弁解がましい朝日の「読者応答」欄
- 2015年 3月 12日
- 時代をみる
- 池田龍夫
朝日新聞社の慰安婦問題などの誤報に、厳しい批判がなお続いている。朝日は読者のご機嫌をとるように、3月10日付「RE お答えします」欄(第3社会面)に記事を掲載したが、そのお粗末な文章にビックリさせられた。
「皇太子さまの憲法への言及、なぜ載っていないの?」への回答文だが、朝日読者でも見落としてる人が多いと思うので、その主要箇所を引用して参考に供したい。
「55歳を迎えられた皇太子さまが記者会見で『身の引き締まる思い』と述べ、戦後70年については、謙虚に過去を振り返って戦争の歴史を正しく伝えていくことの大切さを語った。
いずれも重要な発言と判断し、2月23日付朝刊で紹介した。この記事をジャーナリスト池上彰さんが本紙コラム『池上彰の新聞ななめ読み(2月27に付朝刊)』で取り上げた。皇太子さまが「我が国は戦争の惨禍を経て、戦後、日本国憲法を基礎として築き上げられ、現在、我が国は、平和と繁栄を享受している。今後とも憲法を遵守する立場で事に当たっていくことが大切であると、語った。いずれも重要な発言と判断し、昨年は記事で紹介した。今年もデジタル版の記事では皇太子さまが憲法に言及した部分も含めて、会見全文とともに掲載した。しかし、紙面ではスペースが限られ、できるだけ新しい内容を読者に伝えようと、前述の部分を優先させた」との弁解がましい悪文を掲載したのである。
ただ、「自民党が憲法改正への動きを本格化させ、人々の憲法への関心も高まるなか、皇太子さまが今年も憲法に言及したことは、やはり紙面でも伝えるべきニュースだったと思う。
池上さんや読者のみなさまの指摘を真摯に受けとめ、今後も人々の関心が高いテーマについての天皇陛下や皇族方の発言は丁寧にお伝えしていきます(社会部次長・菅野俊秀)」という、釈明文ではないか。ニュースの価値判断が間違っていたことを、素直に認めようとしない朝日新聞の体質には呆れ果てる。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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