たんぽぽ舎から TMM:No2404
- 2015年 2月 11日
- 交流の広場
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たんぽぽ舎です。【TMM:No2404】
2015年2月10日(火)その2 地震と原発事故情報-
4つの情報をお知らせします
転送歓迎
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◇読書特集◇
★1.広瀬隆氏の「第ニのフクシマ、日本滅亡」朝日新書の紹介
このまま日本が原発を続ければ「第二のフクシマ事故」
清水 寛(たんぽぽ舎ボランティア)
★2.『原発と大津波 警告を葬った人々』添田孝史著
天野惠一(あまの・やすかず/「市民の意見」編集委員)
★3.パンフレット紹介
シンポジウム講演録No.4
「原子力規制委員会」の原発再稼働への《暴走》を許すな!
海棠ひろ(福島原発事故緊急会議)
★4.全国原発立地自治体で繰り広げられる「再稼働との闘い」
月刊『紙の爆弾』3月号掲載文 鹿砦社(ロクサイシャ)
再稼働をめぐって、電力会社・政府対全国市民の活動
斉藤二郎(たんぽぽ舎ボランティア)
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┗■1.広瀬隆氏の「第ニのフクシマ、日本滅亡」朝日新書の紹介
| このまま日本が原発を続ければ「第二のフクシマ事故」
└──── 清水 寛(たんぽぽ舎ボランティア)
○著書は、このまま日本が原発を続ければ「第2のフクシマ事故」により「日本滅亡」の可能性を明らかにし、それを避けるために「全土の原発をただちに廃炉にする政策を断行しなければならない」ことをわかりやすく述べている。
まず、著者は『これから数10年続く地震の活動期に入った日本では、列島の土台の岩盤であるプレートが激しく揺れ動いているばかりか、列島そのものがひん曲がり、自然界の調整のために大規模余震が続いてきたので、すべての原子炉が、地雷原のど真ん中を歩いている状態にある。』ことを明らかにし、全土の原発をただちに廃炉にする政策を断行しなければならない』と述べている。
○次に『原発を運転停止して廃炉が実現しても、「使用済み核燃料」が原子炉内やプールに保管されている限り、・・電源が喪失すればわずか3日半ほどで大爆発を起こす。・・これまでとレベルの違う高度な方法で厳重保管しなければならない。それには、どれほど高価な費用を要しても、ただちにその作業にとりかかる必要がある』と、廃炉にするからと言って高度な保管なしには安全でないと述べている。
○また、原発を稼働した場合の第2の福島原発事故の起きた場合の恐ろしさについて、特に六ヶ所村と福井県の”もんじゅ”を取り上げて説明している。
「全国から集められた使用済み燃料が3000トン、プールに満杯のまま保管(福島第一原発4号機にある使用済み燃料の10倍の量)されている六ヶ所村が爆発すると、日本が消えるばかりかアジア全土が滅亡する危機にある。」「福井県敦賀市にある高速増殖炉”もんじゅ”炉心に1.4トンという猛毒物質プルトニウム(核兵器になる)を内蔵しており、爆発した場合、日本半島の中心部の半分が死の町に変える」と、第2の福島原発事故が起きた場合には日本が滅亡することを示唆している。
○その上で著者は、原発について『こうした状況を冷静に観察すれば、日本人は、ノンビリしすぎている。・・われわれが目的としているのは、原発反対運動のために起こす行動ではない。・・日本列島に住むすべての人間が、共に生き延びるための行動である。ほかの議論は生き延びてからやればよい。』と述べ、原発反対の行動が「日本人が生き延びるため」であり、緊急かつ最優先にしなければならないことを明らかにしている。
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┗■2.『原発と大津波 警告を葬った人々』添田孝史著 岩波新書・740円
