自衛隊の〝離島奪還〟作戦を、約3万人の国民が見物
- 2014年 8月 28日
- 時代をみる
- 家田龍夫池田龍夫
陸上自衛隊最大規模の実弾射撃訓練「富士総合火力演習」が8月24日、東富士演習場で行われた。海空自衛隊との共同訓練であり、隊員約2300人と戦車など約80両、火砲約60門、航空機約20機が参加。弾薬約44㌧(約3億5000万円相当)を使用した演習。特に、離島奪還訓練には空自のF2戦闘機、海自のP3C哨戒機も参加した。
個別的自衛権に基づき本土防衛訓練を行うことに異を唱えないが、2万9000人もの〝観客〟を招いたことに驚かされた。陸自によると、公募への応募件数は約13万3000件もあったという。
見せモノではあるまいし、多数の観客の前で凄絶な闘いを演出するのは行きすぎだ。戦車や装甲車の実弾射撃を見物し、空を戦闘機が飛び交う姿に興奮したに違いない。尖閣諸島周辺の緊張は続いているだろうが、結果的に日本人のナショナリズムを刺激する恐れがあると思う。
陸自は、年に1度、東富士演習場で実弾を使った大規模な演習を行っていて、今年は特に規模が大きかった。このため多くの海外メディアが取材に訪れたが、独テレビ局の取材班は「日本が自衛権の在り方について考え方を変えてきていることに関心を持っていて、20年ぶりに取材に訪れた。今後の自衛隊の活動に注目していきたい」と話していたという。中国や韓国はどう見てるだろうか。自衛隊の行動は慎重な上にも慎重であってもらいたい。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.ne/
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