「うた新聞」吉川宏志「<いま>を読む~批評が一番やってはいけない行為」という私への反論
- 2016年 8月 11日
- カルチャー
- 内野光子・歌人
8月8日、午後3時前、天皇の「お気持ち表明」なる「玉音放送」を待っているとき、「うた新聞」(いりの舎)の編集部から8月号の吉川宏志「<いま>を読む第4回―批評が一番やってはいけない行為」の記事に印刷の不手際があったとの連絡を受けた。間をおかずに、吉川さんからも電話をいただいたので、誤植ではなかったらしい。その折、「うた新聞」紙上に、その反論を書かせてもらえることになった。
それはともかく、上記の記事は、私の『ポトナム』七月号の歌壇時評への反論であった。当ブログ記事「『時代」の所為(せい)にはするな=私の歌壇時評」(7月30日)として再録している。私への異論があったこと自体、貴重な体験となった。
歌 壇には、もっと論争が起こればいいと思っている。異なる意見を持つものとの議論が民主主義の根幹でもあり、「反論に値しない」と無視することの恐ろしさを 思う。ただし、あえて、注文するならば、①論争をするのであったら、論難されている当事者が受けて立つこと ②反論は、相手の論の核心部分を突くこと ③ 相手の文章の引用や先行研究の引用に関しては、明確な表記をすること、などなど・・・。①については、いわば「保護者」同士や「弟子筋」同士の<代理>論 争的な側面を持つことも多いからであり、②については、論点をずらしたり、末節を切り取ってきたり、過去に遡ったりすると焦点は拡散し愚痴になりやすいか らである。③は、今回の吉川さんの私の文の引用がとてもわかりづらかったからでもあった。
いま、吉川さんの言いたいことは何だったのか、読み込んでいる。
初出:「内野光子のブログ」2016.08.09より許可を得て転載
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記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔culture0305:160811]
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