テント日誌10月24日…前夜の芋煮会は話も弾んで楽しかった/10月25日…いろいろの人の訪問が増えてきているテントひろば
- 2014年 10月 27日
- 交流の広場
- 経産省前テントひろば
経産省前テントひろば1140日 商業用原発停止402日
前夜の芋煮会は話も弾んで楽しかった
子供のころに中秋の名月の晩には農家では縁側や縁台に里芋を供えていた。そしてグループで訪れる子供たちに供えてある里芋をくれた。子供たちは口ぐちに“芋おくれ”と芋をもらって渡り歩いた。農家は子供たちのために、供えたものと別に多くの里芋を用意していた。子供のころの記憶が強くあるためか、東北地方で行われるらしい芋煮会をやってみたいと思った。多摩川の上流の方まで出掛けて行ってやったこともあるが、なんとなくやってみたいことだった。民俗学的にその起源を尋ねてみたいということもあるが、それ以前にやってしまう。それが僕の流儀だが、ここにはいろいろのことがあるのだと思う。大飯原発のある大島半島には「ニソの杜」があって、それを探索するみたいなこともその一つだろう。あるいは久見崎海岸で海の物語の再生を願うみたいなことかもしれない。これらは原発問題が喚起させることと言っていい。原発問題は僕らに文化や習俗の古層をよび起こすのであり、そこに僕らはアンテナを延し、そういう契機を僕らの社会のイメージに組み込んでいかなければならない。原発によって失われ、隠されていくものに抗い、それを再性し存続させることはそういうことでもあるのだ。美味しい里芋を食べたいだけと言っていいのだけれど、そんなこともまた想像できる。
経産省前にはTVの車が詰めかけていて、いつもの播磨屋の広報車も姿が見えなかった。この間のちょっとした光景だった。女性大臣の二人が突如辞任したことで現出した政治劇だが、これは地金が露呈した事と言える。ことのはじまりは安倍内閣が今国会に当たり、内閣を改造して打ち出した政治的方向である。それは「女性の輝く社会」、「地方創生」であり、秘密保護法や集団的自衛権行使容認というこわもての感のある政治を表から隠すものとして意図されたものだ。この政治的方向はどのような意図から出されたものであっても悪いことではなく、ある意味では優れた政治的コピーであるとも言えた。ただ、こういう政治的方向性を支えるには思想的な力というか、政治的見識が必要であり、結果的にはそのお粗末さを露呈させたと言える。「女性の輝く社会」の象徴として5人を大臣に起用し、党の要職に多くの女性議員を登用した。だが、皮肉なことに彼女らはフェミニズムをはじめとする女性の問題の提起に反動的に対応してきた面々だった。男女の共働きには反対し、戦前型の家族を賛美してきたのである。彼女たちは「女性の輝く社会」の政治的な担い手にされた時、本来なら戸惑い、むしろ批判的な立場に立つべきだった。以前の政治的言動からすれば。自分の身に反することを恥じも外聞のなく引き受けたのは恥ずかしいことだ。女性だからと言って女性の問題が理解でき認識できているとは限らない。逆だってあるのだ。安倍はこの辺のところがわからず政治的に利用しようとしたのだろうが、このおかしさは今後も続くことだと思う。これは安倍自身がこの言葉の真の意味を分かっていないことかもしれないが…
「女性の輝く社会」、誰が考えたかはともかくなかなか優れたキャッチコピーである。僕らはこのことを原発問題の中で発した女性たちの言葉にそれを見た。あるいは考える契機が与えられた。「カネよりも命」という言葉だった。だが、この言葉が具体的なイメージを得るには大変難しいことも同時に知らされた。自問自答を繰り返してきたけれど、道半ばというところであり、僕はここに現在の社会の根本的な問題、つまりは過渡性ということを実感している。誰でもいいが、こういう問題で前進的な方向を提起して欲しと願ってきた。それだけに下手に政治的利用すればとんでもないことになることも分かっていた。
