たんぽぽ舎から TMM:No2365
- 2014年 12月 20日
- 交流の広場
- たんぽぽ舎
たんぽぽ舎です。【TMM:No2365】
2014年12月19日(金)地震と原発事故情報-5つの情報をお知らせします
転送歓迎 重複ご容赦願います
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★1.福井県民など多くの住民の未来を奪う原子力規制委員会の
不当な意見書案を許せない!! (中嶌哲演)
★2.寒風とビル風で凍えそうになる中、
原子力規制委・規制庁へ、高浜原発審査書NO!の抗議文を提出(柳田真)
★3.マグニチュード7.3 同規模でも被害は数百倍の違い
(人口が多い東京・大阪では、被害の大きさがちがう)
「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」 コラムその81 (島村英紀)
★4.大間原発の安全審査と川内原発再稼働は一つのライン
危険な場所に危険なフルMOX原発を建てるのはクレイジーである(野村保子)
★5.新聞より
◆太陽光・風量 買い取り抑制 再生エネより原発 鮮明
(東京新聞 12月19日より)
◆再稼働差し止め「道険しい」 原発訴訟、原告団に焦り
高浜3・4号機、新基準適合 (朝日新聞 12月18日 見出しのみ)
◆高浜3、4号機 審査書案了承 原発集中、リスク不問
(東京新聞 12月18日より)
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☆~☆~☆スペースたんぽぽで開催される学習会のご案内☆~☆~☆
◆あす20日(土)19時~21時 参加費1000円
おしどりマコさん・ケンさんお話会「未来&世界への責任:加害者とならない
ために、いま、わたしたちがすべきこと」 主催:いろりばた会議
◆22日(月)19時~21時 参加費800円(学生400円)
ちょぼちょぼ市民のためのちょぼちょぼセミナー[2]「東電福島第一原発
事故の実態とその原因」 講師 田中一郎さん
◆23日(火休)13時半~ 衆院選 結果分析と今後の反原発運動(方向)第2回
登壇者 鎌田慧さん・広瀬隆さんほか 参加費1000円 先着80名
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┗■1.(福井からのメッセージ)
│ 福井県民など多くの住民の未来を奪う原子力規制委員会の
│ 不当な意見書案を許せない!!
└────(中嶌哲演 原子力発電に反対する福井県民会議)
本日、原子力規制委員会は、高浜原子力発電所3号機・4号機の適合性審査について新規制基準に適合していると審査書案を国民に示した。 原子力規制委員会は、原子力発電所の過酷事故における住民の避難について一切審査せず、審査書案を提示した。
これでは、福島原発の悲惨な災害を経験し、原発の過酷事故から国民を守るために改組されたはずの役割が一切果たされていない。
規制委員会の適合性審査は「100%の安全が確保されたとは言えない」と自らも言うように、100%の安全が確保されないとしたら原子力災害から住民が安全に避難することは最も必要なはずだ。
そのことから言えば、規制委員会の適合性審査の対象として住民の避難計画を規制基準の中へ入れるのが当然である。
今回の審査書案は、原子力規制委員会設置法 第1条が「国民の声明、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的とする。」としているにも関わらず、この目的を全く果たしていないと言わざるを得ない。
我々は、この不当な審査書案を認めることは出来ない。
ただちに住民避難も含めた安全審査を再度行うよう強く要望する。
(12月17日付)
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┗■2.寒風とビル風で凍えそうになる中、
│ 原子力規制委・規制庁へ、高浜原発審査書NO!の抗議文を提出
└────(柳田真 たんぽぽ舎・再稼働阻止全国ネットワーク)
17日(水)夕方、寒風とビル風、二重の冷風でこごえそうな中、原子力規制委・規制庁のビル前で、緊急抗議行動をした。主催は再稼働阻止全国ネットワーク。2本のノボリ旗<高浜原発の審査書合格 撤回せよ>と、規制委員会への抗議申入書を急きょ作成し、当日、規制庁係官へ手渡した。
短時間であったが、福井県や関西(京都・滋賀など)からすぐには上京できない仲間の代わりに精いっぱいの抗議行動であった。今後、現地でもいくつかの行動が予定されている。
●西川福井県知事、野瀬高浜町長あて、原発再稼働を認めないよう要望する
ハガキ。切手代はカンパでお願いします!
