アベノミクスとは何だったのか? 17
- 2015年 8月 26日
- 交流の広場
- アベノミクス大野 和美
世界の株式相場が大いに荒れている。当たり前だ!どこもかしこも金利は超低空で、行き場のない過剰資金がせめてもの投機的利益を求めて株式市場に集まっている。少しでもそこに変動の条件が浮上すれば(例えば上海株式市場での止まらない株価下落とかアメリカのFRBの利上げ近しとの情報とか)それを好機と多様なファンドが暗躍する。また、機械化された投資段取りが自動的に株の入り買いをコントロールする。各国の経済実態、企業の経営状況とは著しくかけ離れた(全く無関係とは言わないが)現代の株式市場なのだ。2012年に9000円前後であった日経平均が2015年に20800円を超えそうというとき、この3年で日本経済は2倍以上拡大したとでも思うのか!?大日本帝国の復活のみを夢みて、経済には全く無知と思われる安倍首相が自らの無知を無視して唱える日本経済復活の「秘策」としてのアベノミクスを「成功」と自賛する根拠の一つが株価の上昇であった。とすると、今回の暴落はアベノミクスの大失敗になるのか。まあ、アベノミクス自体が株価上昇を招いた要因であることは事実だ。それは経済自体の拡大ではもちろんあり得ない。アベノミクス登場でふくらむ景気拡大への期待に乗じた外国投資ファンドが先ず主導した。さしあたり、この時期にアベノミクスを代表するのは第一の矢としての「異次元緩和」であろう。これはアメリカでリーマン危機への対応処置としてバーナンキのFRB採用した金融緩和策の真似である。黒田日銀総裁はこれを景気振興策として採用したのだ。
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。