【報告】工事計画審査を問う院内交渉集会で分かった規制委の実像(2月19日)
- 2015年 2月 28日
- 評論・紹介・意見
- kimura-m
2月19日に再稼働阻止全国ネットワークが実施した
「川内原発再稼働審査についての院内交渉集会」
の報告です。
再稼働阻止にご活用願います。
(重複送信ご容赦願います、転送・転載を歓迎します)
川内原発は「只今審査中」、「黒枠白抜き」隠し審査は「不合格だ」
~設置変更許可「審査書」は合格証では無い!~
【報告】工事計画審査を問う院内交渉集会で分かった規制委の実像
「規制委の工事計画審査を問う(院内ヒアリング)~「黒枠白抜き」隠しと「認可前事前工事」を止めろ~」
から非常に重要なことが明らかになったので、以下に報告します。
日時:2月19日(木)13時~17時 (規制庁との質疑・応答:13時半~16時半)
場所:参議院議員会館講堂
内容: 1 規制委公開資料の黒枠白抜き問題と工事計画・保安規定の審査
2 認可前の工事先行実施
3 不作為の罪など、規制行政について
主催:再稼働阻止全国ネットワーク
対応:原子力規制庁 原子力規制部安全規制管理官(PWR担当)付管理官補佐 中桐裕子
原子力規制庁 長官官房総務課総括係長 小林祐紀 他1名
参加:約40名
結果:
以下の驚くべき事実が明らかになった。
〇川内原発は今もまだまだ審査中、難航
規制庁が審査中なので答えられないと10回以上述べた。だったら、設置変更審査書で「合格」なんて言うべきではない。それにしても、「国民」の側に立って正当に審査しているなら、「審査中」でも、指摘している点を説明していいはず。事前送付の質問に対しても全く答えようとしないのは「国民」に見せられない恥ずかしい審査をしているからか。
〇規制委の情報公開は黒枠白抜きマスキングだらけ(設置法違反)
規制委は情報開示しない理由(言い訳)を①企業秘密、②個人情報保護、③テロ対策の3点に分類している。が、規制庁は個々のマスキングの理由を説明できない。なぜなら、九電が提供したマスキング付資料(PDFファイル)をチェックしないでサイトにそのままアップしているから。原子力規制委員会設置法の「第二十五条 原子力規制委員会は、国民の知る権利の保障に資するため、その保有する情報の公開を徹底することにより、その運営の透明性を確保しなければならない。」を全く守っていないのだ。
〇審査内容には疑わしいリスクが一杯、「不合格」だ
山崎久隆さんが図を提示しながら、設置許可と工事計画との整合性、敷地のすべり安全率、ほう酸注入設備用ポンプ評価、加圧器の安全性、冷却系統施設の耐震強度、緊急炉心冷却装置配管の強度、制御棒クラスタの耐震性、ずさんなマスキング、蒸気発生器の交換、など12項目に渡って指摘した。が、規制庁は事実を教示されるのみで、質問には「審査中」として何も答えない。また、広瀬隆さんが設計でOKであってもそのとおりに施工できる訳ではない、そのことをも考慮して審査するべきことを指摘した。
〇工事計画認可前の事前工事を容認
認可前工事の容認については明確に答えた。工事容認は、①3.11後に原子力安全・保安院が事業者に重大事故対策を指示、②「新規制基準」施工時(2013年7月)に既に着手している工事の施行を容認、③設置変更の審査書確定時に事業者の責任で工事実施、の3通り。特に、②については、原子力規制委員会の定例会合(2013年5月頃)で議論して着手工事を容認したが、これは衆議院環境委員会決議の第一項「…、原子力規制行政に当たっては、推進側の論理に影響されることなく、国民の安全の確保を第一として行うこと」に違反している。
個々の先行工事についての確認はできず、提出した表をもとに後日確認することとした。
〇「規制行政」に改善無し、規制委は「国民」でなく事業者の味方
規制行政について①反省すべきこと、②保安院から規制庁になって何が改善されたか、③どこが悪くなったか、を問うた。①3.11以後に事故を踏まえて改善した、②原子力安全・保安院から独立性ある規制委になった、生中継など透明性を重視、重大事故対策を加えて新規制基準を作った、③悪くなったことはない三条委員会で改善などの形式的回答。
保安院の津波問題を反省点として認めはしたが、工事計画問題についての規制委の対応を目の当たりにしたばかりの私たちには全く説得力がない。原子力安全・保安院からの横滑りで移動してきた規制庁職員はさすがに鉄面皮だ!
いずれにしても、原子力規制委員会は、規制行政の問題点の総括議論を全く実施してきていない。津波についての元原子力安全・保安院の不作為の罪などを含めて、原子力規制委員会の規制行政が原子力安全・保安院と全く変わらないばかりか、透明性においても、有識者の意見聴取においても、「国民」を欺くすべにおいても、悪化している。
〇使用済み核燃料をどうする?
広瀬隆さんが使用済み核燃料はむき出し、リラッキングが危険、六ヶ所村の再処理工場にハイレベルの燃料があるなど、事実を指摘し、まずこの問題を解決するように迫った。
詳細は次の動画をご覧願います。
20150219 UPLAN
【酷い政府交渉】規制委の工事計画審査を問う(院内ヒアリング)~「黒枠白抜き」隠しと「認可前事前工事」を止めろ~
前半 : https://www.youtube.com/watch?v=C2ranme0co0
後半 : https://www.youtube.com/watch?v=X7JeNEsgbd0
IWJ(IndependentWebJournal)
2015/02/19 規制委の工事計画審査を問う院内ヒアリング~「黒枠白抜き」隠しと「認可前事前工事」を止めろ~(動画)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/233746
以上
再稼働阻止全国ネットワーク 事務局
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〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔opinion5203:150228〕
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