└──── 天野惠一(あまの・やすかず/「市民の意見」編集委員)
○〈3・11原発震災〉直後からマスメディアに、「想定外」の大地震による大津波という言い方で、「想定外」という言葉が、広く、かつ長く飛び交い続けた。
一瞬にして街を呑み込んでしまう津波被害、放射能の空へ地上へ海への終りなき垂れ流しの進展という、本当に恐るべき事態の現出。テレビ報道を媒介に、全国の日本列島住民が、その状況を共有した。その状況下、「国策」として原発推進政策を加速した、歴代の自民党政権(その政策の延長線上に成立している民主党政権)と、東京電力を中心とした民間電力資本、その資本の金に目がくらみ原発は〈絶対安全〉の神話を再生産し続けたマスコミと、それに加担した原発御用知識人たち。彼等はこぞって、自分たちの責任を回避するために、この「想定外」という言葉を乱用した。
それは、原発安全神話(デマゴギー)に責任ある団体・個人が、自分たちには責任の取りようのない、人間の予想を超えた自然災害であると強弁し、責任を取らなくて当然と、信じられない「無責任」を自己正当化するために、乱用された言葉であった。
すなわちそれは、人々にとんでもない〈無責任〉を実感させなくさせるための、決定的なマジック・ワードだったのだ。
私たちは、原理的に考えて、「想定」すべき事態を「想定」の「外」に勝手に放り出し、「想定」は不可能であったとする論理を、おかしいと考えざるを得なかった。
その「想定」の線引き自体に妥当性がなかったことを、何故問題にしないのか、その無責任さに、怒りを持たざるを得なかったのだ。
○ところが、このジャーナリスト添田孝史のレポートを読んでみると、そうした怒りの持ち方は、原発を推進してきた人々に対する、私たちの過大評価の産物に過ぎないという、より悲しい事実に直面することになる。
そこには、こうある。
「福島第一原発に大きな津波が来る可能性が高いと専門家が指摘していることや、想定を超えた津波は、すぐ炉心損傷を引き起こすことを2002年までに東電は把握していた。それにもかかわらず対策には動かなかった」。
「津波については、新たな規制に動かなければならないタイミングが、遅くとも2000年から2002年にかけてあったように思われる。そのころ以下に挙げる2つの課題があったが、規制当局はその責任を果たしていない。
第1は、エネ庁は電気事業連合会に対し1997年ごろ、想定を超える津波への対策を検討するよう要請していたが、それを安全対策に結びつけないまま放置していたことだ。エネ庁は、津波の数値予測に誤差があることを見込んで、想定の2倍の津波で原発がどんな被害を受けるか、対策として何が考えられるか示すように要請し、電事連は2000年初め、その報告書をまとめた。それによると、福島第一原発は、原発中もっとも津波に対する安全余裕が少ないことが明らかになっていた。
第2は、2002年2月にされた土木学会手法を基準として用いても良いかどうかを精査しなかったことだ。土木学会手法には大きな問題が四つあり、原発の安全を担保するものではなかった。
規制側(国・保安院)の「想定内」で、実は福島事故は起きているのだ。電力会社・国・規制組織の「不作為」こそが、本当はあの事故をもたらしたのである。この事実に即した具体的なレポートは、明快に、それを示している。
今、政府・自治体・原子力規制委員会が組んだ、川内原発再稼働プロセスにも、巨額の原発マネーに目がくらんだ人々の福島事故に至る「不作為」がそのまま再現している。懲りない〈原子力ムラ〉の論理に正面から対決するために、必読の一冊である。
出典:「市民の意見」148号(2015年2月1日発行)
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┗■3.パンフレット紹介
| シンポジウム講演録No.4
| 「原子力規制委員会」の原発再稼働への《暴走》を許すな!
