エジプトでの「動乱」について
- 2011年 2月 16日
- 交流の広場
- エジプトとら猫イーチ
エジプトでの動乱を、如何に受け止め理解するかで、ちきゅう座の論稿を拝見するだけでも様々な見解があるようですね。 私は、この地域の政治状況は、イスラム原理主義の関わりを最大限に考慮しないことには、予測不可能との立場ですので、西欧民主主義の価値観で判断する「民主主義革命」の観点に立つ批評には同意出来ません。
それは、日本のように宗教と一定の距離を置いた政治が実現可能な国家と、イスラムの諸国とは置かれた状況が相違すると考えているからです。 エジプトを含むイスラム諸国は、親米政権が実権を握る国家を除き、祭政一致と言っても良いイスラム原理主義に国家の存立基盤を置いていると言っても過言ではありません。 しかも、親米政権が牛耳る国家であっても一般庶民はイスラムの教えに依って日々をおくっています。 日本人とは、宗教との距離感が相違する民衆が居るのです。
米国は、彼ら流の政治主義がかの地に根付くとでも思っているのでしょうか。 イスラエルを先頭に立て、英国の植民地を脱した諸国を新たな原理の新植民地に仕立て挙げた米国と同等の政治原理に依る国家が出来るとでも思っているのでしょうか。 イスラムの民が流した血を忘れるとでも思っているのでしょうか。 そうであるなら、何んと浅はかであることでしょう。
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。