第19回「福島県民健康調査検討委員会」結果について/(メール転送です) Sメール7 : 東日本一帯での検査のすすめ (甲状腺検査や「めまいやメニエール病、難聴」についての記事から言えること) (第19回「福島県民健康調査検討委員会」結果関連の続報です)
- 2015年 6月 4日
- 評論・紹介・意見
- 田中一郎
さる2015年5月18日に、第19回「福島県民健康調査検討委員会」が開催されました。遅くなりましたが,その結果について、コメントを含めて下記に取りまとめましたのでお送り申し上げます。
1.第19回福島県民健康管理調査 子ども甲状腺検査結果(表紙)(2015年6月8日)
2.第19回福島県民健康管理調査 子ども甲状腺検査結果(2015年6月8日)
3.「県民健康調査における論点整理(座長とりまとめ)」について(2015年6月8日)
<関連サイト>
(1) 第19回福島県「県民健康調査」検討委員会 資料の掲載について(平成27年5月18日開催) – 福島県ホームページ
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/kenkocyosa-kentoiinkai-19-siryo.html
(2) 福島の小児甲状腺がん疑い例含め126人に〜鈴木眞一氏は退任 OurPlanet-TV:特定非営利活動法人 アワープラネット・ティービー
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1915
(3) 甲状腺がん「数十倍のオーダーで多い」(甲状腺評価部会中間とりまとめ) 原発事故 OSHIDORI Mako&Ken Portal – おしどりポータルサイト
http://oshidori-makoken.com/?p=1094
(4) 甲状腺評価部会、中間とりまとめに対する反発の議論書き起こし 会見文字起こし OSHIDORI Mako&Ken Portal – おしどりポータルサイト
http://oshidori-makoken.com/?p=1098
(5) ウクライナ政府報告と比べて異常に多発している福島県の甲状腺がん(哲野イサク 2015.5.16)
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20150516.pdf
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/index.cgi?no=424
<「OUR PLANET TV」サイト(上記)から一部抜粋>
鈴木眞一氏が退任へ〜臨床データの扱い課題
2011年の事故後から、福島県民健康調査の甲状腺検査を担当してきた福島県立医大の鈴木眞一教授は、甲状腺がんの治療に専念するために、同大学の放射線医学県民健康監理センターの責任者を退任したことが、記者会見で公表された。後任には、福島県立医大医学部教授の大津留晶氏が就任した。
大津留氏は、福島原発事故後、文部科学省の要請を受けて、長崎大学から放射線医療チームの団長として福島県に派遣された。同年10月、福島県立医科大学医学部の教授に就任。大津留は会見で「私自身は内科医なので、治療することはできないが、県民のみなさまには、わかりやすく説明することを心がけたい」と述べた。
ただ今日の検討委員会では、甲状腺がんの手術症例に関する詳細について、大津留教授はほとんど解答することができなかった。鈴木眞一教授が臨床部門、大津留教授は県民健康センターと分業が進んだ結果、手術症例に関する内容が、検討委員会や評価部会で議論することが難しくなる恐れがある。
県民健康調査課の小林弘幸課長は会見終了後、保健診療以降の臨床データについて「この部分の説明は県立医大の業務委託には入っていない。データは県立医大のもの」と述べた。小林課長は第4回「甲状腺検査評価部会」で「データは県のもの、県民のものだと思います」と明言していただけに、大幅に後退した格好だ。
検討委員の改選
同検討委員会の任期は、今年5月23日まで。県は改選について、これから検討すると述べる一方、基本的に現在の委員に就任してもらうつもりであるとの考えを示した。
(下記メールから一部引用)
●「Sメールを送ってほしいという方がおられましたら、メールアドレスをお知らせくださいませ。」
⇒ Sメールご希望の方は,すどうゆりこさんの下記メールADにメールを1本発信してください。
Yuriko Sudo QJ4Y-SDU@asahi-net.or.jp
以下はメール転送です。
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Sメール7:東日本一帯での検査のすすめ(甲状腺検査や「めまいやメニエール病、難聴」についての記事から言えること)
みなさま、すどうです。
ご面倒でなければ、お知り合いにもSメールをお伝え下さい。転送くださってかまいません。
Sメールを送ってほしいという方がおられましたら、メールアドレスをお知らせくださいませ。
Sメールを読む際には、いちいちURLをクリックする必要はありません。ざっとお読みいただければと思って書いています。
