テント日誌12月7日裁判傍聴記2
- 2014年 12月 8日
- 交流の広場
- 経産省前テントひろば
経産省前テントひろば1184日商業用原発停止444日
第9回 テント村裁判 傍聴記
・日時:H26.12.3 15時~16時30分 場所:東京地方裁判所第103法廷
・原告側:13名 被告側:20名(うち福島の女性6名)裁判長:村上正敏
前日に衆議院選挙の公示が発せられたばかりで都心は少し騒々しいかと期待していったが、行った場所が裁判所では、テント裁判の熱気のほうが凌いでいたのは当たり前だと納得した。
先日、河合弘之監督の「日本と原発」のドキュメンタリー映画を鑑賞しました。会場は超満員 で入れない人もいました。関心の高さを感じました。内容は皆さんそれぞれご覧いただき思いを共有できればよろしいかと思います。私はできればわが町で自主上映会を企画しようと考えています。
そんないろいろな思いが交錯する中いつものように傍聴抽選の列に並び、幸いにも選に当たり傍聴できました。が本日の裁判は終末に意外な結果が待ち受けていました。
傍聴記
暴挙、横暴、怒号とヤジの中での閉廷となった。5分ほどの休廷の後、開廷されてすぐに、裁判長は「請求を却下し、弁論を終了します」と発言した途中でその言葉を遮り一人の弁護士の方が「忌避します」と申したてた。その間傍聴者の皆さんは私も含めて一瞬何が起きたのかわからず、退廷する裁判長、裁判官の背に多くの異議の声が浴びせかけられた。その後も傍聴者は事態が呑み込めないまま皆法廷内に立ち尽くしていた、そこではじめて周りに多くの警備員がいることに気が付いた。なるほどこれは今日の裁判長の最後の言葉での混乱を予知しての裁判所として準備していたのだ、と妙に納得したが、疑念を抱きつつも大きな混乱もなく皆さんは法廷を後にしました。
裁判は追加の陳述書、申請書の提出の確認作業のため10分ほど遅れて開廷となった。以下法廷でのやり取りを順に述べ最後に上記記述へとつながります。以下は被告側代理人弁護士の陳述、弁論です。
河合弁護士:原発事故は国に重大な責任があり、原発は止めなければならないそのためにテントがある。原発の成り立ちから現在までを記録した映画がここにあります。これを提出します。ご覧ください。
大口弁護士:テント設置の意義。原告主張の虚偽、なぜ2名だけが訴訟の対象なのか、その根拠が明らかにされていない。2名のみがその地を占有していると言うはっきりとした根拠が示されていない。
長谷川弁護士:国の賠償額算出の根拠のあいまいさの追求。
大木弁護士:原発の安全神話は崩壊している。そして安全のレベルを下げようとしている。
福島県双葉町女性(第2テント)の陳述:
この女性の陳述が15分ほど語られた、原発の近くに住み3.11の当日東電社員は放射能漏れがあるから逃げてくださいと云われた、車で逃げたが混雑していて前へ進めない。車の中で寒い夜を明かした。避難所に逃げ更に娘のいる横浜に一家7名が逃げた。3月末にようやく今の住宅に入れた。
原発の情報も無いがために放射能の多いほうに避難していた。事故前の防災訓練は全く役に立たなかった。そして2か月後にテントの存在を知り訪ねた。ここでみんなに励まされ、精神的にも立ち直ることができた。テント広場はなくさないでほしい、必要です、本当に再稼働は反対です。
文字に表わすとその臨場感、彼女の心の叫びは伝わりませんが、生の声、お話をお聞きした私たちはその叫びに涙しました。
一ノ瀬弁護士:国はあの場所がポケットパークであることを認めるか否かが国は認めようとしなかった。
そしてこの後、村上裁判長は「合議のため5分間休憩します」と云って3名の裁判官は合議室に入った。そして再開されてすぐの発言が初めの記述となりました。
傍聴後記
何とも後味悪くすっきりしない結果である。傍聴していて裁判長の軽さが見えたし後ろで大きな力が働いているような気がしてならないのは、今回傍聴された人は感じられたのではないでしょうか。最近では原発裁判では再稼働反対に有利な判決が出始め、その広がりが我々に勇気と元気を与えてくれている。ようやく我が国にも良識ある司法が形成されつつあると思っていた矢先に権力に屈し、良識のない裁判官がいることに落胆をした。
このことでさらに怒りは大きくなり、原発ゼロまで声を挙げ続けようと誓った。
文責:西島延大
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