが、開けた場所に出たところを待ち伏せされ銃撃を受ける。 このように、一般部隊とは違う技量を持つ部隊も不意に攻撃を受けるのが実態である。
http://www.youtube.com/watch?v=oUEIATWNVSs
Royal Marines: Mission Afghanistan – Dogs of War
上記と同じく英海軍海兵隊コマンドが、一旦は、掃討した地域をパトロールし、IED(Improvised Explosive Device 即席爆発装置)を掃討中の工兵隊を援護しているが、番組の最後で悲劇的な事件が語られる。 銃後も何も境界は無い。 西側は「タリバン」を敵としているが、その実態は、本当にあるのか。 強大な旧ソ連も屈服させることは出来なかった民衆を敵にしているのが実態である。 安倍政権は、本当に、こんな「戦争」にも加担すると言うのだろうか。 この記録の最後まで「タリバン」兵士の一人も登場しない。 でも、兵士たちの緊張は伝わって来る。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion4908:140712〕
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