呼びかけ:「若狭の家」運営委員会
(毎週金曜の官邸前行動で配布中。取扱い:たんぽぽ舎 TEL 03-3238-9035)
●来1月31日(土)~2月1日(日)、高浜原発再稼働反対「自転車デモ」
東京からもバスで参加予定。近日、参加者募集します。
(土曜あさ出発、日曜よる帰京。)
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┗■3.マグニチュード7.3 同規模でも被害は数百倍の違い
│ (人口が多い東京・大阪では、被害の大きさがちがう)
│ 「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」 コラムその81
└────(島村英紀 地震学者)
前回は地震の名前を各地方が「取り合う」話題だった。国民の同情を集めたり政府の援助を獲得するためには地震の名前に「その地方名」が入っていないと不利になるのだ。だが地震の命名にはそうではない事情も出てきている。それが明らかになったのは2000年に起きた鳥取県西部地震だった。
震源は鳥取県の西部だったが、島根県境からも岡山県境からもそう遠くないところに大地震が起きた。活断層としてはまったくマークされていなかった地震だった。地震の名前を命名する立場にある気象庁の係官は、この地震にどんな名前をつけるか、複数の県名を入れるのか、胃が痛くなるような思いをしたに違いない。
しかし拍子抜けだった。秋田県の沖で起きたのに、「日本海中部地震」(1983年)と名付けられたときとは逆さまのことが起きた。
「地震に県の名前をつけられると観光客が減る」という意向が某県から伝えられたのである。この結果、この地震の名前は「鳥取県西部地震」とされた。ごく当たり前の名前がつけられた裏には、じつはこういった事情があったのだ。
日本のどの地方でも農業や漁業や地場産業の不振が続いている。頼りは観光だけだ。観光客の足が遠のくことは極力、避けたい。こういった日本の現状が地震の命名にも影響したのだ。鳥取県西部地震はマグニチュード(M)7.3。この地震は1995年に起きた阪神淡路大震災(兵庫県南部地震)と同じマグニチュード、同じ震源の深さの直下型地震だった。
だが、こちらは死者はなく、負傷者は140人だった。6400人以上の死者と43000人もの負傷者を生んでしまった阪神淡路大震災とは大違いである。
同じ大きさの、同じ深さの地震が襲っても、なぜこれだけの違いが出たのだろう。それは「地震」と「震災」の違いだ。地震が大きいほど「震災」も大きくなるのが普通だが、それだけではない。たとえ同じ大きさの地震でも「震災」が大きくなってしまう宿命を持っているのが都会なのである。
だから、阪神淡路大震災や鳥取県西部地震なみの地震が、もし、もっと大きな都会、たとえば東京や大阪を襲ったとしたら、阪神淡路大震災よりもはるかに大きな震災になってしまう可能性が高い。
江戸時代から東京は何度も大地震に襲われたが、そのたびに震災の規模が大きくなってきている。いちばん最近の大地震、関東地震(1923年。M7.9)では10万人を超える死者を生んでしまった。
都会の人口密集地や都会の近くにある工場は地震に弱く、また地震が来たときの被害も拡がりやすい。都会の震災を押さえ込むことは容易ではないことなのだ。 (12月12日『夕刊フジ』より)
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┗■4.大間原発の安全審査と川内原発再稼働は一つのライン
│ 危険な場所に危険なフルMOX原発を建てるのはクレイジーである
└────(野村保子 大間原発訴訟の会)
2014年11月13日午後、函館市役所前に大間原発の安全審査申請を抗議する市民が60人ほど集まった。吹雪まじりの強風に「大間原発大間違い」の声も消されそうになる。この日電源開発の北村社長は青森県と大間町を訪ね、年内安全審査提出、2020年完工、21年運転開始を告げた。函館市には常務が訪れ報告した。函館市・工藤寿樹市長は「電源開発は国土や人の命を考えず、まず建設ありきだ。危険な場所に危険なフルMOX原発を建てるのはクレイジーである。遺憾を通り越し、あらためて裁判で闘う闘志を燃やす」と会見した。
函館市では大間原発について2つの裁判が起きている。2014年4月、函館市が全国で初めて地方自治体として原発建設中止を求めて東京地裁に提訴した。もう一つは2010年7月市民団体が大間原発建設中止を求めて函館地裁に提訴した市民裁判である。
なぜ行政区の違う函館で裁判が起きているのかの答えは地形にある。下北半島の突端にある大間町は青森市とは汽車とバスを乗り継いで7から8時間かかる。原発から50キロ圏内の人口は青森県では9万人、函館市とその近郊では37万人になる。福島原発事故後、避難計画策定義務の地域(UPZ)を30キロとした範囲に函館市が入る。避難計画は立てろ、しかし原発計画に意見を言うな、これはおかしいというのが函館の主張だ。
2013年9月大飯原発が定期点検で止まり、日本の原発は全て止まっている。冬の北海道、夏の本州の電力需要ピークを乗り切った事実が日本の電気は足りていると教える。ではなぜ原発再稼働に大間原発新規建設なのか?