もう甲状腺検査の結果はご存じだと思うのですが、お知らせしたい事があるので、長々と書きました。
お時間のある時にお読み下さい。
先頃,福島県の甲状腺検査の結果が発表されました。
それについての報道は以下のとおりです。
朝日新聞の報道:38万5000人中127名の甲状腺がんとがんの疑い
http://digital.asahi.com/articles/ASH5L5QCMH5LULBJ00S.html
OurPlanetTVによるまとめ(OurPlanetTVさんはとってもがんばってくださってますので、ブックマークしておいてくださいね。)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1915
岡山大学津田敏秀教授の見解
これから1次検査を受診する219,333人全員から、新たに一人の甲状腺がんも検出されなかったと仮定しても、7.60倍(95%信頼区間:4.25倍-12.53倍)の統計的有意な多発となる。
詳しい内容を以下に記します。
(「先行調査」と称する部)
「悪性ないし悪性疑い」110例(前回第18回発表)→112例(今回第19回発表)
(「本格調査」と称する部)
「悪性ないし悪性疑い」8例(前回第18回発表)→15例(今回第19回発表)
(「両部」合わせて)
「悪性ないし悪性疑い」118例(前回第18回発表)→127例(今回第19回発表)
「手術済み」88例74.6%(前回第18回発表)→104例81.9%(今回第19回発表)
「手術待ち」30例25.4%(前回第18回発表)→23例18.1%(今回第19回発表)
そして
「本格調査」で「悪性ないし悪性疑い」の現在15例の子どもたちが「先行調査」ではどうだったかという内訳は、
「先行調査A1」8人→「本格調査」「悪性ないし悪性疑い」8人
「先行調査A2」6人→「本格調査」「悪性ないし悪性疑い」6人
「先行調査B」1人→「本格調査」「悪性ないし悪性疑い」1人
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「先行調査A1,A2,B」計15人 → →「本格調査「悪性ないし悪性疑い」」 計15人
つまり、甲状腺検査の結果がA1であろうとA2であろうと、決して安心はできないということになります。
ところで、第27回日本内分泌外科学会総会が5月28日、29日に開催されました。
http://www2.convention.co.jp/27jaes/program.html
プログラムを見てもたいへん興味深い内容ですが、以下にきわめて重大な情報が掲載されています。
■「福島県における小児甲状腺癌治療の実際」第27回日本内分泌外科学会総会 抄録より
http://www.asyura2.com/15/genpatu43/msg/124.html
術後の診断では、腫瘍径10mm以下は17例(22%)であり、甲状腺外浸潤pEX1を44%、リンパ節転移を75%に認めた。術後合併症は認めていない。
今回79人
リンパ節転移=75%
被膜外浸潤=44%
肺転移=4%
以上のことから、手術した時には、もう大変な状態だったということがわかります。
私は、福島の甲状腺検査ではリンパ節まで丁寧に診ていないのではないかと気になり始めています。
2次検査では診ているはずなのですが、1次検査でも診るべきです。
手術した時にはリンパ節転移している例が多すぎるのですから。
私は自分の甲状腺検査の体験から、甲状腺がんには以下のようなものがあると知りました。
3年前の検査では、「異常なし」だったのですが、今年の検査で甲状腺内の異常ばかりではなく、外のリンパ節に腫瘍らしきものが見つかりました。
頚部リンパ節腫脹を最初の症状とする甲状腺癌
http://www.noguchi-med.or.jp/contact/qtumor.htm
Q:患者は 25才の女性です。左の側頚部で甲状軟骨の高さで、胸鎖乳突筋の奥に硬い直径 2 cm 位のリンパ節の腫大を触れます。耳鼻咽喉科的な腫瘍を考え CT、MRI、ガリウムシンチグラム、超音波検査を行い ました。CTとMRIでは甲状腺内に 4~5 mm 位の濃度の違う部分がありますが、甲状腺の腫瘍と断定することはできません。リンパ節の腫大は1個のみのようです。Ga, Tlシンチグラムではリンパ節への集積は 確認できませんでした。確定診断のために Open Biopsy を勧めましたが患者は悪性であることが確実でなければ手術は受けたくないと言っています。
A:この腫大したリンパ節が甲状腺由来のものかそれ以外のものかを鑑別するためにはリンパ節の穿刺吸引細胞診が最も確実であると思います。リンパ節から甲状腺由来の細胞が出れば甲状腺癌の転移であることは 明らかです。もし十分な量の細胞が採取出来ないときには穿刺針の中の組織液を 0.1 ml 程度の生理的食塩水に希釈してサイログロブリンの測定をします。血清よりも数百倍高いサイログロブリン値が出ればやは り甲状腺癌の転移であることが証明できます。
この例は、私の場合ととても似ています。私の場合は甲状腺内の異常は良性のようです。けれど、リンパ節にも腫瘍らしきものが見えたので、医師はあわててリンパ節への穿刺細胞診をその場でしてくださいました。結果は「反応性リンパ節炎」というもので、心配はいらないようですが、検査結果が知らされるまでは、リンパに腫瘍があればアウトだろうと覚悟しました。
