1・23ルネ研定例研究会――伊吹浩一著『武器としての現代思想』をめぐって
- 2017年 1月 15日
- 催し物案内
- ルネサンス研究所菅孝行
ルネサンス研究所次回定例研究会のお知らせ
日 時 : 2017年1月23日(月曜日)
会 場 : 専修大学神田校舎7号6階764教室
開場18時、開始18時半
テーマ :「合評会:伊吹浩一著『武器としての現代思想』(サイゾー)」
提題者 1.中村勝己(イタリア現代思想)「現代思想の〈左旋回〉の時代に際して」
2.未定(追ってお知らせします)
概 要
ルネサンス研究所の運営委員でありアルチュセールやネグリの翻訳者でもある伊吹浩一さん(専修大学ほか兼任講師)が単著デビューを果たした。先月刊行された『武器としての現代思想』(サイゾー)である。『武器としての○○』と聞くと、「シューカツ(就職活動)」に取り組む大学生たちに心構えを説く新自由主義的な自己啓発本を連想しがちだが、本書はまったく違う。アルチュセールの言う「革命の武器としての哲学」という議論を踏まえて、現代思想を学ぶことは実は闘争することでもあるのだという視点が打ち出されている。日本ではこの30年間ほど、現代思想の書とは主要にフランスでなされた現代哲学の議論を咀嚼し紹介することだった。その意味では確かに本書もそうしたフォーマットを踏襲してはいる。
マルクス、ニーチェ、フロイトを起点にして、その後に続くラカン、アルチュセール、フーコーといった思家たちを配し、最後に「現代思想の今日的展開」としてネグリ=ハートを置くというスタイルは、現代思想の入門書としては定型的なものである。しかし本書が凡百の現代思想入門書とは異なる最大の特徴は、現代思想を革命の武器として読み抜くという一貫した姿勢なのである。その意味では、現代思想を革命論として読み抜くことを提案し実践してみせた市田良彦著『革命論』(平凡社新書)の衣鉢を継ぐものでも本書はあるのだ。そうした姿勢により切り開かれる地平としての〈闘争〉とは、いかなるものであるのか? 今回は合評会という形で二人の提題者から問題提起を受け、これに対する著者の応答を踏まえたうえで、参加者全体のディスカッションを行ないたい。
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