『流出「公安テロ情報」全データ』の取次販売拒否に抗議する
- 2011年 2月 3日
- 評論・紹介・意見
『流出「公安テロ情報」全データ』の取次販売拒否に抗議する 2010年 1月31日 出版流通対策協議会 会長 高須 次郎
東京都文京区本郷3-31-1 盛和ビル40B TEL 03-6279-7103/FAX 03-6279-7104
第三書館が昨年12月24日に発売した『流出「公安テロ情報」全データ』第三版(個人情報を黒塗りにしたもの)について、トーハン・日販・大阪屋・太洋社・栗田の大手取次が、委託配本および客注の販売拒否をしているうえに、各社とも販売拒否理由の明示を拒んでいる。
同書(第三版)は、第三書館が地裁の仮処分命令に全面的に従ったものであるにもかかわらず、販売拒否をすることは、まったく合理性も正当性もない。出版・表現の自由は、その流通の自由によって保証されるものである以上、取次各社の行為は出版・表現の自由そのものを否定するものに他ならない。独占禁止法の禁止する優越的地位の乱用とも思える大手取次各社の行為に、我々は強く抗議する。 また、ネット書店の多くもこの本の取扱を拒否しており、書誌情報すら検索できないようにしているネット書店もある。本の存在自体を否定するこうした行為は許されるものではない。大手取次・ネット書店は言論・出版の自由という基本的な権利に関しての自らの影響力の大きさを自覚し、直ちに販売を開始し、流通の正常化をはかるべきである。
今必要なことは、この間明らかになった公安警察によるイスラム教徒の敵視と違法捜査についての実態の解明と謝罪、およびプライバシー侵害と人権侵害を被ったイスラム教徒の救済であり、出版の自由を否定することではない。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔opinion0322:110203〕
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