福島第1原発2号機,3号機は,今どうなっているのか? =「核燃料がメルトアウト!! 「フクイチ地底臨界」の恐怖」(週刊プレイボーイ記事より)
- 2015年 4月 23日
- 評論・紹介・意見
- 田中一郎
(最初に,まさのあつこさんの重要レポートです)
● 原子力規制庁「機密性2情報」の流出事件(まさのあつこ) – 個人 – Yahoo!ニュース
http://bylines.news.yahoo.co.jp/masanoatsuko/20150422-00045032/
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ネット上では,少し前から話題になっていましたが,最近,福島第1原発2,3号機の様子がおかしく,普段以上に大量の放射能を環境に放出し始めている様子があり,それをまたもや東京電力や福島県など,関係組織が隠蔽をしているようだという話が広がっています。たまたま,今週号の週刊誌に関係記事が掲載されたことを知りました。
真偽のほどは私にもわかりません。はたして原発敷地地下の岩盤が容器のような効果を持ち,地下水が核燃料デブリ(のウラン235やプルトニウム)に対して,いわゆる減速材的な働きをして,メルトアウトした地中で再臨界や臨界爆発を引き起こす可能性があるのか,ないのか,どうなのでしょうか? 「地球規模の超巨大原子力災害に突き進む」というのは,いかにも大げさなようにも見えますが,いかがでしょう?
私は,福島第1原発の廃炉について,小出裕章京都大学原子炉実験所助教がおっしゃっているような,水を使わないで,金属類で布団蒸しのようにした後に「石棺」化するのがいいのではないかとも思うのですが,何故,こうした「水冷」以外の方法が検討されないのでしょう?
(一部抜粋)
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このところ福島第一原発の様子が、どうもおかしい。特に気になるのが2号機で、4月3日に格納容器の温度が約20℃から70℃へ急上昇した。さらに2日後には88℃に達し、4月第3週現在も70℃前後から下がっていない。もちろん熱源は、4年前に圧力容器からメルトタウンした最大重量100tとも推定される核燃料である。
(中略)2号機内ではデブリがなんらかの原因で活発化して、放熱量が高まっているようなのだ。この点について琉球大学理学部の古川雅英教授(環境放射線学)は、次のように説明する。「1~3号機ともに核燃デブリを冷やすために放水作業を続けていますが、その水量調整が実は大変に難しい。少ないと文字どおり焼け石に水で、多すぎれば逆に核分裂を強めて高温化し、さまざまな放射性物質を含んだ水蒸気が大量に環境中へ広がる危険性があります。これはデブリが発する「中性子」が水にはね返される率が高くなり、それがウランなどに照射されると、結果的に核分裂反応を促進してしまうからです」
(中略)福島県内各地の放射能汚染を詳しく調べてきた「南相馬・避難勧奨地域の会」の小澤洋一さんは、「これら福島県が設置したモニターの高線量折れ線グラフは、異様に長い剣のように突き出た1、2本のピークが特徴的で、しかも短時間に限られた場所で現れたため、あいにく私の個人測定ではキャッチしていません。しかし福島県は、この後すぐに40力所ものモニターを「機器調整中」とし、測定を止めました。この対応は、あまりにも不自然だと思います。もし本当に高額な精密モニター機器が何十台も同時故障したというなら、それ自体が行政上の大問題でしょう」
(中略)代わりにひとつ厄介な事態を予測している。それはデブリの核分裂反応が再び爆発的に加速化する可能性だ。通常ならば原子炉や実験施設内でコントロールされる「再臨界」は、自然状態でも一定の条件が整えば起き得る。その条件とは、前述の中性子と水、地質。IAEA技術会議のシミュレーションでは、まず原発地下の水流と岩盤層が中性子の反射装置となり、デブリ内のウランやプルトニウムが連鎖的に核分裂していく。そして膨大な崩壊熱で水蒸気爆発が繰り返され、新たに生まれた放射性物質が地上へまき散らされる・・・・・・。」
(中略)それに対して質量がケタ外れに多い福島第一原発のデブリが「地底臨界」すれば、東日本どころか地球規模の超巨大原子力災害に突き進む! だからこそ海外の研究者や政府関係者たちも、福島第一原発事故処理の不透明な現状に対して不安といら立ちを募らせているのだ。
(中略)CTBT(包括的核実験禁止条約)に基づき「日本原子力開発機構」が群馬県高崎市に設置した高感度の放射性核種監視観測システムには、昨年12月から福島第一原発の再限界を疑わせる放射性原子、ヨウ素131とテルル132、が検出され続けてている。また福島第一原発2号機横の観測井戸では、今年に入って新たな核分裂反応の再発を示すセシウム134とトリチウムの濃度が高まるばかりだ。
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〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion5299:150423〕
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