潘基文VS.モロッコ - モロッコの反論、パンの正論、難民の結論 -
- 2016年 3月 11日
- 評論・紹介・意見
- 国連平田伊都子難民
鬼のいぬまに、ジャブジャブ、、ジャブを連発します。 鬼とは報道野次馬のこと、ジャブとは情報ジャブのこと、意訳すると「みんなが騒ぐ前に、隠さずどんどんお報せ」ということです。 情報発信元はモロッコ当局、国連当局、西サハラ当局です。 あなたも、<難解という西サハラ問題>の通になってください。 そして、本当は少しも難しいことではないことに気付いて頂ければ、幸いです。 難解と言っているのは、この問題を解決したくない輩がほざいているのです。
(1)CORCAS(モロッコ王立サハラ問題諮問協議会):2016年3月9日、発。
モロッコ政府が昨日(3月8日)表明しMAP(マグレブ・プレス)モロッコ国営通信が発表したところによると、「モロッコ王国政府は、パン・ギムン国連事務総長に対して、テインドゥフとアルジェ訪問時の発言に、強く抗議する。彼のコメントは政治的に不適切で先例のない話だし、国連安保理決議に反する。モロッコ政府は、彼の当該地域訪問中に露呈した過激な言葉と行動と、容認できない独りよがりな表現を目の当たりにした、モロッコ政府は、ただただ驚くのみだ。モロッコは注意深くその訪問とその言葉を検証してきた。そして、この事務総長は、中立性と現実性と公平性を放棄したと判断した。さらにモロッコは、事務総長がモロッコに与えた文言と信用をないがしろにし、一方の当事者による脅しに傾いたことを、遺憾に思っている。殊に、一方の当事者に間違った保証を与えてしまったことは、残念でならない。」
(2)西サハラ問題の解答、特派員諸氏へのノート:国連ニューヨーク本部、2016年3月9日、発。
「我々はモロッコ外務省の声明を見た。
西サハ領土の地位は未確定地域と指定され、今も変わらないと決定づけられている。このことは、モロッコも含めた年次総会で、投票なしの全国連加盟国によって賛同された。
安全保障理事会は国連に、両当事者双方が納得する政治的解決に向け、交渉を用意するようにと呼びかけた。そのことはとりもなおさず西サハラ人に民族自決権を与え、懸案事項の最終的な領土権を明確に位置づけることになる。
先の土曜日(2016年3月5日)に、事務総長はその目で、希望もなしに過酷な状況の中で数十年の生活を余儀なくさせられてきた、西サハラ難民キャンプの絶望的な現状を見た。彼は、西サハラ難民たちはより良い未来を手に入れなければならないと、語った。
彼は、西サハラ人が自由に彼ら自身の希望を表現し、その過程を経て西サハラ難民が帰還するという、人道的な可能性を妨げているのが、この<占領政策>だと、言及した。
そのうえで事務総長は、先入観なしに真摯に、誠実な交渉をするよう呼びかけた。より前向きな精神で交渉が再開されれば、この人々に希望を与え帰還を可能にすることができるとも、語った。
再び事務総長は、両当事者と加盟諸国に、交渉に向けて真剣に約束をするようにと、強く呼びかけた。
(3)西サハラ難民の主張、ハッダードMINURSO(国連西サハラ住民投票監視団)西サハラ代表:2016年3月9日、AFP発。
「西サハラ紛争は脱植民地化問題だ。そして、モロッコが主張する西サハラ領有権は、国際正義を礎に、あらゆる機関の決議で否決されている。モロッコ政府による国連事務総長の西サハラ難民キャンプ訪問に対して、<中立性の欠如>とか<一方的>とか<モロッコを無視>とかの非難は、まったく理不尽で、それこそ、モロッコの<一方的>な中傷だ。そもそも、国連事務総長は今回一連の当該地域訪問に、モロッコとモロッコ占領地域も予定にいれていた。しかし、モロッコが両方とも断った。が、モロッコの妨害にも拘らず、この長期の紛争に決着をつけたいという国連事務総長の強い意志は貫かれ、彼は西サハラ難民キャンプと西サハラ解放区とアルジェを訪問した。国連西サハラ住民投票だけが、唯一、40年間続いているモロッコの西サハラ植民地政策に終わりをつけることができる。モロッコの国連事務総長批判が、そのことを奇しくも、鮮明に、炙り出した。
モロッコが国連に叩きつけた絶縁状は、モロッコの国際世界での孤立を招いてしまった。
モロッコはもとよりAUアフリカ連合の加盟国ではないし、EUとの関係も凍結してしまった。そして今、モロッコはパン・ギムン国連事務総長を非難することによって、国連との絆も自ら断ち切ってしまった」
さて、三者の原文に興味をお持ちだったら、CORCAS、国連、AFPにお問い合わせください。 英語、アラビア語、フランス語、スペイン語などで対応してくれます。 ただし、火を点けたモロッコ政府は、CORCASのブログから姿を消しました??
モロッコは国連対策を練り直しているのでしょうか? へたな考えは休んで、さっさと国連主催の「両当事者交渉の場」に戻ってきてください。
モロッコの近しいお友達・日本で、一席設けましょうか?
文:平田伊都子 ジャーナリスト、写真構成:川名生十、写真提供:西サハラ政府
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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