(恐れていたこと=) セシウム心筋症がいよいよ顕在化しているのか (『月刊宝島』の明石昇二郎さんの記事から) + その他
- 2014年 9月 4日
- 評論・紹介・意見
- 田中一郎
下記の『月刊宝島』の明石昇二郎さんの記事は要注目です。
そういえば、少し前には下記のようなニュースもありました。
●プロゴルファー 佐々木久行さん 急死 心不全
http://news.golfdigest.co.jp/news/jgto/article/39859/1/
(注目)おすすめ記事セレクション│月刊宝島│宝島社の雑誌
「福島県で急増する「死の病」の正体を追う! ~ セシウム汚染と「急性心筋梗塞」多発地帯の因果関係(第1回)
http://tkj.jp/takarajima/contents/blog/p/898/
(一部抜粋)
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■セシウム汚染と急性心筋梗塞に「正の相関関係」が
急性心筋梗塞急増の原因が「被曝」そのものではなく、「被曝を避けるための努力に伴う過度な心労やストレス」であったとしても、それは紛れもなく、福島第一原発事故が招いた健康被害である。
原発事故がもたらす健康被害は、なにも「被曝」によるものばかりとは限らない。それが「被曝によるものかどうか」の議論ばかりに時間を割いていると、結果的に被害者の救済が先送りにされるばかりか、被害対策自体も“後の祭り”的なものになりかねないので、注意が必要だ。もし、「被曝」が急性心筋梗塞急増の重要な要素(ファクター)だとするならば、急性心筋梗塞の多発地帯からいち早く住民を避難させることも、有効な「対策」となりうる。何が真因(あるいは主因)なのかによって、取るべき対策やそのスピード、そして東京電力が負うべき賠償責任も、全く異なってくる。
被害の正体や本質を見誤らないためには、あくまで事実を最重視しつつ、ニュートラルな立場を心がけて問題にアプローチするのが肝心だ。場合によっては、「原発事故とは全く違うところに原因がある」と、逆の視点からの仮説を立てて臨むことが、結果として有効な解決策を生み出すこともありうる。
そこで私たちはまず、「原発事故による被曝と関係がない」との仮説の下、それを否定することが可能かどうかを見極める検証作業に着手した。
(中略)
■福島県の「周辺県」でも急性心筋梗塞が「上昇」
気になることは、これだけではない。この「上昇」傾向が福島県にとどまらず、福島の周辺県でも見られるのだ(前掲の【表3】参照)。原発事故の起きた11年に顕著な上昇が見られる県(茨城県・群馬県)や、顕著ではないにせよ上昇が見られる県(宮城県・東京区部)、そして、福島県と同様に右肩上がりで増え続けている県(山形県・栃木県・埼玉県・千葉県)もある。今後、当連載では、こうした周辺県の検証作業も同時に進めていく所存である。
改めて言うまでもなく、急性心筋梗塞に罹(かか)った人のすべてが、すぐに亡くなっているわけではない。福島県立医科大学がそのホームページで公開しているデータ( https://www.fmu.ac.jp/home/int-med1/Fukushima-AMI/AMI.htm# )によれば、発症から30日以内に死亡する人は全体の10%に過ぎず、残りの90%で1カ月以上の延命、もしくは救命に成功しているのだという。
言い換えれば、人口動態統計から明らかになる「健康被害」の実数は、あくまでも氷山の一角に過ぎない。福島第一原発事故で放出された放射性物質によって心臓にダメージを負わされた“被害者”は、その数倍から10倍近くにまで及んでいる恐れがある。現在、急性心筋梗塞をはじめとした心臓疾患で闘病中の福島県民の中にも、そうした“潜在的被害者”がいるかもしれない。これまで急性心筋梗塞は、原発事故と結び付けて考えられてこなかった──だけの話なのだ。
■みなさまへのお願い
連載の第1回を締めくくるにあたり、私たち取材班から読者の皆さんに、協力を要請したいことがある。現在、取材班では、福島第一原発事故の発生以降に急性心筋梗塞を発症した福島県在住の方や、急性心筋梗塞で亡くなられたと思われる福島県民のご遺族への取材を進めている。急性心筋梗塞で現在、闘病中の方や、担当の医師から「死因は急性心筋梗塞である」との告知を直接聞いたご遺族、そして「急性心筋梗塞」と書かれた死亡診断書を受け取ったご遺族で、取材にご協力いただける方は、本誌編集部かルポルタージュ研究所(メール: i.n.f.o@rupoken.jp )まで情報を寄せてほしい。
なかでもご遺族からお聞きし、確認したいのは、次に掲げる5点の事実である。
①死因
②死亡日時
③享年
④亡くなられた方の11年3月11日時点の健康状態
⑤亡くなられた方が急性心筋梗塞を発症するまでの生活状況
こうした情報が集まれば、「原発事故の発生後、どんな生活を送っていた人が急性心筋梗塞を発症するリスクが高いのか」の見極めがつく可能性がある。その上、そうしたリスクの高い人を事前に把握し、救命医療に役立てることもできるだろうし、そうしたいと私たちは願っている。読者の皆さんとの共同作業で、この未曾有の危機に立ち向かっていきたい。(以下、次号)
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(以下、その他の被ばく関連情報その他をお伝えします)
