たんぽぽ舎から TMM:No2795
- 2016年 6月 1日
- 交流の広場
- たんぽぽ舎
たんぽぽ舎です。【TMM:No2795】
2016年6月1日(水)地震と原発事故情報-5つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.「原子力民間規制委員会」による規制勧告「熊本-大分地震と再稼働」
「伊方原発を再稼働してはならない」への
四国電力の回答とヒアリング 四電の「……ん?!」な答弁
中村泰子(原子力民間規制委員会・東京事務局)
★2.なぜ止めない?川内原発!
川内原発から5.6kmで「震度5弱」を観測
原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その96
木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
★3.川内原発「耐震偽装」の実態 その2
基準地震動620ガルは妥当なのか
再稼働のためのつじつま合わせ 山崎久隆(たんぽぽ舎)
★4.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
◆6/5「さようなら原発 in いしのまき」
音楽の時間・『小さき声のカノン』上映と鎌仲監督のお話・アピール行進
出店:あさこはうす、他
◆6/10小出裕章氏講演会「あれから5年 私たちの選択」
主催:小出裕章氏講演会いわぬま実行委員会
篠原弘典氏 女川リポート
★5.新聞より
◆伊方再稼働 差し止めを 周辺住民ら仮処分申請
(6月1日東京新聞2面より抜粋)
◆練馬に市民発電所 「原発に頼らない一歩」
「福島映画祭」開いたビル屋上 10日まで寄付募る
(6月1日東京新聞22面「都心」より抜粋)
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※6/4(土)学習会にご参加を!
「大津地裁判決の中味と今後」-
高浜原発3・4号機 運転禁止仮処分決定の意義
講 師:井戸謙一さん[福井原発訴訟(滋賀)/子ども脱被ばく裁判弁護団長]
日 時:6月4日(土)14:00~16:30
会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)
共 催:「スペースたんぽぽ」/「脱被ばく実現ネット」
参加費:800円
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☆【たんぽぽ舎ホームページ・トピックス】
※新着情報
1)UPLAN動画
住まいを奪うな! 住宅提供・区域指定・賠償の継続を求める
共同行動&デモ&福島県申し入れ行動
2)「漁業が死んでしまう」=トリチウム放出に反対-福島県漁連
3)伊方3号の再稼働差し止め申し立て 愛媛住民ら松山地裁に
4)原子力民間規制委員会・いかた、同・東京は、四国電力原子力本部
から規制勧告に対する回答を受けヒアリングを行った。
新HP http://www.tanpoposya.com/ をご参照下さい。
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┗■1.「原子力民間規制委員会」による規制勧告「熊本-大分地震と再稼働」
| 「伊方原発を再稼働してはならない」への
| 四国電力の回答とヒアリング 四電の「……ん?!」な答弁
└──── 中村泰子(原子力民間規制委員会・東京事務局)
「原子力民間規制委員会・いかた」、「同・東京」は、5月25日、四国電力原子力本部を訪問し、規制勧告【19】に対する回答を受け、ヒアリング(聴聞)をおこなった。
○規制勧告【19】熊本・大分地震と再稼働
熊本・大分地震は中央構造線断層帯を震源とする群発地震と考えられる。この延長線としての海底断層は、伊方原発から5~8kmのところを通っている。このような場所に原発を設置したことはそもそも間違いであった。伊方原発を再稼働してはならない。
以下、おやおやと思った四電の答弁のいくつかを紹介する。
○四電の「……ん?!」な答弁
<基準地震動650ガルの算定根拠>
・四電:別府-万年山断層から中央構造線の紀伊半島まで480kmの断層が持っているエネルギーを一気に解放した場合を想定して評価したのが650ガルである。さらに、愛媛県知事から1000ガル対応という要請があり、安全上重要な機器に関しては1000ガルに実力的に耐えうる構造物になっている。
民間規制委:熊本でも震度7が来ておさまると想定していたらもう一度起こった。伊方で震度7が起こった場合、1回目は大丈夫か?
・四電:650ガル、1000ガル対応で大丈夫である。
民間規制委:もう一度起こったら?
・四電:中央構造線480kmが持っているエネルギーが一気に出されたら、もう一度同じエネルギーの地震が来るとは考えにくい。 ……ん?!
民間規制委:考えにくくても、想定外は起こることは熊本・大分地震で証明された。これを新しい知見として認識されたか?
・四電:伊方発電所の前の中央構造線が動いて、次を誘発して、南海トラフ地震が来たとしても、伊方に及ぼす地震は181ガル程度なので、伊方発電所が壊れるようなことはない。……ん?!
民間規制委:中央構造線うんぬんではなく、想定外の2回目が来たらどうなる?
・四電:安全上重要機器は弾性特性を持っているので、1回地震が来ても、もとの形に戻る。もし塑性変形して2回目が来たらドンと行くが、塑性変形しないので、もう1回来ても十分耐えうる。……ん?!