以下にきっこさんのブログを紹介します。
福島県外の甲状腺検査についても分析されています。
■ <甲状腺検査結果>福島県と福島県以外~2015年3月31日現在~A1,A2,B,C
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-4248.html
きっこさんのブログと重なるのですが、他県の検査結果です。
■日光の甲状腺検査 計2769名中 C判定4名
http://www.city.nikko.lg.jp/kenkou/documents/koujousenn26.pdf
■松戸市の甲状腺検査結果:147名中 C判定1名
http://www.city.matsudo.chiba.jp/chuumoku/houshasen/taisaku_taiou/kenko/koujousenn.html
松戸市の検査は福島県の検査結果の表し方とは異なり、福島県でB判定としているものをC判定としているようです。
■つくば市の甲状腺検査結果:合計222名中、A2判定62名、B判定2名、C判定1名
http://www.city.tsukuba.ibaraki.jp/dbps_data/_material_/_files/000/000/014/855/25kekka.pdf
http://www.city.tsukuba.ibaraki.jp/dbps_data/_material_/_files/000/000/014/855/26kekka.pdf
サイボーグ001さんという方が、
甲状腺検査C判定が松戸市では147人中1人いるのに、福島県では(のべ人数)44万人でたった1人というのはおかしい、B判定扱いにしているのではないか、とツイッターで指摘されています。
松戸の検査結果の表し方は福島県の検査結果とは異なるようですので、サイボーグさんの主張の根拠が崩れてしまうのですが、
福島県と同じような検査結果の通知をしている他の市と比べてもやはり少なすぎるので、参考に紹介しておきます。
■http://togetter.com/li/824505
147人の子供を調べて1人のC判定を発見した松戸市と、44万人以上の子供を検査してC判定が1人に過ぎない福島県、両者の違いは余りにも大きく、説明を必要とします。福島では適正に検査が行われているのか? 結果にバイアスがあるのではないか?これらの点を再度問う必要があります。
他に「山梨・青森・長崎での3県調査でCとすべき判定をBとしたのではないかという疑問」についてもお知らせしておきます。
この調査を受注したのは福島県内の甲状腺検査の責任者である鈴木眞一氏が委員長を務める日本乳腺甲状腺超音波医学会でした。
県立医大の検査と同じ要領で検査がされたと思われます。
1、いわゆる山梨・青森・長崎での3県甲状腺検査についての詳細な報告書
平成24年度 甲状腺結節性疾患有所見率等調査 成果報告書
http://www.env.go.jp/chemi/rhm/koujyousenn.pdf
(のう胞や結節の画像説明があり、参考になりました。)
2、追跡調査の結果、甲状腺がん1名(4365名中1名だが、地域別に見ると、もしがんだった子どもが青森なら1700人に1人、長崎か山梨なら、1400人に1人の割合)
1次検査ではB判定だった。
https://www.env.go.jp/press/press.php?serial=17965
3、英語論文のまとめ
元論文(http://www.nature.com/srep/2015/150312/srep09046/full/srep09046.html)
日本語によるまとめ http://togetter.com/li/794970
(この部分が重要です。→)1人では頸部リンパ節腫大が認められた。
1、2、3、のことを鑑みてサイボーグ001さんが以下のようにツィートされています。
■サイボーグ001 @cyborg0012 7時間7時間前
環境省検査のがん患者、エコー検査で悪性疑いが所見され、側頸部リンパ節腫脹も確認されている(Nature, 2015)。 明らかにC判定の患者だが、B判定とされている。福島と同じ不正判定が疑われる。 (Nature, 2015)
http://www.nature.com/srep/2015/150312/srep09046/full/srep09046.html
この段階でC判定すべきだったのではないかという疑問が示されています。この方の意見に賛成です。
甲状腺内に異常がありしかも頸部リンパ節腫大がある場合はただちに穿刺細胞診が必要だと思います。
1次検査で頸部リンパ節まで見ていたのなら、その段階でC判定すべきですし、1次検査で頸部リンパ節まで見るべきだと思います。
福島県内で行われている甲状腺検査でC判定が少ないのは、やはりどうも疑問が残ります。
福島県の甲状腺検査でB判定だったらできるだけ早く2次検査を受けた方がよいようです。
みなさまにお願いがあります。