大間原発はプルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料を100%装荷する世界で初めての原発で、プルトニウムを年間6から5トン装荷する。原発が稼働して産まれる使用済み核燃料にはプルトニウムが生成される。言い換えると原発はプルトニウムを作るための技術であり、再処理工場はそれを取り出すプルトニウム生産工場なのである。22回も完成延期を繰り返す再処理工場、そこから出てくるプルトニウムを燃やして再度プルトニウムを取り出す高速増殖炉「もんじゅ」は15年も止まったままである。不完全なままの核燃料サイクルはエネルギーの保証ではなく、関わる企業に潤沢な資金を保証している。
11月7日再稼働反対の市民の声が響く中、鹿児島県知事は川内原発再稼働にOKを出した。火山学者が危険というのを振り切っての決断である。
今、日本を覆う再稼働の嵐は原発に反対する市民の声を無視して広がる。経済的恩恵を主軸に動く政治、経済界、地元自治体の意思と、普通に暮らす市民の命への向き合い方がこれほどまでにすれ違う国になってしまった。
溜まり続ける使用済み燃料問題の解決法もなく、44トンも溜め込んだプルトニウムの行き場もない。大間原発がなければ原発のゴミ問題は解決できず、原発を動かすことはできない。大間原発は、日本を原発から出てくるプルトニウム処理のため世界に向けてアリバイ作りのために建設が強行される。大間原発を止めて全国の原発再稼働を止めることが急務である。
※大間原発一口メモ
出力138万キロワットで日本最大の発電量。2008年に建設許可、2011年福島 第一原発事故を受けて建設休止の後、2012年工事再開した。
工事進捗率は37.6%。大間原発の特徴は初めてづくしである。MOX燃料を 炉心の100%に装荷する世界で初めての原発。電源開発はその難しい原発 建設を実験炉もなしで、経済性を求める商業炉を建設する。
建設主体はこれまで一度も原発を建てたことがない電源開発。大間原発の 敷地には未買収地がある。
大間原発はABWR(改良型沸騰水型軽水炉)で、原子炉建屋と格納容器 を一体化した設計である。30ミリから40ミリの鋼鉄性の格納容器を廃止、 6ミリの鋼を内張りしたコンクリートの格納容器兼原子炉建屋が放射能の最 後の砦となる。 火山フロントに位置すること、津軽海峡など近辺に活断層の存在、六ヶ所 再処理工場、東通り原発、使用済み燃料むつ中間貯蔵施設と核施設の集中 する地域に建つ。
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┗■5.新聞より3つ
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◆太陽光・風量 買い取り抑制 再生エネより原発 鮮明
(東京新聞 12月19日より)
経済産業省は18日、太陽光や風力などを利用する再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の方向を転換し、電力会社が買い取り料を制御しやすくする新しいルールを決めた。再生エネの普及や拡大に対する制約が強まる一方で、同省は古くなった原発を建て替えて残す道を模索している。安倍政権は衆院選後、急速に原発推進にかじを切っている。
—老朽 建て替えも模索— 新たなルールは19日から実施するパブリックコメント(意見公募)を経て、来年1月中旬をめどに施行する方針。特に、太陽光発電への制約が強まる。電力会社が出力を遠隔でコントロールできるようになり、買い取り量も無制限に抑えられるようになる。(中略)
しかし、経産省と電力各社が示した再生エネの受け入れ可能量は、現実とかけ離れている。原発の再稼働のめどは立っていないのに、国は震災前の原発の稼働状況を前提に、受け入れ可能量を試算している。(中略)
太陽光発電所を設置・運営する東京都内の事業者は「国が原発や再生エネを増やしらいのか減らしたいのかわからず、身動きをとりづらい」と不信感を漏らしている。(後略)
◆再稼働差し止め「道険しい」 原発訴訟、原告団に焦り
高浜3・4号機、新基準適合 (朝日新聞 12月18日 見出しのみ)
◆高浜3、4号機 審査書案了承 原発集中、リスク不問
(東京新聞 12月18日)
原子力規制委員会は十七日、関西電力高浜原発3、4号機(福井県)が、原発の新しい規制基準に適合しているとの審査書案を了承したことに関し、原発が集中立地する同県で、仮に同時多発的に原発事故が起きても、広域的な影響の前に事故は収束でき、集中立地のリスクを検討する必要はないとの見解を示した。記者会見で、田中俊一委員長らが述べた。(中略)
—きょうから意見公募—
規制委は18日から来年1月16日まで、関西電力高浜原発の審査書案への意見を募集する(パブリックコメント)。応募は、インターネット経由、郵送、ファクスの3通り。いずれの場合も規制委のホームページ(http://www.nsr.go.jp/)右側にある「パブリックコメント一覧」のボタンを押し、意見公募のページ内の「高浜原発」の項目にアクセスすることが必要。(中略)
郵送やファクスの場合は、「郵送・ファクスの様式」のボタンを押し、ファイルを印刷し、その紙に書き込む。
宛先は〒106-8450 東京都港区六本木1-9-9 六本木ファーストビル 原子力規制庁安全規制管理官(PWR担当)宛て。
ファクス03(5114)2179へ。
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