「預言者」と「予言」を混同してはならない
- 2015年 1月 30日
- 時代をみる
- 池田龍夫
安倍晋三首相は1月17日、エジプトのカイロで「イスラム国と戦う周辺各地のため1億㌦(約236億円)を拠出する」と語った。その後、イスラム国は会社経営の湯川遥菜さんとフリージャーナリスト後藤健二さん殺害を予告、2億㌦を請求してきたのである。安倍首相が発した「人道支援」に、イスラム国側が強く反発したとみられる。
聖者の「予言」と「預言」を混同してはならない。「預言者」は神の言葉を預かり民に知らせる役割を担う。コーランでは、アダム・アブラハム・モーゼやイエスらに続く「預言者」とし、ムハマンドはその最後の人物とされるという。
イスラム教徒にとって、ムハマンドは「預言者」。神の言葉を預かった一人。従って、ムハンマドへの風刺は神への冒涜するとんでもない事なのです。
フランスには、18世紀のフランス革命当時から風刺画の伝統が根強い。民衆を弾圧した国王ルイ16世などはブタとして描かれていたという。フランスには、こうした風刺の伝統を「表現の自由」として守ろうという自負がある。しかし、今回の「シャルリー・エブト」への襲撃事件は、行き過ぎた風刺画が引き起こしたとの反省が必要と考える。
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