南日本新聞・社説:[ODA見直し] 「平和主義」が大原則だ+【いよいよ明日です!ODAで「軍事協力」!?】 転送:神田浩史さんより ODA大綱学習会のお知らせと参加のお願い(京都)
- 2014年 9月 30日
- 交流の広場
- uchitomi makoto
南日本新聞・社説:[ODA見直し] 「平和主義」が大原則だ
http://373news.com/_column/syasetu.php?ym=201408&storyid=59369
( 8/27 付 )
日本の政府開発援助(ODA)が今年で開始60周年を迎える。だが、節目の年に「平和主義」の基本原則が大きく様変わりしそうだ。
安倍政権は、援助の理念を定めた「ODA大綱」の見直しを進めている。外務省の有識者懇談会が6月にまとめた報告書を基に秋までに政府案をつくり、年内の閣議決定を目指す。
1992年に策定され、2003年に改定された現大綱は軍にかかわる支援を一切除外してきたが、今回の懇談会報告書は容認に方針転換した。背景にあるのは、安倍晋三首相が打ち出した「安全保障のためにODAを戦略的に活用する」との方針である。
集団的自衛権の行使容認や武器輸出三原則の見直しなど、安倍政権の下で戦後日本の大原則のなし崩し的な変更が続く。そんな中、日本の外交にとって重要なODAが掲げる「非軍事主義」の原則の崩壊を懸念せざるを得ない。
報告書は、ODAに「軍事的用途や国際紛争の助長への使用を回避する」と明記する一方で、軍による災害救助活動などへの支援は「一律に排除すべきでない」と指摘している。
だが、現場では軍事行動と非軍事行動を区別することは容易ではない。非軍事分野の人道支援といっても軍に対するものであれば、他国には軍事支援と映るだろう。
ODAに軍支援の道を開くことで、平和国家日本の評価が損なわれては意味がない。
議論のプロセスが不透明なことも問題だ。有識者懇談会の報告書をお墨付きに閣議決定に持ち込むやり方は、集団的自衛権の行使容認と似ている。
多額の国税が投じられ、国際社会での日本の評価に影響するODAの将来については、国民的な議論を尽くす必要がある。政権の意向を反映した懇談会の報告書を基に、拙速に方針転換することは許されない。
報告書が「途上国の経済発展と日本自身の力強い成長を同時に実現する」などと強調している点も気になる。
ODAの目的は、途上国の貧困廃絶に貢献して自立と持続的な発展を促すことにある。目先の国益や日本企業の利益を誘導することは慎むべきだ。
かつて世界一を誇った日本のODAだが、13年は4位だった。先進国は国民総所得(GNI)の0.7%をODAに振り向けるという国連合意に対し、日本は0.23%と達成にはほど遠い。
先進国の一員として責任を自覚し、質量両面で充実したODA大綱をまとめることが重要だ。
ODA(政府開発援助)大綱 学習会のご案内
日本のODA政策の最上位文書であるODA大綱の改定が図られようとしています。
ODA大綱は1992年に策定され、その後、2003年の改定を経て、今日に至っています。
10年程度での改定をめどとしており、今年3月に岸田外務大臣が改定を表明して以来、外務省の担当者と各種団体との意見交換などが繰り広げられてきました。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/about/kaikaku/taikou_minaoshi/
いよいよ今年年末にかけて政府より改定案が示され、公聴会やパブリック・コメントが実施される運びになります。
その前に、ODA大綱の成り立ちを学習し、これまでの大綱の成果や課題、今回の改定のポイントなどを振り返り、同時に私たち日本社会の一人一人の市民の役割についても考えていきたいと思います。
ODA大綱ってなに?初めて聞いた、という方にもわかりやすく学ぶ場としていきたいと思いますので、ぜひ、ご参加ください!
と き:2014年10月1日(水) 18:30~20:30
ところ:同志社大学 今出川キャンパス 至誠館3階 会議室
(地下鉄烏丸線「今出川」駅から徒歩1分)
参加費:無料
内 容:
① ODA大綱ってなに?
~これまでのODA大綱と今回の改定のポイント~
神田 浩史 さん
(ODA改革ネットワーク世話人、NPO法人 AMネット理事、
元外務大臣の諮問機関「国際協力に関する有識者会議」委員)
② ODA大綱改定にあたって
私たちにできること、私たちがやらなければならないこと
加藤 良太 さん
(関西NGO協議会 提言専門委員、
NGO・外務省定期協議会「ODA政策協議会」コーディネーター)
主催/ ODA改革ネットワーク・関西 http://d.hatena.ne.jp/odanetkansai/
問合せ先:京都府宇治市広野町西裏99-14 パール第1ビル3階
Tel 0774-48-1100
Fax 0774-44-3102 (藤原)
もしくは メール fujiwara_toshihide@yahoo.co.jp
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