(報告)「特定放射性廃棄物および最終処分施設候補地選定に関する会合」(2015年12月22日 @参議院議員会館)& 原子力市民委員会:「核廃棄物管理・処分政策のあり方」発表会・意見交換会(12.25)
- 2015年 12月 31日
- 交流の広場
- 田中一郎
さる12/22(火)、参議院議員会館において「特定放射性廃棄物および最終処分
施設候補地選定に関する会合」が開催され、北海道や青森から現地の市民団体あるい
は地方議員の方々が上京し、また、東京からも多くの市民が参加して、政府各省庁及
び関係機関との質疑応答が行われました。以下、簡単にそのご報告を行います。
(イベントの案内)
●2015年12月22日開催「核ゴミに関する政府との会合」への参加お誘い –
becquerelfree’s blog
http://becquerelfree.hatenadiary.jp/entry/2015/12/08/221817
(当日の録画)
●20151222 UPLAN【経済産業省資源エネルギー庁にドタキャンされた】特定放射性廃
棄物および最終処分地に関する会合 – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=EbbzMPLjB9g
(1)特定放射性廃棄物および最終処分施設候補地選定に関する会合:質問事項(前
半)(2015年12月22日)
(2)特定放射性廃棄物および最終処分施設候補地選定に関する会合:質問事項(後
半)(2015年12月22日)
(3)「特定放射性廃棄物および最終処分地に関する会合」事前質問に関する経済産
業省の文書回答(2015.12.22)
(4)再処理料金負担者なのに、無関心でいいですか?(山田清彦 『月刊 社会民主
2015.8』)
(5)青森県六ケ所村の再処理工場のトリチウムとクリプトン放出実績について(山
田清彦さん 2015.12.22)
(参加された省庁からの担当者 敬称略)
溝田 岳 (文部科学省 研究開発局 原子力課 放射性廃棄物企画室 室長補佐)
山口義文 (JAEA 日本原子力研究開発機構 バックエンド研究開発部門 地層
処分研究開発推進部)
中村芳信 (JAEA 核燃料サイクル苦学研究 再処理技術開発センター 処理部
化学処理第一課)
千田はるか(文科省 原子力課 核燃料サイクル室 業務係長)
矢島和貴 (総務省 地域力創造グループ 地域政策課)
高井誠治 (国土交通省 自動車局 環境政策課 自動車使用適正化対策官 総括)
伊藤真澄 (国土交通省 海事局 検査測度課 危険物輸送対策室長)
山口道夫 (原子力規制委員会 原子力規制庁 原子力規制部 安全規制管理官 再
処理・加工・使用担当付 管理官補佐{企画担当})
中桐裕子 (規制庁 新型炉・試験研究炉・廃止措置担当)
齋藤哲也 (原子力規制委員会 原子力規制庁 地震・津波安全対策担当 管理官補
佐)
石井京一 (国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構 総務部 参事)
鈴木淳一郎(国土交通省 大臣官房 参事官 運輸安全防災付 安全防災対策官)
山後 誠 (国土交通省 大臣官房 参事官 運輸安全防災付 主査)
橋本那音 (国土交通省 海事局 検査測度課 危険物輸送対策室 放射性物質係)
杉本光生 (国土交通省 自動車局 環境対策課 安全輸送企画係長)
青木一繁 (再処理・加工・使用担当 係員)
(田中一郎コメント)
質問事項をご覧になればおわかりの通り、北海道や青森の市民の方々のこの会合への参加姿勢や準備は万全のものでした。質問事項が仔細にわたり、その内容もよく研究がなされていて充実したものになっています。社民党・福島みずほ氏にご尽力いただき、関係省庁へ事前に質問事項を手渡し、また、誠意ある回答を要請しておりましたが、上記の「当日の録画」にあるように、各省庁とも、きちんとした回答はしない、いつもの通りの「肩すかし」「はぐらかし」の回答に終始しています。
特に経済産業省は、当日ドタキャンをし「VTR録画をしてネット放送するのはや
めてくれ」などと、ふざけた態度を示していたようですし、当日、出席はしたもの
の、原子力規制庁もまた、「審査中」を理由に一切の説明を拒否したり、避難計画等
については自分たちの所管ではないので「カンケーネー」という態度を取り続けてお
りました。こうした関係各省庁・機関の態度から鑑みて、「特定放射性廃棄物および
最終処分施設候補地選定」に関して、およそ地域住民や有権者・国民・市民に対して
誠意ある説明を行おうという姿勢は、ほぼ「ゼロ」だったことを申し添えておきま
す。
そもそも原発・核燃料施設推進に伴い必然的に排出されてくる放射性廃棄物につい
て、その処分方法も固まらないうちから、原発・核燃料施設を推進するなど、もって
の他と言わざるを得ません。いつまで「トイレなきマンション」をやっておるのか、
ということです。下記の関連サイトによれば、いよいよ核のゴミを捨てる場所が見つ
からないので、日本の各地沿岸でその海底に埋設できるところを探そうなどという、
トンデモ計画までが飛び出してきている有様です。かような出鱈目は断固として拒否
し告発していきましょう。
(田中一郎から当日、国土交通省と原子力規制庁に質問したこと)