<避難計画>
・四電:地震によって放射性物質が外部に出て避難せざるを得ない事象というのは、まず考えられない。地震が来ても、耐震性があるので、設備的には大丈夫。発電所は破損しないので、避難する必要性はない。……ん?!
万が一のために避難計画とか訓練とかをしていただいているが、地震で原発事故が起こり住民避難というような事象になる可能性はほとんどない。……ん?!
配管破損の指摘もあったが、われわれは破損しないと考える。……ん?!
民間規制委:福島第一で現に破損しているのに、破損しないと言い切るのか。
・四電:配管破損はない。たとえばテロとか、ロケット衝突とかの不測の事態が万が一起きた場合ということで避難計画を作っていただいている。起因が地震ではない。……ん?!
詳細は、たんぽぽ舎新HPのサブページ「民間規制委員会」参照。
http://www.tanpoposya.com/民間規制委員会/
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┗■2.なぜ止めない?川内原発!
| 川内原発から5.6kmで「震度5弱」を観測
| 原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その96
└──── 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
◎ 広瀬隆さんの講演会(5月26日)で知ったことだが、熊本大地震の本震で川内原発近くで震度5弱が記録されていた。確かに鹿児島県サイトに見つけ出すことができた。 http://www.jishin-kagoshima.jp/detail_21.html
川内原発から5.6kmの高江観測点(原発と薩摩川内市街との中間点)で、熊本大地震の本震の4月16日1時25分に、震度5弱、計測震度4.7、96.8ガルを記録していたのだ。
さいわい、川内原発の3つの地震観測点や久見崎町観測点では震度3だった。
◎ 原子力規制委員会は、川内原発は震度3で異常無しと報告していたが、原発からわずか6kmも離れていないところで震度5弱を記録されたことは伝えていない。
震源が原発から100kmあまり離れた熊本市であっても、原発のすぐ近くで震度5弱を記録した。震源がより川内原発に近いところで地震が起こったらどうなることか?
◎ そして、熊本大地震は今も続き(例えば、5月30日に熊本で震度1以上を6回観測、全体で5月29日現在に震度1以上を1600回以上観測)、気象庁は今後1~2カ月の間に周辺で震度6弱程度の地震が起こりうると警告を発している。
「国民」の生命、健康及び財産の保護、環境の保全を考えれば、直ちに川内原発を止めるべきだ。
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┗■3.川内原発「耐震偽装」の実態 その2
| 基準地震動620ガルは妥当なのか
| 再稼働のためのつじつま合わせ
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
◎ 偽装の背景
このような図を今まで見たことがない。さすがに、これまでの耐震設計用地震解析では、事業者が包絡しない図を出したことはない。
そこまでしてデータをいじる理由は、それぞれの機器類の固有周期に関係する。
原発の設備は、固有振動周期を持っているので、その周期で揺らされると共振を起こして揺れが大きくなる。その分強い力がかかってくる。
周期0.1秒付近で「余熱除去系配管」、同0.2秒付近では「原子炉格納容器」0.3秒で「原子炉建屋」0.4~0.5秒で「制御棒挿入性」に影響を与える。
特に0.5秒付近で1000ガルを大きく超え、速度も100センチメートル/秒を超えている。
この周波数で包絡させる線図を描けば、耐震計算によりこれら機器類を強化しなければならなくなる。設計・施工に数年はかかるだろう。とてもすぐに再稼働などできない。そのため、耐震補強が少なくて済むように基準地震動に基づく応答グラフを低く設定した。これを「耐震偽装」と言わずに何と言えば良いのか。
これをそのまま認めた規制委員会の異常さは、さらに悪質といわなければならない。原子力を規制「しない」委員会だ。
◎ 横ずれ断層と縦揺れ
2016年の熊本地震では、極めて大きな縦揺れが観測されている。益城町に設置された強震計では、重力加速度を大きく超える縦揺れが記録された。これは「横ずれ断層型地震は縦揺れが小さい」といった見立てを覆すものだった。
横ずれ断層が多い九州では、地震の痕跡を見つけるのが難しいといわれている。
横にずれると地形に痕跡は残るが、逆断層や正断層のように地層の食い違いが生じにくいからだという。
そのこともあり、横ずれ断層では上下の揺れは比較的小さいと考えられていたようだが、今回は事実を以てそんな見立てを打ち壊した。
マグニチュード6.5の地震で1399ガルの上下動を観測したのは初めてのことだ。
マグニチュード6.5という値は実に象徴的だ。これは、震源が知られていないところで起こりえる地震で、最大のものと国や事業者が想定した地震と同である。もちろんもっと大きな地震も起こりえる。2006年の耐震設計審査指針見直しの議論では強い異論が出された項目の一つだ。言い換えるならば、不意打ちを食らう可能性がある地震の内で、争いのない大きさとして最も大きい地震だ。
そのような地震でも想定以上の揺れが起こりえることを示した点では重要だ。
