脱原発3団体が3月26日に統一集会 - 相次ぐ原発再稼働に運動再構築へ -
- 2016年 2月 4日
- 時代をみる
- 原発岩垂 弘
関西電力が1月29日、高浜原発3号機(福井県高浜町)を再稼働した。東日本大震災にともなう東京電力福島第1原発の事故後の新規制基準下では、九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)に続き3基目の再稼働だ。4月には四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の再稼働も予想されるところから、「脱原発」を掲げて運動を続ける諸団体は「このままだと、日本は福島第1原発事故以前の状態に戻りかねない」と危機感を深めており、1年ぶりの統一集会を開く。
世界に衝撃を与えた、2011年3月11日の福島第1原発の事故を機に、日本では、原発に対する安全面での不安が高まり、既存の原発は次々に運転停止に追い込まれた。2013年9月には、全ての原発が運転を停止した。
しかし、安倍政権と電力業界は原発の再稼働を急ぎ、昨年(2015年)8月に九州電力川内原発1号機を再稼働させ、「原発ゼロ」は2年で途切れた。安倍政権は同年10月には、同原発2号機を再稼働させた。そして、今回の関西電力高浜原発3号機の再稼働である。次に再稼働となるのは四国電力伊方原発3号機とみられており、四国電力は「4月以降」との見通しを明らかにしている。
脱原発運動関係者が、語気を強める。「福島第1原発の事故は未だに汚染水が流失するなど、まだ収束していない。そればかりか、被災地では、まだ多くの住民が避難生活を余儀なくされており、被災地の復興も進んでいない。なのに、原発再稼働を急ぐ。許せない」
他の脱原発運動関係者も憤る。「国民の6割が原発の再稼働に反対している。なのに、再稼働を強行するとは。まさに国民の意向を無視した暴挙だ」
朝日新聞が2014年3月に実施した全国世論調査では、原発再稼働については「反対」59%、「賛成」28%。共同通信が2015年8月に実施した全国世論調査では、原発再稼働に「反対」が55・3%、「賛成」が36・9%。同年9月に東京新聞が加盟する日本世論調査会がおこなった全国世論調査では、原発再稼働に「反対」58%、「賛成」37%だった。
民意は明らかだろう。
相次ぐ原発再稼働に危機感を募らせる脱原発3団体は、「原発のない未来へ!3・26全国大集会」を3月26日(土)、東京・代々木公園で開く。3団体とは、旧総評系の「さようなら原発1000万人アクション実行委員会」、共産党系の「原発をなくす全国連絡会」、個人が中心の「首都圏反原発連合」である。東京における3団体の共闘は、2013年6月2日、同年10月13日、2014年3月9日、2015年3月8日に次いで5度目。
この集会への参加を呼びかけるチラシには「安倍自公政権の原発推進政策を打ち砕き、脱原発社会をめざすために全国各地からの力を結集しましょう」とあるが、それとともに、この集会が福島第1原発事故から5年、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故から30年を記念するものであることを明らかにしている。
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