「思想史講座」のお知らせー春からの構想
- 2016年 2月 24日
- スタディルーム
- 子安宣邦
3月はお休みです。4月からの新学期を新しい構想で始めたいと思います。
*思想史講座—関東京教室・大阪教室
「大正を読む」として続けてきた思想史講座は、この2月の「大川周明と日本精神 の呼び出し」をもってひとまず終わりました。私は「大正」を論じるにあたって、昭和の全体主義は大正が生み出したのではないかという問題関心をもっていました。この問題関心からすれば、直ちに「昭和」へと講座の課題を進めるのが当然といえるでしょう。
だが「昭和」については私はすでに「近代の超克」論として、また「和辻倫理学」論として、さらに「中国」論として講座でも語り、著書としても公表してきました。したがってもう一度「昭和」を語るためには少しの時間的余裕と新しい切り口とが必要です。
そこで「思想史講座」を大阪でやっているように春学期(4月・5月・6月・7月・9月)と秋学期(10月・11月・12月・1月・2月)の2学期制とし、「昭和」と「江戸」とを交互にやっていくことを考えました。「江戸」は私の専門でもあり、もう一度語り直したいという気持ちを以前からもっていました。そこで今年の春学期は「江戸」をテーマとし、秋学期は「昭和」をテーマとして進めることを考えました。「江戸」と「昭和」とを交互にやっていきたいと思います。
「江戸」として考えていることは、「なぜ藤樹は近江聖人なのか」「近世儒家の位相 蕃山と仁斎」「制作と命名 徂徠『弁名』論」「安藤昌益はなぜ読めないか」「擬似と真正 平田篤胤論」など。「昭和」としてさし当たって考えているテーマは「昭和と「日本への回帰」」です。
3月中旬には4月の講座のご案内をいたします。
*論語塾―伊藤仁斎とともに『論語』を読む
論語塾は3月はお休みして、4月から従来通り飯田橋の教室で『論語』と仁斎の『童子問』とを読みます。 4月23日(土)12時〜15時 ① 憲問篇 5 ② 『童子問』上
初出:「子安宣邦のブログ・思想史の仕事場からのメッセージ」2016.02.23より許可を得て転載
http://blog.livedoor.jp/nobukuni_koyasu/archives/55334891.html
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔study709:160224〕
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