└──── 海棠ひろ(福島原発事故緊急会議)
読んでみて感心してしまった。これはちょっと他では読めない(聞けない)、絶妙な組み合わせの、ひじょうにおもしろい脱原発シンポ発言録だ。
一橋大学教員でフランス現代思想が専門の鵜飼哲さんは、「どのように脱原発論は推進論に組み込まれたか」というタイトルで、フランスの歴史的、政治的背景と運動の変遷のなかで、原発推進が国民的合意を得ていった流れを語っている。 フランスでは、日本と異なって、原子力の「安全神話」なるものは形成されずに、「核兵器の保有」から始まって原発開発がコンセンサスを得ていったという。 興味深いのは、「フランスの核開発には最初から政治的な左右の対立というはっきした境目が無かった」から推進派も反原発派にたいしてある種の敬意もあり、必要があれば、反対派の資料の「カンニング」もする。これが事実上の核の「共同管理体制」につながっているのだそうだ。
一方で日本の場合は、広島・長崎を出発点として「安全神話」からスタートする。それが3・11を経た今、「安心神話」を経て核武装という、フランスとは逆の方向で道を進もうとしている。この「安心神話」が、核武装に向けたどのようなステップなのかを、見ておかなければいけない、と鵜飼さんは話す。
天野恵一さんの話は、日本の「原子力規制委員会」に対する具体的・詳細な批判が中心だが、後半で、「原子力規制委員会、がんばれ」という論調がマスコミに出始めていること、そういった声が運動の内部からも上がってきていることを取り上げて、この論理では再稼働を止める運動にはならないと指摘し、私たちがそのことをきちんと押さえておく重要性を主張している。
「運動」というものはおそらく、そのただ中にいる時には気が付かない思想の潮流のようなもの内包しているのだと思う。その方向性を誤らせないために、私たちは時には長いスパンで日々の運動を体系的に捉えかえしてみる必要があることを、このお二人の発言から教えられた。
ぜひ読んでみてください。申し込みはoffice@2011shinsai.infoまで。
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┗■4.全国原発立地自治体で繰り広げられる「再稼働との闘い」
| 月刊『紙の爆弾』3月号掲載文 鹿砦社(ロクサイシャ)
| 再稼働をめぐって、電力会社・政府対全国市民の活動
└──── 斉藤二郎(たんぽぽ舎ボランティア)
原発事故から間もなく4年。事故を風化させ、再稼働を進めたい安倍政権に対して、政治や電力会社、全国の市民にどんな動きがあるのか、現状をまとめた。
1.分断された住民をつなぎ直す―福島県
吉田邦吉氏(福島県大熊町から会津若松市に避難中の編集者)は地元にまつわる書籍の刊行準備を進めている。
福島では、避難を促すグループと他の人々が分断され、問題を語り合う事すら許されない雰囲気がある。両方の立場の人たちの原稿を一つの本にまとめる試みをする。
事故によって故郷を失う人々を、これ以上増やしてはならない。
2.川内原発差し止め訴訟 原告に巨額の賠償請求
再稼働差し止め訴訟(原告23人)に対し、九電側は仮処分が執行されその後原告が敗訴した場合1日当たり5億5千万円請求するというあからさまなスラップ訴訟を起こし、原告団を脅迫している。
3.復活した原発ムラ
原発村ではスラップ訴訟が日常茶飯事。(諸外国では規制法案がある)
田中稔氏(ジャーナリスト)は「3・11後、一時は原発利権で結び付いていた原発ムラの活動は息をひそめていました。しかし、特定秘密保護法が施行され、都合の悪いことが表に出にくくなってきたいま、再び彼らは息を吹き返しています」と語る。
4.佐賀県知事選と玄海原発再稼働問題
九電は玄海原発3・4号機の再稼働を目論んでいる。
2014年、佐賀新聞が実施した世論調査では、再稼働反対は昨年も賛成を上回っているが、佐賀県知事選でも原発再稼働は選挙の争点にならなかった。再稼働反対の候補は敗れたが、自民党推薦候補も敗れた。自民党崩壊の序奏か。
5.福岡・脱原発サウンドデモ訴訟で勝訴
原発と闘う市民が勝利した(その1)原発反対の表現方法をめぐる「福島原発サウンドデモ裁判」で、市民が警察を相手に勝利を勝ち取ったことだ。
6.韓国で甲状腺被害の因果関係を認めさせた
原発と闘う市民が勝利した(その2)隣国の韓国で甲状腺がんを発症した市民が、発病の原因が原発にあることを司法の場で、認めさせたことだ。
過去20年間、古里(コリ)原発の半径5キロ圏に住んできたイさんで、ソウル大学の健康調査が勝利の元となった。いま、第二陣の集団訴訟の準備も進められている。
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