火元組組長七回忌談話
- 2015年 8月 18日
- 交流の広場
- 熊王信之
平成の或る糞暑いが暦だけは秋の一日、関西の或る田舎の盛り場の一隅にある、いわゆる反社会的組織の一部屋で仏事がとり行われていた。 其処で、若頭、否、専務に促されて皆の衆を前に組長、否、社長が話す。
その昔、出入りで、いろんな組と、いろいろとあったけど、ワシには関係ないもん。 前の組長が色々ゆうてるけど、ワシは知らん。 そら、まあ、おんなじ(同じ)組の組長やから、全然知らん訳でもあらへん。 それにしても、あれもこれもあった云われてるけど、ワシの代になってからのこと違うで。 ここんとこ良うケジメつけてや。 そんなんワシの知らんこと、何時までも責任なんかとられへん。
先の出入りで、うちの組のもんも他所の組のもんも、ようけ死によったし、ようけ姉さんも泣かしたけど、そんなん出入りやったら普通にあるこっちゃやろ? ちゃうか?
聞きたかったら、お経ぐらいなんぼでも唱えたるで~。 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ○○○○○○○○○○○○○○○ ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ○○○○○○○○○○○○○○○ ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ○○○○○○○○○○○○○○○ ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ○○○○○○○○○○○○○○○ ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ○○○○○○○○○○○○○○○ 未だ聞きたいか~?
そやそや。 これだけ最後に云わなあかん。 雨茶組とは、一回、喧嘩したけど、あれは完敗やったから、懲りたわ。 負けてから、格下になってもたし、云うこと聞かんと怖いからな。 これから、何でも云うとおりするし、使い走りもしますわ。 此処で宣言しときます。 豪屋組と一緒に雨茶組の言うとおりにしまっせ。 うちの組のもんには、使い走りさせまっせ。 ほな、さいなら。
組長、否、社長が下がってから、皆の衆が言うことには、あれは一体何を言うたはんねん、七回忌で言うことか? うちの組が格下になってしもて、他所の組の使い走りすることの宣言か? 人、バカにしとんで。 かしら、おやっさんに替わってもらえませんか、と、口々に言うこと、言うこと。
何処かの政党でも、同じことがあるのかもね。 あんな人を長に崇めて、一緒に落選する気? いやなら、今、直ぐすることあるでしょ。
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