米国大統領選挙管見
- 2016年 11月 4日
- 交流の広場
- 熊王 信之
米国大統領選挙は、最早、中傷合戦の様相を呈して来ているようで、トランプ・クリントン両候補の失言や過去の事件を巡り対立が続いています。
しかし、此処に来て、クリントン陣営には大きな障害が生じたのです。
クリントン御夫婦を巡っては、夫妻が運営している財団に関わる疑惑が数多くあった処、その内の一件についてFBIが捜査内容を公表したからです。
FBI、クリントン元米大統領の恩赦付与に関する調査文書を公表 Bloomberg 2016年11月2日 07:57 JST更新日時 2016年11月2日 14:27 JST
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-11-01/OFZF7D6KLVR601
もともとクリントン御夫婦に関わっては、設立された財団への多額の寄付の見返りに、政治的立場を駆使されて何等かの見返りを与えたのではないか、との疑惑があります。
夫の元大統領に関わっては、ホワイト・ハウスならぬ、ピンク・ハウス事件もあり、諸々の醜聞と疑惑が噂されていたのは事実ですが、金銭で恩赦を与えた疑惑が公文書に依って裏付けられた訳ですから、米国の一般市民は怒り心頭でしょう。
クリントン命のアベ一派を筆頭に、反トランプで体制派・反体制派共に一致したこの国のことですから、株式市況は、急反落するのも当然です。
日本株は急反落、米大統領選の波乱警戒しリスク回避-内外需広く売り Bloomberg 2016年11月2日 07:58 JST更新日時 2016年11月2日 15:37 JST
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-11-01/OFZJ1O6K50ZR01
でも、この国でも、クリントンの悪行を暴く媒体もあります。
「逮捕秒読み」の大統領候補 ヒラリー・クリントンが嫌われる真の理由 MONEY VOICE
http://www.mag2.com/p/money/25640
クリントン派の失言追及合戦で面白いのは、トランプ候補の「温暖化でっち上げ」発言を鬼の首でもとったように宣伝していることです。
米国では、議会の大勢自体が温暖化対策には消極的であり、共和党支持層を中心として人為的地球温暖化仮説をでっち上げ(hoax)や、詐欺(swindle)と捉える方々が多数を占め、温暖化宣伝のためにでっち上げたグラフ・ホッケーステックを議会多数派が疑い科学アカデミーに依る検証がされたこともある程です。
トランプ候補は、過去の発言を失点と捉える必要も無い訳ですが、何故か、臆しているようです。
ゴアのように、ウオール街と結託し投資会社を設立し金儲けに温暖化仮説を利用している訳では無く、不動産業等の実業で成功されたのですから、デッチ上げ(hoax)をデッチ上げと呼ばわることを恐れる必要は無いでしょう。
兎角、この国では、体制派・反体制派ともに、下層の一般市民を見下し、切り捨てる傾向があり、リベラルを自称される方々も、米国大統領選挙においても、無学な言動のトランプ候補を見下す傾向がありますが、その発言を真摯に観ることが必要でしょう。
例えば、国境線に塀を建設する、と言う発言ですが、移民排斥の筆頭に挙げられるこの発言を事実に即して見ると、現実的なものとも言える一面があるのです。
理由は、違法に国境を超える者が、過酷な自然環境にあって事故死する事例が数多実在するからです。
テキサス州にある処で、国境を超える中途であまりに事故死する者が多いために、「死の谷」と化した地域があります。 この例のように、何の装備も無く徒歩で過酷な自然環境に入ることを何等かの手法で防ぐことは現実的な国境警備の手法でしょう。
The Real Death Valley: The Untold Story of Mass Graves and Migrant Deaths in South Texas Weather Films You-Tube https://www.youtube.com/watch?v=vjDsQ0ZmnSg
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