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質問事項(前半)の「3)六ケ所核燃サイクル施設・最終処分事業及び輸送等関連業務について」(P3)の「3.」の「ボルト破損」と、「4.」の「配管の押さえ金具の浮き上がり」のことについて、細かいことですが「神は細部にやどりたまう」ということで質問しました。上記の「当日の録画」の終わりの方で発言させていただいています。
簡単に申し上げれば、こうした不良品を提供したメーカーの実態をきちんと調べ上
げ、トラブルを起こした対象物だけを検査したり再調査したりするのではなく、その
メーカーが原発・核施設関係に納入しているすべての物品について厳しく調査・検査
し、再発防止を徹底すべきではないのか、ということです。
ちょうど似たような事例として、横浜の高層マンションのくい打ち偽装が今般発覚
しましたが、あの事件では、くい打ち業者だった旭化成建材については、横浜のマン
ションだけでなく、他の工事も全部調べ上げられ、その結果、案の定、あちこちでく
い打ち偽装をしていたことが明らかになっています。そして国土交通省は、事態を深
刻にとらえて、より厳しく他の業者にも点検・確認を指示しています。それと同じよ
うに、原発・原子力でも、何故、徹底した調査と再発防止対策をしないのか、という
ことを聞いたわけです。
しかし、国土交通省と原子力規制庁の回答は上記録画の通りでした、特に原子力規
制庁の回答は回答になっておりません。原発や核施設は横浜の高層マンションよりも
はるかに危険であるということがわからないのでしょうか? あきれるばかりです。
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≪関連サイト:その1>
(1)“核のゴミ”処分場に沿岸海底地下も選択肢 – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=aV1eMoHVMeQ
(2)核のゴミ処分場に沿岸海底地下も選択肢 NHK「かぶん」ブログNHK
http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/200/233742.html
(3)〝核のゴミ〟処分地=沿岸海底下が「科学的有望地」??|げんぱつニュース
http://ameblo.jp/syuukitano/entry-12105482464.html
≪関連サイト:その2>
(1)最終処分法に基づく基本方針の改定案について(2015年2月)
http://www.meti.go.jp/committee/sougouenergy/denryoku_gas/genshiryoku/housha
sei_haikibutsu_wg/pdf/017_01_00.pdf
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2015/siryo08/siryo1-2.pdf
(2)提言「高レベル放射性廃棄物の処分に関する政策提言 -国民的合意形成に向
けた暫定保管」(日本学術会議「高レベル放射性廃棄物の処分に関するフォローアッ
プ検討委員会」:2015年4月24日)
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-23-t212-1.pdf
(3)高レベル放射性廃棄物最終処分施設の立地選定をめぐる問題(山口聡『レファ
レンス 2010.2』)
http://www.ndl.go.jp/jp/diet/publication/refer/pdf/070905.pdf
草々
<追1>原子力市民委員会「核廃棄物管理・処分政策のあり方」発表会・意見交換会
さる12月25日に、衆議院第1議員会館において、原子力市民委員会主催の標記発表
会・意見交換会が開催されました。下記はその簡単なご報告です。当日の録画の最後
の方で私も質問をしておりますので、ご参考にしていただければ幸いです(高レベル
放射性廃液と除染廃棄物について質問しました)。
●【12-25】「特別レポート「核廃棄物管理・処分政策のあり方」発表会・意見
交換会」開催のお知らせ 原子力市民委員会
http://www.ccnejapan.com/?p=6152
(当日の録画)
●20151225 UPLAN【発表会・意見交換会】原子力市民委員会核廃棄物問題プロジェク
トチーム特別レポート「核廃棄物管理・処分政策のあり方」 – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=2fec8jCSLgE
●原子力市民委員会声明『「特定重大事故等対処施設」のさらなる設置延長は不当で
ある』を発表しました 原子力市民委員会
http://www.ccnejapan.com/?p=6103
<追2>
2015-10-01 第58回人権擁護大会シンポジウム第3分科会「放射能とたたかう~健康
被害・汚染水・汚染廃棄物~」(動画) IWJ Independent Web Journal
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