首相は「広島大災害」をよそに、別荘を往復
- 2014年 8月 23日
- 時代をみる
- 池田龍夫
8月20日未明に広島豪雨惨事が発生した時、安倍晋三首相は山中湖の別荘で夏休み中だった。首相の夏休みを咎めるつもりはないが、大水害と聞けば直ちに帰京して対応策を講ずべきだった。20日から21日にかけての首相の行動を追跡したところ、その傍若無人ぶりに驚ろかされた。
<8月20日>未明、広島市で土砂災害が相次ぐ。4時20分官邸危機管理センターに情報連絡室設置。6時半、首相が救命救助などに全力で取り組むよう関係省庁に指示。7時2分、首相は別荘を出て、ゴルフ場で森喜朗首相らとプレー開始。首相は9時19分ゴルフ場を出て、10時59分官邸着。11時15分、情報連絡室を官邸連絡室に格上げ。11時23分、首相が記者団に「政府一体となって救命救助に当たるよう指示を出した」とコメント。13時40分、政府が広島県庁に現地災害対策室設置。古屋圭司防災担当相を団長とする政府調査団が広島入り。17時54分、首相は公邸を出て、19時42分別荘着。
<8月21日>10時34分、首相は別荘で北村滋内閣報道官から報告を受ける。11時13分、葛西敬之JR東海名誉会長が訪れ、一緒に会食。13時40分、首相は別荘を出て、15時17分官邸着。15時25分、古屋氏から報告を受ける16時3分。首相らが災害対策会議を官邸で開く。17時6分首相は官邸を出て、17時32分東京・富ヶ谷の私邸着。
別荘でゴルフしたあと帰京、型どおりの指示を出して、夕方別荘に戻るとは、被災した広島市民だけでなく国民全体を愚弄した行為である。国民の苦労に寄り添う気持ちが欠落している首相に国政を任す危険性すら感じざるを得ない。
天皇・皇后両陛下は別荘での静養を取り止める
天皇・皇后両陛下は広島災害を慮り、22~29日に予定していた長野県軽井沢町と群馬県草津町での静養を取り止め、皇居御所で過ごされることにした。また、両陛下は犠牲者への追悼と被災者へのお見舞い、災害対策に当たる関係者へのねぎらいの気持ちを、侍従長を通じ湯沢英彦広島県知事に伝えたという。両陛下の優しい心遣いに、感銘させられた。
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