テントもそういえばもう4年目の秋になる。少し前の日誌で言われてもいたことである。その中で何が見えてきたのか。ちっとも変わらない風景の中でテントを保持しているだけのようにも思えるが、同時に変わりつつあることも感じている。テントの現実的姿というよりはそれを支え、構成している人々の心の動きに変化がみえるのだ。テントはその場所を超えて人々の心的動きの中に存在もし、またそれは扉を超えて浸透して行く。全体的なものや、歴史的なものには関わりにくい現状の中で、まだ言葉にはならないけれど、そういうものの所在を暗示する動きが出てきている。台湾や香港の学生たちの動きは僕の心の中に入ってくるし、彼らのこころにテントのことは伝わっているはずだ。そんな風に僕らの心に動きは相互浸透性がある。これが大きな動きや言葉になるにはもう少し時間が必要であるが、歴史は行動が生み出すものの伝搬から始まる。テントはささやかであってもその一端をなしている。経産省前のテントから久見崎海岸のテントへの広がりの中にも僕はそんなことを感じている。妄想に近いのかもしれないが、僕らの歴史への関わりなんてそんなものではないのか。テントの前に座りながらそんな思いにいつの間にか耽ってしまっているのだけれど…(三上治)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
経産省前テントひろば1141日 商業用原発停止403日
いろいろの人の訪問が増えてきているテントひろば
今日は色々な方が来てくれた。
はじめに札幌から、泊原発の再稼動を恐れていらした。
北電はオール電化を推奨し、原発の再稼働がなければ電気料金を値上げしなければならないと脅しをかけている。札幌でも金曜行動は続いているとのことでした。そのほか色々と第2テントのUさんと長いこと話して帰った。
脱原発にかける思いの強さを感じます。
高校の同窓会に行くという通りがかりの老紳士、半蔵門に行く道を尋ねたところ、3人の男性が地図を示しながら丁寧に説明するうち、話が原発や福島の事に及んであたかもテント前会議状態。最後には頑張って下さいとカンパを置いてタクシーで会場に向かわれた。
午後YさんOさんほかの男性が第2テントのTさんが作ってくれた新しいバナーを第2テントに取り付けた。以前の「子どもを放射能から守る 原発の再稼動を許すなetc」と書かれた布製のバナーはとても印象的で良かったのだが、 残念ながら長い年月風雨にさらされ痛みが激しかったのでやむを得ませんね。
2時過ぎ中国のメディアが通訳の女性とやってきた。昨日テントの取材に来た人たちだった。今日は重慶爆撃裁判の事である方のインタビューをテント前でしたいとのこと。一時間近くかけて取材して行った。
千葉からどう見ても右と思われる方が先日の襲撃の事をユーチューブで見て詳しく 知りたいとやってきた。Fさんと名刺交換して暫らく話して行かれた。
案の定、名刺には日の丸と靖国神社が印刷されていた。ただの偵察で良かった!
テントは色々な意味で有名になってきていますね。
こちらから声をかけなくても外の椅子に置いてあるチラシを取ってくださる人も出てきて嬉しい。隠れ原発反対の人も多いのではないでしょうか?(I・K)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
◆「福島おんなカレンダー2015年版」を買ってください。
テントから のお知らせ “原発いらない福島の女たち”が作成した「福島おんなカレンダー2015年版」を第2テント にて好評発売中。 このカレンダーは子どもたちの甲状腺がんなど健康被害・除染・避難と帰還・焼却炉・核汚染物の中間貯蔵地問題等、「フクシマの今」を 伝えています。カレン ダーの売上収益は「女たち」の活動、とくに、福島の現状と問題を全国に伝えるための交通費に役立てられています。一部1000円(税 込)です。連絡先 原発いらない福島のおんなたち(カレンダーチーム):070-5018-7478黒田 梨の木舎メール:nashinoki-sha@jca.apc.org FAX:03-3291-8090
◆函館市大間原発建設差し止め裁判
・10月29日(水)午後3時
・第2回口頭弁論 東京地裁103号法廷
・裁判報告集会:午後4時 参議院議員会館講堂
★弁護団報告 ★大間原発訴訟の会代表 竹田とし子さんのお話 他
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。