たんぽぽ舎から TMM:No2725
- 2016年 3月 9日
- 交流の広場
- たんぽぽ舎
たんぽぽ舎です。【TMM:No2725】
2016年3月8日(火)地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.「水爆大怪獣」・「核の落とし子」怪獣ゴジラ
日比谷シャンテ前広場のゴジラが最後の一匹だとは思えない
3/10(木)・3/11(金)東電本店「連続」合同抗議に集まろう!
渡辺秀之(たんぽぽ舎ボランティア)
★2.中国が初の原発白書 新たな原子力強国宣言
“もしもの時”に命がけで対策に当たる「原発教育とシステムの
構築」が不可欠という魂が見えてこない
一ツ橋史郎(ジャーナリスト)
★3.群発地震が示すマグマの動き
89年の海底噴火の「次」は陸上の可能性も」
「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」コラムその140
島村英紀(地震学者)
★4.新聞より
◆人間は素晴らしい 鎌田 慧
(3月8日東京新聞27面「本音のコラム」より)
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┗■1.「水爆大怪獣」・「核の落とし子」怪獣ゴジラ
| 日比谷シャンテ前広場のゴジラが最後の一匹だとは思えない
| 3/10(木)・3/11(金)東電本店「連続」合同抗議に集まろう!
└──── 渡辺秀之(たんぽぽ舎ボランティア)
○1954年、当時社会問題となっていたビキニ環礁の核実験に着想を得た映画『ゴジラ』が、公開された。身長50メートルの怪獣ゴジラは、「水爆大怪獣」・「核の落とし子」として描かれた。核兵器によって現れた怪獣が、人間の手で葬られるという、人間の身勝手さを表現した作品である。
ゴジラ生誕40週年を記念して作られたゴジラ像は、有楽町駅から帝国ホテルに向かう日比谷シャンテ前の合歓(ねむ)の広場にあります。台座に「このゴジラが最後の一匹だとは思えない。」と刻まれています。
いつも、外国人観光客が写真を撮っています。ゴジラ像の写真と所在地は、下記の第30回東電本店「連続」合同抗議の宣伝ビラに掲載してありますので、参照ください。
3月11日(金)は、東電福島第一原発事故が始まって、丸5年です。ゴジラ像を見学して、ビキニ諸島、広島、長崎、福島が被った核の被害について、改めて考える機会にしませんか。
○第30回東電本店「連続」合同抗議が、特別版として以下の要領で開催されます。ゴジラ像を見学した後、東電本店に集まり、東電の責任を追及する抗議の声を挙げませんか。
宣伝ビラは、たんぽぽ舎新HP http://www.tanpoposya.com/ を参照願います。
○開催要領
(Part1)日時:2016年3月10日(木)18:30~20:00
(Part2)日時:2016年3月11日(金)18:30~20:00
場 所:東京電力本店前(東京都千代田区内幸町)
JR・地下鉄新橋駅徒歩5分、地下鉄三田線内幸町駅徒歩3分
呼びかけ:経産省前テントひろば(070-6473-1947)、たんぽぽ舎(03-3238-9035)
賛同:東電株主代表訴訟、ピースボートなど123団体
・3月10日(木)発言予定者の紹介
福島から、鴨下祐也さん(福島原発被害東京訴訟・原告団長) 、
古川よし子さん(富岡町)、
広瀬 隆さん(作家:メッセージ)、大学生、参加者(あなた!)
・3月11日(金)発言予定者の紹介
福島から、井戸川克隆さん(前福島県双葉町長)、
佐藤和良さん(福島原発告訴団・副団長)、
落合恵子さん(作家)、鎌田 慧さん(ルポライター)、
山本太郎さん(参加依頼中)、大学生、参加者(あなた!)
