みんなで報ステに激励を!…本質は間違っていない。委縮することなかれ
- 2014年 9月 15日
- 交流の広場
- 杉原浩司
満田夏花さん(FoE Japan)のメールを転送します。現在行われているマス
メディアをめぐる政治的な攻防の行方は、私たち市民の未来を大きく左右
するものです。今こそ「叱咤激励」が必要だと思います。
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みなさま(重複失礼、拡散歓迎)
FoE Japanの満田です。
政府を批判する報道がつぶされ、骨のある記者やディレクターが自殺したり、お
ろされたりして、政府がたれながす広報をそのまま報道するメディアだけが生き
残ることが心から心配です。
川内原発の審査書をめぐっても同様のことが起こっています。
みなさん、下記は田中俊一委員長の記者会見発言です。「科学をねじまげている」
と追及するロイターの記者に対して、田中委員長が何と答えているか、ぜひみて
ください。その部分の頭出ししてあります(全体のやりとりは30秒くらい)
https://www.youtube.com/watch?v=MZbr9kJcCqk&feature=youtu.be&t=10m40s
こちらは、火山噴火予知の大御所たる噴火予知連の藤井会長の発言。
「火山リスクが低いとの規制委の判断は科学的根拠に基づいていない」
川内原発 新基準適合 噴火予知連会長が批判 (2014年9月11日、東京新聞)
https://dl.dropboxusercontent.com/u/23151586/tokyo_140911.pdf
さて、当日の放送でこの問題に、唯一取り上げたのが報道ステーションでした。
記者会見のシーンと、火山学が専門の鹿児島大学の井村准教授の電話インタビ
ューです。
たいへんよい報道だったと思います。
報道の中で、「火山審査ガイドを見直す予定」という報道があり、私はここだけ、
あれ?そうだったのか、と思った記憶があります。
しかし、これは誤報で、報道ステーションの記者または編成側は、竜巻のガイド
ラインと火山ガイドラインを混同したようなのです。
原子力規制委員会はさっそく、翌日、以下のような抗議を行いました。
http://www.nsr.go.jp/news/26/09/0911.html
ポイント1:「火山の審査基準そのものを今後修正する」というのは、竜巻の審
査ガイドであった点
ポイント2:「現在の科学の知見をねじ曲げて、これで審査書を出すと、これは
いわゆる安全神話の復活になるということは言えないでしょうか。」という記者
の質問に対して、田中委員長が、「答える必要がありますか?なさそうだからや
めておきます。」とした点です。
ポイント1については、これは報ステの間違いだったようです。(しかし、一方
で、火山モニタリングについての専門家会合が開かれており、ここで火山審査ガ
イドについても影響する議論が行われています)
ポイント2については、これは報道ステの誤報でしょうか?
再度、以下の規制委の記者会見の映像をみてください。(会見の10分40秒くらい
からです、頭だししています)
https://www.youtube.com/watch?v=MZbr9kJcCqk&feature=youtu.be&t=10m40s
「わからないことをわからないとするべきであったのではないか」というロイタ
ーの浜田記者の追及に対して、田中俊一委員長は、
「原子炉の運転期間中、今後、長くても30年でしょうということを私は申し上げ
ているのですけれども、その間にはないだろうという判断をしたということ」
と答えています。
※なお、火山ガイドラインで求めているのは、「運用期間中」(原子炉の運転期
間に使用済み燃料の補完期間を加えたもの)での施設に影響を与える噴火の有無
についてです。原子力規制委員会は、報ステの揚げ足をとるよりもまず、田中委
員長の発言を修正したり、自らの審査書の誤りを修正することをすべきだと思う
のですが…。
そして、なおも浜田記者は、自らも噴火はないと思うがとしつつ、「現在の科学
の知見をねじ曲げて、これで審査書を出すということになると、後々の審査にも
響くのではないでしょうか。それがいわゆる安全神話の復活になるということは
言えないのでしょうか」と追及しました。
田中委員長は、「答える必要がありますか。なさそうだから、やめておきます」
と突っぱねました。
この部分に関しては、報道ステーションの報道が間違っていたとは私には思えま
せんでした。
しかし、報ステはあっさりと誤ってしまいました。以下が報ステの「謝罪」の部
分のニコニコ動画です。
http://nicovideo.jp/watch/sm24458408
謝るにしても、火山審査ガイドについてだけにするべきだったのではないでしょ
うか。報道ステーションの報道は、基本的には、今回の審査のポイントをついた
よい報道だったと思います。それなのに、報道自体を自ら否定するような謝罪を
してほしくはなかったです。
★ここからが本題★
みなさん、ぜひ報ステに激励のメッセージを送りましょう!
「委縮するな!」「報ステの報道は本質をついている!」
または、「間違っていない部分は謝るな!」
(報ステへの意見はこちらから)
http://www.tv-asahi.co.jp/hst/opinion/form.html
(ついでに原子力規制委員会への意見はこちらから)
https://www.nsr.go.jp/ssl/contact/
このメールは火山審査をめぐる背景情報とともに、以下のブログサイトに掲載し
ています。ぜひ、拡散していただければ幸いです。
http://www.kiseikanshishimin.net/2014/09/13/140913/
以下、原子力規制を監視する市民の会のAさんが、報ステに送ったメッセージで
す。
—————以下引用
9/10の原子力規制委員会の報道を9/12に「誤報」だったと訂正された部分ですが、
いつも他局で反対意見をいくら無視した報道がされてもそのままなのに、こんな
重箱のスミつつくような指摘で訂正放送しなきゃいけないのかと悔しいです。
竜巻ガイドと火山ガイドの件は確かに間違いかもしれませんが、実際、噴火の前
兆を捉えることが可能ではない、巨大噴火の可能性が十分に小さいかどうかは言
えないと専門家に言われた時点で火山ガイドは見直してしかるべきなのでは?
(掲載者注:火山のモニタリングをあてにした火山ガイドの見直しもさることな
がら、川内原発の審査書を見直すべきでしょう。)
そして、改めて放送された田中委員長の「答え」は、完全に科学的に謝りですね。
噴火の可能性が十分に小さいと判断する根拠は失われたんだから。
規制庁のHPの書き起こしも読みましたが、記者Bさんが聞いていることは非常に
重要で、本来なら彼の言うとおり、「科学的には安全とは言えませんが、それで
も政治的な判断として再稼働しますか」と政府にボールを投げなきゃいけないで
すよね。それに対して「答えるか必要がありますか。なさそうだからやめときま
す」とは!記者Bさんが何度聞いてもピントをはずした答えしかしなかったのは
田中委員長なんだから、あそこだけ切り取られたからって一切文句言える立場じ
ゃないはずです。
そもそも、田中委員長がいつもダラダラともって回ったしゃべり方するからテレ
ビ的にすごく編集しにくいのではありませんか?長くしゃべっても結局内容ないし。
とにかく、原子力規制委員会が科学的にも誤りを放置したまま、パブコメも無視
して審査書を決定してしまったという事実に変わりはありません。
こんな細かいことにめげずに、これからも堂々と権力と戦ってください。
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満田夏花 MITSUTA Kanna <kanna.mitsuta@nifty.com>
携帯:090-6142-1807
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