民主党は「日本軍用語」を復活しようとしている
- 2010年 11月 22日
- 交流の広場
- 旧軍用語海の大人
11月18日、琉球新報の一面トップです。
「自衛隊に旧軍用語」「新防衛大綱民主提言案 トップは天皇認証官」と謂う見出しが躍っています。リード部分を少し長くなりますが、引用しておきます。
政府が年末に策定する新たな防衛計画大綱に連動し、民主党の外交・安全保障調査会(中川正春会長)が取りまとめた提言案で、専守防衛を趣旨とする憲法に照らして陸上自衛隊が用いている「普通科」の言葉を「歩兵」に変更するなど旧日本軍の用語を復活するよう求めていることが17日、分かった。同時に、陸海空各自衛隊のトップである幕僚長や統合幕僚長を天皇の認証官ポストにするよう提唱している。さらに、中国の軍拡に対応し、沖縄の陸自部隊増員に加え、南西諸島の空海自衛隊の強化などを盛り込んだ。(引用終わり)
記事内容に拠れば、例示として陸自普通科を「歩兵」、1佐を「大佐」、2佐を「中佐」と変更し、他国軍との用語統一を促している。此れに沿えばと謂う形で、記事は、現在の陸自将官は「大将」「中将」となり、統合幕僚監部は「統合参謀本部」、運用は「作戦」、自衛隊の警察に相当する警務官は「憲兵」との呼称に変わってしまう、としている。また、提言案は、国連平和維持活動(PKO)などで派遣された自衛隊員の天皇との謁見を現在の年1回程度から増やす事を求め、さらに、日本への限定的な侵略を拒む「基盤的防衛力」概念を見直し、多様な脅威に対処する「動的抑止力」に変化させるよう要請していると謂う。
このほか、武器輸出三原則の見直し、国家安全保障会議(NSC)を新設し情報収集を強化する事を盛り込んだと謂う。
二面では、此れに、沖縄の陸自増員と対潜戦力の増強が触れられ、解説で、「「稚拙な政治」象徴」と批判が避けられない事を指摘している。
私の意見はあまり陳べるべきだとは思わないが、米軍再配置からかなり遅れて、自衛隊も「ソ連」から「中国」に防衛体制をシフトするべきだ、と民主党が言い出したと謂うことだろう。また、自衛隊を他国軍並みに呼称でもしようと言う事だから、しかるべき時の自衛隊の国軍化を念頭に置いているのだろう。軍需産業の振興を願望している事も分かる。また、制服組(軍人)を複数閣僚級ポジションに引き上げようとしているようだが、此れは、実は誰の意図なのか分からない。当然情報収集の強化と言っても、誰のどの様な意図なのか分からないので、この提言で事態が動くと謂うことはありえない。
自衛隊の民主党工作、民主党の自衛隊工作がともに進行していると謂うことと、それが、天皇の認証官構想として進んでいる、と謂うことを過大視するのではなく、しかし、承知しておくべきだろう。(了)
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。