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┗■2.中国が初の原発白書 新たな原子力強国宣言
| “もしもの時”に命がけで対策に当たる「原発教育とシステムの
| 構築」が不可欠という魂が、見えてこない
└──── 一ツ橋史郎(ジャーナリスト)
「食品と暮らしの安全」No.323(2016.3.1発行)より転載
福島原発事故の直後から原発建設に慎重だった中国が昨年来、発展途上国を巻き込む形で原発推進に拍車をかけている中で、この1月末に初の「原子力白書」を発表しました。
◎初めて発表された原子力白書
「本物なの?」…。中国の国務院新聞弁公室が1月27日、中国で初めてとなる原子力白書を発表すると、日本の関係者から衝撃の声が上がりました。これまで、中国が原発の全体状況が判るような情報を公表するようなことは、なかったからです。
さらに、発表が国家原子力機関主任・国家国防科学技術工業局長・国家原子力事故緊急調整委員会副主任委員の要職に就く許達哲氏によるものとわかると、「発表は本当だ」と、秘密に覆われていた中国原発のベールが薄れていくような期待を与えました。
これまで中国は、原子力発電の全貌が判るような情報を公開したことがありません。
どこで原発建設を始めたとか、世界最新の設備が完成したとか、発電能力がアジア最大であるとか、国威発揚を狙った発表がほとんどで、原発の運営で最も大事な放射能が漏れたなどの事故情報は、ほとんど表に出てきませんでした。放射能漏れなどの事故情報が外に出るのは、香港でのモリタリングで発覚するパターンだったのです。
中国が、世界で30番目の原子力発電国となったのは、1995年に泰山原子力発電所1号基(32万kW)が商業運転を開始したとき。
少し遅いように思われますが、中国の原子力開発は、世界で有数の歴史があります。
軍事利用では、1964年に核実験を成功させた核保有国です。原子炉の研究は1973年にスタートさせ、1985年に商業炉を建設し、1991年には試運転にこぎつけ、1995年に泰山原子力発電所の商業運転を始めました。
この商業運転を皮切りに、原発を「段階的に建設する」方針を掲げ、2000年に入ると、「積極的に発展させる」と方針を転換、さらに2009年には「強力に発展させる」と政策を格上げし、原発大増設に乗り出しました。
ところが2011年の福島原発事故で原発建設をいったん凍結しました。中国の原発技術はフランス、日本、ロシア、米国と多岐にわたり、技術思想が統一されていないなど、安全面が危惧されたからです。
◎「原子力強国」を宣言
中国の原発は国産を自称していても、基本設計や、最も重要な圧力容器、蒸気発生器などは、フランスのアルバ、ロシアのアトムネフチ、東芝・米ウエスチングハウス、カナダのCANDUなどと外国製です。
しかも、その技術をベースに開発した、別々の原子炉技術の良いとこ取りをした原子炉を開発。これを純国産として、力を入れていたのです。
そうした問題の見直しを経て建設が再開されて、2015年10月までに27基、2550万kWの原子炉が稼働。さらに、建設中の原子炉は25基、2751万kWと、原子力発電大国になっています。
これでも、世界第2位となった中国経済の規模とエネルギー消費量から見れば、電力の供給力は十分でなく、原発の大増設が必要だと言います。
原子力白書によると、2020年までに原発を5800万kWにまで拡大し、2030年には、世界最大の「原子力強国」になると宣言しています。
◎安全確保や啓蒙活動に言及
原子力白書は、前文と本文、終章の3部分から構成され、全文は約2万字、核事故への緊急基本体制、緊急対策方法、緊急演習訓練、最新技術の啓蒙、緊急国際協力などに及んでいます。
在中の原子力関係者によると、「安全リスク、安全対策など当然のことを謳っているにすぎないが、それでも核の緊急時に向けて安全確保や啓蒙活動に言及しているのは革新的」と評価しています。
原発情報の公開を閉ざしてきた中国がなぜ、ここにきて安全をテーマにした原子力白書を発表したのか、指摘される理由は3つです。
まず、北朝鮮の核ミサイル発射との関係です。北朝鮮は数年以上前から、原爆を保有することが国家存続の唯一の道であるがごとく、友邦の中国から反対されても、核開発に挑戦し続けています。
ところが、すでに原爆の技術を完成させ、核の平和利用を宣言している中国にとって、戦争準備を意味する兄弟国・北朝鮮の核ミサイル発射は、中国も同様と連想され、迷惑そのものです。
二つ目は、原発輸出の拡大のためです。
習近平時代の減速経済の中で、中国が輸出を拡大するためには、産業の高度化を象徴する新幹線や原発の輸出が欠かせません。
原発の輸出は、新幹線同様に国家悲願に格上げされているのです。
早くから中国核工業集団(CNNC)がパキスタン、南アフリカに原発を輸出してきたことは知られていますが、これはビジネスと言うより、実証実験を海外で行ったというレベルのもの。こうした段階が終わり、今は目覚ましい勢いで輸出に拍車をかけています。
これまでにアルゼンチン、英国に続き、ケニア、ルーマニア、ベトナムを始め「一帯一路(新シルクロード)構想」途上の約60ヵ国で200基以上の原発建設を計画していると推定されていて、「安全神話」は不可欠です。
それで、「原発白書」が必要だったのです。
◎新たな原子力強国宣言
三つ目は、原発新時代を迎えたからです。
中国では、大変な勢いで原発が建設されています。
これまでなら、地方政府が「原発はエネルギー不足を補いCO2を発生させないクリーンなエネルギーである」と説明すれば住民の納得が得られました。
