「川内原発再稼働するな!」 -さようなら原発全国大集会に1万6000人-
- 2014年 9月 27日
- 時代をみる
- 原発岩垂 弘
原子力規制委員会が、九州電力の川内原発(鹿児島県薩摩川内市)1、2号機について、原発の新しい規制基準を満たしているとの審査結果を発表したことから、年明けにも同原発の再稼働となるのではと予想されている。これに対し、鹿児島県内の90団体が加わる「ストップ再稼働!3・11鹿児島県実行委員会」が9月28日(日)、鹿児島市天文館公園で全国集会を開くが、その前哨戦として、「さようなら原発一千万署名市民の会」が23日午後1時から、、東京都江東区の亀戸中央公園で「川内原発再稼働するな! フクシマを忘れない! さようなら原発全国大集会」を開いた。
この集会は、当初、さようなら原発一千万署名市民の会、原発をなくす全国連絡会(全労連、民医連、新婦人などが中心)、個人中心の首都圏反原発連合の3団体が、共催で23日に渋谷区の代々木公園で開く予定だった。ところが、蚊によるデング熱騒動で同公園が閉鎖されたため、3団体で協議した結果、3団体共同集会は見合わせることになり、これを受けて、さようなら原発一千万署名市民の会による、会場を変えての単独開催となった。それだけに、多くの参加者は望めないのではとの見方があったが、開会前から、会場に詰めかける人もあって、参加者は主催者発表で1万6000人にのぼった。
会場にはためく旗やのぼりから判断すると、参加者は労組員、生協組合員・職員、市民団体関係者ら。労組では、自治労、日教組、全水道、JR総連、私鉄総連、国労、都職労などが目立った。生協はパルシステム連合会、生活クラブ連合会、常総生協など。「日本カトリック正義と平和協議会」「YMCA」「金光教」の旗・のぼりも見えた。
私の目を引いたのは主催団体に加わらなかった、原発をなくす全国連絡会の加盟団体の旗・のぼりもあったことだ。日本科学者会議、全労連・全印総連などだ。
これらの旗やのぼりから見て、参加者は北海道から沖縄までのほとんどの全都道府県に及んでいた。参加者はかなり広範な階層・地域からの人たちだったと見ていいようだ。
会場につくられたステージでは、ルポライター・鎌田慧さん、作家・大江健三郎さん、ノンフィクション作家・澤地久枝さん、元第五福竜丸乗組員・大石又七さん、韓国、台湾の脱原発活動家、作家・落合恵子さんらがあいさつ。
鎌田さんは「安倍内閣は集団的自衛権行使容認の閣議決定をしたり、秘密保護法を制定するなど、さまざまな悪政、亡国政治をしている。そのうえ、国民の声に耳を傾けず原発を再稼働しようとしている。原子力規制委員会は川内原発は安全だと審査結果を出したが、それには根拠がなく、でたらめだ。その一方で、事故を起こした東電福島第1原発はいまだに一日400トンの汚染水を流出している。こんな状況の中で、川内原発を再稼働させるなんて断じて認められない。原発をなくすために一緒に行動しよう」と述べた。
参加者が掲げたプラカードにはこんな文字も
落合さんは「私たちは、原発を稼働させなくてもこの夏の猛暑を過ごすことができた。『吉田調書』を読むと、原発でいったん事故が起こると、政府も電力会社もただただ右往左往するばかりで、効果的な事故対策など打ち出せないことが分かる。こんな国を子どもたちに残してはならない。原発をなくすために声をあげ続けましょう。福島の人たちと一緒に生きていきましょう。デング熱は怖いが、天狗になった政府はもっと怖いことを知りましょう」と呼びかけた。
集会の後、参加者は「再稼働反対」と声をあげながら江東橋までデモ行進した。
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