現地ルポ 沖縄で米国の元軍人が「No henoko」と叫んだ
- 2015年 12月 17日
- 交流の広場
- uchitomi makoto
2015年12月17日
市民とともに路上に寝転んで抗議(提供写真)
「私が軍隊(海兵隊)に入ったのは、善良な活動をしたかったからです。しかし、間違いでした。基地はいらない。戦争はもうたくさんだ。この基地の中にいる兵士たちに言いたいのは、もっと上官に質問しろということです。何のために、私たちは戦うのか? この基地や作戦は本当に必要なのか?」
今月14日の早朝、沖縄・辺野古の新基地予定ゲート前で、米国の元軍人、マイク・ヘインズ氏はこう言って訴えた。
彼は「VFP(ベテランズ・フォー・ピース=平和を求める元軍人の会)」のメンバーのひとり。VFPは米国中心に120以上の拠点を持つ。今月9日、10人が来日した。ベトナム、イラク、アフガン戦争に従軍したメンバーは世代こそ異なるが、共通して米国の軍事作戦に反対している。
沖縄滞在中は、大学などでシンポジウムを行う傍ら、翁長知事と面談するなど超過密スケジュールの中、積極的に市民とも交流。14日は辺野古の新基地予定ゲート前、15日は普天間基地に座り込み、また路上に寝転び、手足をつなぎ人間の鎖をつくった。市民と一緒に歌い、ともに警察の違法な排除行為に抗議もした。
元軍人たちが過去に自分が滞在した沖縄で声を上げたのは、基地内にいる後輩に「戦争の愚かさに気がついて。基地はいらない」と伝えるためだ。そして、「沖縄の人々に謝罪し、理解するため」だという。
「私が沖縄にいる時、この海にジュゴンが生息しているとは知らなかった。今回、辺野古の海を見て、自分の今の立場を肯定できました。美しい沖縄の自然を愛し、この風景が私の心に触れた時、沖縄の人々と同じ思いを共有できたと思う。どうか私たちの過ちを許して下さい」(マイク・ヘインズ氏=前出)
今後について、グループの中心メンバーのひとり、アン・ライト氏は離日前の最後のシンポジウムでこう宣言した。
「沖縄の声を今後のスピークツアーで伝え、ハワイのオバマ大統領の別荘にも『NO henoko』と声を届けることを約束します。デモや抗議活動は有効です。引き続きともに闘いましょう。基地を閉鎖し、新しい基地はいりません」
集まった市民の大きな拍手に包まれた。
今回の来日メンバーから2人が新たにグループ理事に就任する。メンバーは16日から順次帰国するが、この訪問で、彼らは一層、沖縄のために継続的に活動する覚悟を決めたという。
(Freelance Journalist・大嶽創太郎)
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