1.「被ばくを強いられた」「避難したい」~親子86人が提訴 OurPlanet-TV:特定非営利活動法人 アワープラネット・ティービー
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1826
2.UPLAN 「汚染地帯で何が起きているのか〜チェルノブイリ事故から4年」を取材して —- 科学報道から考える「チェルノブイリと福島原発事故」 より (2014年8月30日)- YouTube
(第1部)https://www.youtube.com/watch?v=-DICFCvDjaA&list=UUhjEbWVGnGHhghoHLfaQOtA
(第2部)https://www.youtube.com/watch?v=TbZm8ELwp0A&list=UUhjEbWVGnGHhghoHLfaQOtA
3.山本太郎(動画)
● 被曝・原発・戦争・移民・メディア・解散-山本太郎「新党ひとりひとり」党首が街宣キャラバンを開始 日仏共同テレビ局フランス10
http://www.france10.tv/politics/3482/
4.(イベント情報)「戦争させない、9条壊すな、総がかり行動」
9月4日 午後6時 日比谷野外音楽堂
http://www.anti-war.info/wordpress/wp-content/uploads/2014/07/9.4flyer.pdf
5.(イベント情報)
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シンポジウム
「なぜ被ばくは語れないのか〜放射能とメディア」
http://fukushimavoice.net/2014/08/1648
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放射能汚染、被ばく、健康被害―。原発事故から3年が経ち、被災地の復興が
優先される中、「風評被害」との名の下、こうした言葉はタブー視され、被害者が孤立化している。
原爆症、水俣病、薬害などの歴史を辿ると、被害者は常に似たような状況に追い込まれてきた。
その背景には、必ず「差別」をめぐる問題が潜む。被害者に沈黙を強いる政治的社会的な
圧力が強まる中、メディアはこの問題にどう向き合うべきかを議論する。
日程:9月22(月)19:00~21:30
会場:Space&Cafe ポレポレ坐(東京都中野区東中野4-4-1 1F)
ゲスト:七沢 潔(NHK放送文化研究所・上級研究員)
荒木田 岳(福島大学行政政策学類准教授)
牛島 佳代(福岡大学医学部衛生・公衆衛生学教室講師/福島子ども健康プロジェクト事務局)
ファシリテーター:白石 草(OurPlanet-TV)
<料金>予約:1,500円/当日:2,000円
<ご予約・お問い合わせ>
TEL:03-3227-1405(ポレポレタイムス社)
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<ゲスト>
七沢 潔(NHK放送文化研究所・上級研究員)
1981年早稲田大学卒業後、NHK入局。テレビディレクターとしてチェルノブイリ、東海村、福島などの原子力事故を長期にわたり取材、番組化してきた。主な作品にNHK特集『放射能食糧汚染~チェルノブイリ2年目の秋』(1987)NHKスペシャル『シリーズ いま、原子力を問う』(1989)など。2004年、突然の異動で現職に。ETV特集『ネットワークでつくる放射能汚染地図』(5月15日放送)で文化庁芸術祭テレビドキュメンタリー部門大賞、ドイツ世界映像祭銀賞などを受賞。 著書に『チェルノブイリ食糧汚染』(講談社、1988)、『原発事故を問う』(岩波新書、1996)など多数。
荒木田 岳(福島大学行政政策学類准教授)
1969年、石川県金沢市生まれ、2000年より現職。地方制度史を専攻し、大学では「地方行政論」を担当。原発事故後は、いち早く自主的な除染活動に参加した。「脱被ばく」を掲げ、人々を放射能から守ることの重要性を訴えている。
牛島 佳代(福岡大学医学部衛生・公衆衛生学教室講師/福島子ども健康プロジェクト事務局)
不知火海沿岸地域に熊本大学在学中から通い始め、以来20余年、濃厚汚染地域の芦北町の漁村において聞き取りや質問紙調査を行い、「社会的な病」としての水俣病の姿を炙り出そうとしてきた。末の子どもの出産とほぼ同時期に起きた福島原発事故では、福島の親子の生活と健康状態を長期的に把握し、関わるため「福島子ども健康プロジェクト」を立ち上げている。
<ファシリテーター>
白石 草(OurPlanet-TV)
<料金>
予約:1,500円/当日:2,000円
*特別フリーパスをお持ちの方はイベントでもご使用いただけます。(別途予約必要)
*三回券はご使用いただけませんのでご了承ください。
<ご予約・お問い合わせ>
TEL:03-3227-1405(ポレポレタイムス社)
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion4974:140904〕
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