1月28日・控訴審判決日のスケジュール-「DHCスラップ訴訟」を許さない・第66弾
- 2016年 1月 20日
- 時代をみる
- 澤藤統一郎
1月28日の「DHCスラップ訴訟」控訴審判決が近づきました。私自身が被告とされ、いまは被控訴人となっている名誉毀損損害賠償請求訴訟の判決です。
この日、東京高裁第2民事部(柴田寛之裁判長)が、判決を言い渡します。
時刻は、午後3時。
法廷は、東京高裁822号法廷(庁舎8階)。
司法記者クラブで、5時からの記者会見が予定されています。
関心のある方は、ぜひ傍聴にお越しください。
ただし、これまで毎回欠かさず行ってきた報告集会は省略いたします。これに代えて、近くの待合室で簡単なご報告を申しあげ、希望者には直ちに判決書きを送付いたしますので、メールアドレスかファクス番号を登録してください。
報告集会を行わないことの原因は判決日の指定が早過ぎたことにあります。裁判所は、判決期日の指定に当事者の都合を聞きません。出廷の必要がないとされているからです。こんなに急な日程では、場所の確保ができません。しかも、当日は在京の三会とも弁護士会の役員選挙期間中とあって、会議室は全部選挙事務のために塞がっています。日比谷公園内の日比谷文化図書館の会議室もとっくに満室。それに、こんなに近い期日指定ですと、弁護団に所属する弁護士の日程確保もなかなかにままなりません。私も、3時半から別の裁判の予定がはいっています。ご了解ください。
なお、少し日をおいて、十分な準備のもとに、スラップ訴訟撲滅を目指すシンポジウムを開きたいと思います。ご期待ください。
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株式会社DHCと吉田嘉明(DHC会長)の両名が、当ブログでの私の吉田嘉明批判の記事を気に入らぬとして、私を被告として6000万円の損害賠償請求の裁判を起こした。正確に言えば、当初の提訴における請求額は2000万円だった。怒った私が、これを許されざる「スラップ訴訟」として、提訴自体を違法・不当と弾劾を開始した。要するに、「黙れ」と言われた私が「黙るものか」と反撃したのだ。そしたら、2000万円の請求額が、3倍の6000万円に増額された。「『黙るものか』とは怪しからん」というわけだ。なんという無茶苦茶な輩。なんという無茶苦茶な提訴。
スラップの訳語は定着していないが、「恫喝訴訟」「いやがらせ裁判」「萎縮効果期待提訴」「トンデモ裁判」「無理筋裁判」…。裁判には印紙代も弁護士費用もかかる。普通は、この費用負担が濫訴の歯止めとなるのだが、金に糸目をつけないという連中には、濫訴の歯止めがきかない。スラップ防止には、何らかの制裁措置にもとづく、別の歯止めが必要だ。たとえば、高額の相手方弁護士費用の負担をさせるとか、スラップ常連弁護士の懲戒などを考えなければならない。この判決が確定したあとに、私はこの件について具体的な問題提起をしていこうと思う。
昨年(2015年)9月2日に東京地裁民事第24部(阪本勝裁判長)で、一審判決が言い渡された。当然ののことながら、私の全面勝訴。全面敗訴となったDHC・吉田は、これを不服として控訴し、その控訴審判決の言い渡し日が1月28日なのだ。
一審判決後の経過は以下のとおりである。
2015年 9月 2日 一審判決言渡し(原告全面敗訴)
9月15日 控訴状提出
11月 2日 控訴理由書提出
11月11日 被控訴人に理由書送達
12月17日 控訴答弁書提出
12月24日 控訴審第1回口頭弁論・結審
2016年 1月28日 控訴審判決言い渡し(予定)
1回結審のうえ、年末年始をはさんで1か月後の判決言い渡し期日の指定。常識的には、一審判決の事実整理や判断をそのまま認めての控訴棄却判決が予想されるところ。自分が訴訟代理人として受任した事件であれば、依頼者に「この経過なら、再度の勝訴間違いなしです。ゆっくりと、よいお正月を」と説明するところだ。しかし、当事者の心情としては、現実に勝訴の判決を手に入れるまでは心穏やかではいられない。
なお、原判決は、DHC・吉田が不服とした私のブログの記述は、いずれも原告らの社会的評価を低下させるものとして名誉毀損に当たるとした。その上で、いずれの言論にも違法性はないことを明確に認めて全部の請求を棄却したのだ。
言論の自由とは、「誰の名誉も毀損しない当たり障りのない言論」についてのものではない。誰をも不愉快にしない言論の表現が自由なのは当たり前、こんなものは権利の名に値しない。DHC・吉田が名誉を毀損されて苦々しく思うことを前提としてなお、この両者を批判する言論の権利が私にあり、DHC・吉田は私の批判を甘受しなければならないのだ。原判決は、この理を明快に認めたのだ。
原判決は、「(澤藤の)本件各記述は,いずれも意見ないし論評の表明であり,公共の利害に開する事実に係り,その目的が専ら公益を図ることにあって,その前提事実の重要な部分について真実であることの証明がされており,前提事実と意見ないし論評との間に論理的関連性も認められ,人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評としての域を逸脱したものということはできない」。だから、DHC・吉田の名誉を毀損しても違法性を欠く、として不法行為の成立を否定した。
おそらくは、控訴審判決も同じ判断になるだろう。
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ところで、控訴審以来、被控訴人(私)の弁護団に加入いただいた徳岡宏一朗さんが、ご自分のブログで、私の訴訟とブログとに、エールを送ってくれた。「万国のブロガー団結せよ」への呼応である。
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/108c767ee6becadef779a59b8e2ac5f5
徳岡さんのブログは、ビジュアルなセンスに溢れている。多くの読者に読んでもらおうというサービス精神が、多くの読者層に支持されて、著名ブログに成長している。そのブログからの応援メッセージが、なんとも心強い限り。
ありがとう、徳岡さん。そして、一審以来一貫して支援していただいた弁護団の皆さま、多数の傍聴支援の皆さま。あらためて、感謝申し上げます。
(2016年1月19日)
初出:「澤藤統一郎の憲法日記」2016.01.19より許可を得て転載
http://article9.jp/wordpress/?p=6244
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye3238:160120〕
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