上から下に自由落下で制御棒を挿入する加圧水型軽水炉にとっては、重力加速度以上の上下動と、その後に巨大な横揺れが襲うとした場合は原子炉停止失敗につながる重大事になる。これ一つをとっても全部運転を止めて対策すべき事態だ。
◎ 制御棒駆動機構の耐震性
基準地震動の決め方があまりに過小評価であるもう一つの理由は、原子炉停止系の問題がある。
大量の白抜き黒枠文書の中でも、制御棒駆動系についてはまったくといって良いほどデータが書かれていなかった。規定時間内に制御棒が挿入可能かどうかというのは、地震に襲われて直ちに原子炉を止められるかということだ。これが失敗すれば直ちに過酷事故につながる。
地震応答解析において、様々な危険性を考慮する中で、最も厳しい条件を与えて解析すべき場面であるにもかかわらず、最も甘い解析になっている。
地震応答解析で、実規模試験を行った結果があるにもかかわらず、それを無視して机上の解析だけを使って基準地震動Ssにおいても問題なく挿入可能という結論を出している。
しかしこの時の応答解析のもとが、周期0.5秒付近を過小評価したグラフだから、結果は最初から見えている。
実際に重力加速度を超えるような縦揺れと2000ガルを超える横揺れの重なった波に襲われながら、2.5秒で挿入することは不可能である。縦揺れに加えて大きな横揺れでも制御棒挿入性は大きな影響を受ける。
原子炉は建屋が固い岩盤に設置されていても、制御棒駆動機構は遙かに高い位置にあり、たった620ガルの揺れで済むわけではない。解析でも2800ガルを遙かに超える揺れが襲ってくることになっている。
解放基盤表面の揺れが1000ガルを超えるような値であれば、4000ガルを大きく超える揺れになってしまうだろう。もはや制御棒そのものが破損してしまうほどである。 (了)
※「その1」は、5月30日発信の【TMM:No2793】に掲載。
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┗■4.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
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◆6/5「さようなら原発 in いしのまき」
日時:6月5日(日)10:00~16:15
会場:石巻中央公民館大ホール
主催:「さようなら原発 in いしのまき」実行委員会
音楽の時間・『小さき声のカノン』上映と鎌仲監督のお話・アピール行進
出店 あさこはうす他 チケット 500円 託児あり 要予約 070-6628-5785
詳細 https://www.facebook.com/nonukesishinomaki/
チラシ http://homepage3.nifty.com/sustran-japan/datafile/20160605_sayonara.pdf
◆6/10小出裕章氏講演会「あれから5年 私たちの選択」
日 時:6月10日(金)18:30~20:30
会 場:岩沼市民会館中ホール
主 催:小出裕章氏講演会いわぬま実行委員会
篠原弘典氏 女川リポート
後 援:岩沼市・あいコープみやぎ・河北新報社
入場料:500円 問い合わせ 090-4882-3259(大友さん)
チラシ http://homepage3.nifty.com/sustran-japan/datafile/20160610_koide.pdf
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┗■5.新聞より
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◆伊方再稼働 差し止めを 周辺住民ら仮処分申請
四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の再稼働差し止めを求め、愛媛県内の住民らが31日、松山地裁に仮処分を申し立てた。(中略)
松山市の市民団体「伊方原発をとめる会」によると、申し立てたのは県内の男女12人で、伊方町のほか、隣接する八幡浜市の住民も含まれる。(後略)
(6月1日東京新聞2面より抜粋)
◆練馬に市民発電所 「原発に頼らない一歩」
「福島映画祭」開いたビル屋上 10日まで寄付募る
市民の出資や寄付で立ち上げた市民発電所が、練馬区に誕生した。太陽光パネルを置いてくれる広い屋根を見つけるのに苦労したが、福島をテーマに映画祭などを開いていた「ギャラリー古藤」(栄町)に決定。発電所を「ふるとうSUN」と名付けた。運営する練馬グリーンエネルギーの原尚美理事長は「原発に頼らない社会をつくる一歩に」と意気込む。
古藤のビル屋上は約60平方mあり、太陽光パネル24枚を設置した。周囲に高い建物がなく太陽光が遮られずに降り注ぐ。1.7世帯の消費量に相当する年間約7700キロワット時を発電できる見込み。一部を古藤で使い、残りを電力会社に売る。
練馬グリーンエネルギーは、東京電力福島第一原発事故を受けて原発に依存しない社会を目指そうと、有志が2013年に準備委員会を発足。15年に一般社団法人となり、メンバーは約60人。各地の市民発電所見学や太陽光発電工作セミナーの開催などを重ね、地域に根差した発電所づくりを模索してきた。(中略)
寄付を10日まで募集中。
問い合わせは練馬グリーンエネルギー=電03(4405)7523=へ
(6月1日東京新聞22面「都心」より抜粋)
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