「瑞穂の國記念小學院」の敷地取得価格の怪(と言うより国民騙し討ち)
- 2017年 2月 20日
- 評論・紹介・意見
- 熊王信之
国会での質疑応答は、当局に依る固い防壁で実質的に疑惑解明を阻止されている、と言って良い状況のようです。
こうした実務上の疑惑解明には、書証の全てを差し押さえて、関連職員を問い質す調査権限が無いと解明が難しくなります。 麻生財務相の答弁は、その障壁を認知しているかのように冷ややかなものでした。
曰く、「我々としては、法令に基づいて、適正な処分が行われたんだというように考えるということとしか、今の段階で答弁のしようがありませんな」。
「この用地は以前から土壌汚染が確認されていた。売買が決まる前の2016年3月の段階で、除染費用として1億3176万円が森友学園に支払われているのである。にもかかわらず、6月の売買契約時に、撤去・除染費用として、さらに8億1900万円が値引きされている。
ということは、1億3176万円+8億1900万円で合計9億5076万円。売買代金が9億5600万円であるなら、森友学園は、ほぼタダ同然で、用地を取得していることになる。」とのIWJの認識は、未だ甘い、と言わねばなりません。 何故ならば、当該売買契約には、「買戻し特約」が付随しているのです。
(参照)
【国会ハイライト】国有地が9割引の1億3000万円で払い下げ!次々と明らかになる「森友学園」をめぐる国ぐるみの疑惑!共産党・宮本岳志議員の追及を全文掲載!「極右学校法人の闇」第2弾! 2017.2.17 IWJ
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/363946
即ち、有体に申し上げてこの件では、事業経営者は、学校経営事業に失敗すれば、するで、特段にお困りにはならない訳です。 その時には、何処からか、掬いの神が現れて、1億3000万円をプレゼントして呉れる訳です。
事前に頂いた1億3176万円と併せて、2億6176万円、それに、国土交通省の「建物の木造化木質化推進のための先導的設計施工技術」支援に係る補助金が6200万円、合計3億2376万円。 これだけの国費が濡れ手で泡。 学校経営に失敗しても大丈夫、と国に太鼓判を押して頂いたようなものですな~。
学校でも何でも、やれるわな~。 失敗したならば、国が「ケツ拭き」をしてくれる、と。 私でも、「熊王猫学院」等と国から土地と金を貰って、認可も保証して貰って、ならば出来るでしょう。
阿保らしい話ですが、これに似た話は、過去から多数あります。 その一端は、会計検査院の監査報告に出て居ます。 大半が、子細な事務手続の瑕疵についてですが。
法制の欠缺とも言える現制度に阻まれて、地方自治では制度化されている住民監査請求は出来得ません。 自由法曹団が検討する、と言われている住民訴訟も容易では無いでしょう。
一般国民への報道は、一部を除いてでしか有りませんし、問題点を説明する一般報道機関も有りません。 関心を持つのは、極一部の報道機関とネットの一部住民のみです。
残念ながら、このままでは、一部の野党議員が国会で質問するのみ、に終わるでしょう。 それでも、何とか、国会の場に於いて全野党で追及して欲しいものです。
ネットでも拡散しないと闇に飲まれてしまいます。
(参照)
「刑事問題になりかねない」――財務省による不当価格での国有地払い下げ問題で弁護士が指摘! 自由法曹団による「瑞穂の國記念小學院」現地視察後の記者会見~「極右学校法人の闇」第1弾 2017.2.15 IWJ
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/363428
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔opinion6520:170220〕
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