王毅中国外相が、日本の歴史認識の間違いを鋭く指摘
- 2015年 2月 27日
- 時代をみる
- 池田龍夫
中国の王毅外相は2月24日、国連安全保障理事会の「国際平和と安全の維持」をテーマにした公開討論」で演説。「未だに真実を認めたがらず、過去の侵略の犯罪をごまかそうとする者がいる」と述べた。日本を名指しこそしなかったが、安倍晋三政権の歴史認識を念頭においた発言に違いない。
中国は今年を「世界のファシズム戦争と中国人民の抗日戦争勝利の70周年」と位置づけ、節目節目に抗日戦争へのイベントを行う予定。3月5日に開かれる全人代(国会)で李克強首相が施政方針演説、7月7日には盧溝橋事件(1937年)記念日。9月3日に北京で「抗日戦勝利記念日」の閲兵式、9月に習近平主席が米国を公式訪問して、国連発足70年の記念行事に出席の予定。9月18日は柳条湖事件(1931年)、12月13日には南京事件の「国家哀悼日」などの日程がギッシリ詰まっている。ロシアとも5月9日、モスクワ「赤の広場」で軍事パレードを行い、習国家主席が出席するという。
安倍政権の「新談話は果たして・・」一抹の危惧
日本とは歴史認識を共有できないとの中国側攻勢に、安倍政権はどう対処する積もりだろうか。安倍首相は2月5日、伊勢市での年頭記者会見で、8月の終戦記念日に合わせて発表する戦後70年の首相談話について、「先の大戦への反省、戦後の平和国家としての歩み、今後アジア太平洋地域や世界にどのような貢献を果たすか、英知を結集して考え、新たな談話に書き込んでいく」と述べた。
首相は「この70年間、日本は先の大戦の深い反省と共に自由で民主的な国家を作り上げ、アジアや世界の平和と発展にできる限りの貢献を行ってきた」と指摘。「積極的平和主義の下、世界の平和と安定に一層貢献する明確な意思を世界に発信したい」と意欲を示した。
アジア諸国に対する植民地支配と侵略への反省と謝罪を表明した1995年の村山富市首相談話の理念を継承する考えを改めて示したものの、「積極的平和主義」なる安倍流造語の狙いに、世界の目は警戒している。「村山談話」の大戦への深い反省を継承するのは当然で、変な工作をすれば、日本は「世界の孤児」になる恐れすらある。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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