しかし、インターネット時代はそうなりません。情報公開がなければ、原発の用地買収から安全問題を含めて中国全土で大問題になるに違いないでしょう。共産党独裁であっても、安全をないがしろにしたら、原発建設は難しい時代になったのです。
白書は安全を強調したものですが、中国が原発大国になっても、安全は担保されません。
心配なのは、“もしもの時”に命がけで対策に当たる「原発教育とシステムの構築」が不可欠という魂が、見えてこないことです。
同時に、この白書は、新たな原子力強国宣言であることが注目されます。
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┗■3.群発地震が示すマグマの動き
| 89年の海底噴火の「次」は陸上の可能性も」
| 「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」コラムその140
└──── 島村英紀(地震学者)
新聞にベタ記事というものがある。一段のごく小さな記事だ。しかし、人によってはドキリとする。先日、地球物理学者がドキリとするベタ記事があった。
それは、さる1月23日早朝に静岡・熱海で震度3を記録した地震だった。震源は熱海の南の海底、つまり伊豆半島東方沖だ。マグニチュード(M)は3.3だった。小さな地震が続いた群発地震のひとつだった。地球物理学者は、大規模な群発地震がまた始まるのではないかと心配したのである。
伊豆半島東方沖は群発地震がよく起きるところだ。群発地震は1978年以来,20年間に37回も起きた。
ここの群発地震にはさまざまなスケールのものがあり、大きなものは数十日のあいだに10000回以上の地震が起きた。このときには有感地震も数百回あった。
群発地震が起きやすい場所がある。1965年から1970年にかけて起きた長野県・松代(まつしろ)や、1975年から1976年に起きた宮崎県・霧島山周辺や、1978年に起きた北海道・函館周辺や、1992年の沖縄県・西表(いりおもて)島周辺や、1998年の岐阜県・飛騨地方などだ。それぞれかなりの騒ぎになった。
地下で地震を起こす岩にはいろいろな性質のものがあり、群発地震を起こすところは「松ヤニ」にたとえられる。力を加えられた松ヤニは、ピチピチと音を立てながら徐々に曲がっていく。これが群発地震なのである
他方、ガラスのような性質を持つ岩もある。曲げていくと松ヤニとは違って、一挙に割れる。こういう岩のところでは群発地震は起きない。
群発地震を起こすメカニズムで分かってきたことがある。その多くは地下から上がってきたマグマが原因だったことだ。
松代も函館も、地下からマグマが上がってきて群発地震が起きたが、最終的にはマグマは地下で「凍りついて」くれた。それで群発地震も終わり、新しい火山が地表に誕生することもなかった。
この連載で前に書いたように、1989年に静岡県・伊東のすぐ沖で海底噴火が起きて「手石(ていし)海丘」が作られた。群発地震が続いたあと、マグマが海底を突き破って出てきたのだ。
伊豆半島東方沖から陸上にかけては「単成(たんせい)火山」が多い。伊東市にある大室(おおむろ)山が典型だが、富士山のようにひとつの火山が何度も噴火を繰り返すのではなくて、一回だけ噴火して火山を作るものだ。これらの単成火山ができるときには群発地震があったことがわかっている。
1989年の伊東沖でも、激しい群発地震のあと火山性微動が続き、新しい火山が出てきたのだ。
ところで、かつて作られた単成火山はいくつかずつ列状に並んでいて、次々に作られていったことが分かっている。
だが手石海丘は、まだ「その後」がない。同じような群発地震をともなった噴火が、今後またあるのではないかと注目されているのだ。
1月の熱海沖の地震は手石海丘の「その後」になるのでは、と地球物理学者は心配したのである。今度は陸上で噴火しないとはかぎらない。
(島村英紀さんのHP「 http://shima3.fc2web.com/ 」
「島村英紀が書いた『夕刊フジ』のコラム」より2月26日の記事)
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┗■4.新聞より
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◆人間は素晴らしい 鎌田 慧
「拘置所に面会に行ったのですが、『おれには姉などはいない』と言われて帰ってきました」と袴田秀子さんが嘆くのをなんどか聞いていた。
2年前の3月、静岡地裁の村山浩昭裁判長は死刑確定囚・袴田巌さんにたいし「これ以上、拘置を続けるのは耐えがたいほど正義に反する」と刑の執行停止を宣言、48年ぶりに釈放した。
裁判官の決断は輝いていた。テレビでみた、そのときの秀子さんの笑顔は素晴らしかった。それまではいつも、固い悲愴な表情だったからだ。
釈放されてからの、袴田さんの生活を記録した金聖雄監督の映画『夢の間の世の中』のなかで、秀子さんは弟の表情を「まるで仮面をかぶっていたようだった」という。死刑確定囚はいつ処刑されるかわからない存在である。袴田さんの拘禁反応が激しくなり、精神的に現実世界から解離し、死刑のある国家と対峙する存在と化していた。
袴田さんの妥協しない構えがすこしずつ柔らかく溶け出し、秀子さんもよく笑う女性になっていくのが、撮影を重ねるに従って感じられる。
拘置所にいた長年の慣習から一日中、家のなかを歩きまわっている弟は79歳、世話をしている秀子さん83歳。わたしが訪問したときよりも、さらに明るい雰囲気になっている。まだ検察は抗告し抵抗しているが、人間的に恥ずかしいことだ。
(ルポライター) (3月8日東京新聞27面「本音のコラム」より)
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