福島県やホットスポットの方々はもちろん、それ以外の方々も積極的に検査を受け続けてください。
結局、検査の結果がA1でもA2であっても、安心はできないということです。検査している人数が圧倒的に違うので単純な比較はできないのですが、福島県の結果よりも関東のホットスポットの方がどうも深刻だという結果が出ている以上、東日本全体で検査をしてゆく必要があると感じます。福島県内でもっと丁寧に検査し、さらに2次検査を受ける人が増えたら、もっとたいへんな結果が出るはずです。本当は日本全国で検査した方がよいのです。
とくに小さい子どもの検査は、甲状腺そのものが小さいのですから時間をかけて検査し、次回の検査までの間隔も半年後にすべきです。だからと言って県の検査を受けるなというのではありません。積極的に受けて、さらに次回までの間に自主検査をしてほしいと思います。
まだ一度も検査をしていない東日本のみなさま、東日本から避難されたみなさま、甲状腺検査(できるだけエコー検査と尿検査と血液検査の3点セットで)と白血球分画検査を含む血液検査をしてください。
原発事故後に甲状腺がんの手術をした女性の「心配の声」を以下に紹介いたします。
私は今、福島で甲状腺がんの手術を受けた100名を越す子どもたちの術後の生活状態を、心配しております。
医師の判断では、術後に声が出せること、嚥下ができることをもって手術が成功したとされます。
しかし、私の場合、声は出せても自分の声(声音や声量)を自分でコントロールすることができず、90分の講義をする時とても疲労しました。
早期退職の大きな要因です。
また、嚥下についても、誤嚥こそしませんが、注意しながら慎重に食べるために食事時間は術前の2倍はかかりますし、食事中には会話などもできません。
さらには、常時頸部の内部ひきつれ感があり、仕事に没頭している時以外はいつも不快感と一緒に生活しています。
これが術後2年を経過した、私の現在の生活状態です。
上記のような術後の状態は、多分個人差が大きいことでしょう。
しかし、子どもたちの残された寿命の長さを考えるならば、私はこうした術後の生活状態の悪化を心配するのです。
今後の彼らの進路選択に際しても、術後の状態は大きな制約を課すことになることでしょうからね。
この心配の声を読むと、
せめて子どもたちの健康被害は、早期に発見し、早期に治療すべきと考えます。
放射線被ばくによる影響は子どもたちの方が大人の何倍も大きいのです。
できることなら手術をしなくてもすむ状態を維持できればと願います。
そのためにも定期的な検査を継続する必要があります。
また、さきごろ以下のような論文が出ています。
福島県における神経耳科的疾患の長期調査における変化
http://alcyone-sapporo.blogspot.jp/2015/05/blog-post_33.html?spref=tw
元論文
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4388657/
めまい、メニエール病、および急性低音性感音性難聴の新患者が急増したということです。
原発事故後、私の地元神奈川県藤沢市でもめまいについての情報はたくさん聞きました。
ひどいものは、まっすぐ歩けない、とか、道ばたで座り込んでしまったというのもありました。
突発性難聴になった方もおられます。いずれも私の知人です。私自身も船酔いのようなめまいを感じていました。
藤沢市でこうなら、東日本全体で、健康状態に注意が必要です。
私自身の甲状腺検査の体験からも、大人も定期的な検査が必要性だと実感しました。
とくにこどもたちの親世代である方々は、検査を積極的にしてください。
仕事をしておられる方は定期的な健康診断を受けておられると思います。
なにか異常があった場合には、周囲に知らせてお互いに共有してください。
また、福島支援で活動してくださっている東日本の方々、検査をしてください。
自ら検査をしてみることで、周囲の人々の関心を呼び覚ますことができます。
まだまだ放射線被ばくによる健康被害に無関心な方が多すぎます。
あなたが検査をすることで周囲の意識を変えることができます。
それが間接的な東日本支援(=人の命を救うこと)につながります。
また検査をすることで「甲状腺異常」についての理解を深める事ができます。
(自分で検査をすると、どういう時に心配しなくてはならないのか、安心してよいのかが判ってきます。)
福島県内やホットスポットで活動してくださっている方々の中には、健康被害を感じながら検査をしないですませている方々がいます。自己犠牲を覚悟の上での活動。それはそれですばらしいことかもしれませんが、検査をすることで、貢献できることがあるのですから、どうか検査をしてください。
みなさまが健康でいられるようにと心から願っております。
すどうゆりこ
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〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion5388:150604〕
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