米軍基地集中の沖縄、対米追随の姿勢を正せ
- 2015年 6月 9日
- 時代をみる
- 池田龍夫
6月23日は、沖縄戦の犠牲者を悼む「慰霊の日」だ。1952年のサンフラン平和条約の発効により、日本が主権を回復した後も、沖縄は日本本土と切り離された。1972年に日本復帰を果たしたものの、多くの米軍基地が居座わり、県民の負担は軽減されていない。
沖縄県の人口は約140万人。(次いで青森県の7・7%、神奈川県の約5・9%)全国の米軍訓練空域は75あるが、沖縄には48もある。
「銃剣とブルドーザー」の強引な米国
戦後27年間の米軍施政権下で「鉄拳とブルドーザーによる接収」と呼ばれ、民有地の強制接収などによって広大な米軍基地が形成された。(全国の基地面積の約73・9%)このため墜落事故や騒音に県民は悩まされ、2004年8月13日、沖縄国際大学(普天間基地に隣接)に大型ヘリが墜落、一歩間違えば大惨事になるところだった。
1952年のサンフランシスコ平和条約の発効によって日本が主権を回復した後も、本土と切り離された。1972年に日本復帰を果たしたもの、多くの米軍基地が居座り続けてきた。
この様な沖縄差別が許されるだろうか。屋良朝博・沖縄タイムス記者が「砂上の同盟」と題する著書で痛烈に指弾しており、感銘させられた。参考までに主要点を引用しておく。
イタリアは堂々と「主権」行使
「イタリアは日本と同じ敗戦国で、大戦後に米軍基地をう受け入れているが、施設管理権は『主権』と同一という意識がある。オーストリア国境近くにあるアピアーノ飛行場はイタリア空軍が管理し、毎日の飛行プランを米軍に提出させ、滑走路の使用時間を定めて騒音対策を徹底している。驚くことは、夏場に午後1時から4時まで昼寝するイタリアの習慣『リポーゾ』に従い、米軍機もエンジンを切って静かにする。沖縄では、そんな行儀いい米軍を見たことがない。嘉手納飛行場では、お構いなしに米軍戦闘機が住宅地に騒音を轟かせている。米軍を駐留させる経費負担は、日本がイタリアの12倍も多く払っている。NATO全体の2倍の負担。たくさんのカネを出して、口は出るさない。そんなの美徳でもなんでもなく、イタリア人は『日本の主権は、どうなっているの』と首を傾げるだろう」――イタリアと比べ、日本の対米追従外交が悲しい。米国に対し『物言える』外交こそ、主権国・日本の矜持ではないか。
欧州駐留米軍基地を縮小
米国防総省は6月8日、欧州に駐留する米軍の基地や施設15カ所を閉鎖・返還する再編計画を発表した。同省によると、計画は国防予算の削減方針に対処すると同時に、欧州駐留米軍の効率性を高めるのが目的で、再編によって年間5億ドル(約595億円)を節減できるという。
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