超危険・超汚染の再処理工場(青森・六ケ所村、茨城・東海村)が規制されずに「やりたい放題」の破滅的デタラメ(「三陸の海を放射能から守る岩手の会」他の奮闘に注目を!)
- 2017年 2月 21日
- 評論・紹介・意見
- 田中一郎
- 六ヶ所村再処理施設(日本原燃)が危険
- 東海村JCO臨界事故を忘れたか?
核燃料サイクル事業の中でも最も危険で最も汚い(大量の放射能を環境放出する)再処理事業の直近情報についてお知らせいたします。我が国の原発・原子力・核の問題における最重要事項として、下記の関連情報の熟読をお願い申し上げます。
核燃料サイクル施設の出鱈目に関しては、青森県では「なくそう原発•核燃、あおもりネットワーク」や「核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団」がしぶとく、かつ力強く頑張って下さっていますが、隣の岩手県でも、貴重な三陸海岸の漁業資源や環境を守るべく「三陸の海を放射能から守る岩手の会」(永田文夫さん代表)ほか複数の地元市民団体が奮闘されています。下記では「三陸の海を放射能から守る岩手の会」のHPなどをお借りして、いくつかの直近情報を皆様にお伝えします。中でも高レベル放射性廃液の危険性については、適切な表現が見当たらないくらいにウルトラ・クラスの重大性がありますが、それに反比例するかの如く、規制当局の怠慢と危機感の欠如、マスコミの不勉強と報道抑制、そして一般有権者・国民・市民の無関心が重なっています。このままでは危ないです。
<別添PDFファイル>
(1)(参考)再処理工場の放射能の量(「三陸の海を放射能から守る岩手の会」さん提供)
(2)東海再処理施設 廃棄物山積み、廃止 当面10年で2170億円(朝日 2016.12.1)
(3)東海再処理施設 現状は、放射性廃棄物のドラム缶 雑然(朝日 2016.12.5)
(4)東海村 再処理施設に懸念、原子力規制委(日経)
(5)核燃料サイクルの本当の話をしよう(澤井正子『科学 2014 5』)
(6)(別冊)TWO SCENE 再処理(原子力資料情報室 2016年春)
(7)東海再処理施設 廃止措置に70年、原子力機構が初の見通し(東京 2016.9.10)
(8)日本原燃㈱への質問事項(2017年2月13日)
(9)ウラン濃縮工場 不適切保管:原燃社内で虚偽報告か、対応途中で「完了」評価書(東京 2016.12.15)
(10)使用済み核燃料 再処理事業は中止できる(河合弘之 朝日 2016.9.10)
1.「三陸の海を放射能から守る岩手の会」HPから
「三陸の海を放射能から守る岩手の会」他が先月(2017年1月)、関係各省庁に要請書を提出しヒヤリングを行いました。下記はその録画であり、また関連資料です。必見必読ですので、じっくりゆっくりご覧ください。(原子力規制庁に「安全規制」する意思がない様子がうかがえます)
(1)20170127 UPLAN「六ケ所・東海再処理工場等に係る要請書(意見と質問)を中心に」 – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=HTluX14bYaM&t=3s
(関連)六ケ所・東海再処理⼯場等に係る要請書(意⾒と質問)(2017年1月27日)
http://sanriku.my.coocan.jp/170127yousei.pdf
(関連)天恵の海 NO.173:再処理関連省庁担当者との意見交換会、院内集会報告1(三陸の海を放射能から守る岩手の会 2017.2.13)
http://sanriku.my.coocan.jp/no.173.pdf
(関連)天恵の海 NO.174:再処理関連省庁担当者との意見交換会、院内集会報告2(三陸の海を放射能から守る岩手の会 2017.2.14)
http://sanriku.my.coocan.jp/no.174.pdf
(2)六ケ所再処理⼯場落雷による故障事故、その他に関する質問状(「三陸の海を放射能から守る岩手の会」他 2017年6月20日)
http://sanriku.my.coocan.jp/160620toJNFL.pdf
(関連)天恵の海 NO.168:六ヶ所再処理工場 落雷により主要建屋全て計測器被害 昨年8月2日夕刻(三陸の海を放射性から守る岩手の会 2016.8.28)
http://sanriku.my.coocan.jp/no.168.pdf
(関連)天恵の海 NO.169:六ヶ所再処理工場の放射性溶(廃)液貯槽等(三陸の海を放射性から守る岩手の会 2016.8.29)
http://sanriku.my.coocan.jp/no.169.pdf
(参考)(参考)再処理工場の放射能の量(「三陸の海を放射能から守る岩手の会」さん提供)
2.(報告)(2.13・14)核のゴミ並びに再処理事業に関する政府(関係各省庁)との会合 いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2017/02/post-f8cd.html
(関連)日本原燃㈱への質問事項(田中一郎 2017年2月13日)
ネット上に公開されている日本原燃の「会社概況書」を見ながら疑問だらけのこの会社の決算状況について質問をまとめました。私が見るところ、東芝を上回る巨大な粉飾決算であり、出鱈目の極致のような気がします。また併せて再処理工場に関して基本的な質問を付記しておきました。
(関連)(別添PDFファイル)ウラン濃縮工場 不適切保管:原燃社内で虚偽報告か、対応途中で「完了」評価書(東京 2016.12.15) http://www.asahi.com/articles/ASJDF5G6FJDFULBJ015.htmlhttp://www.asahi.com/articles/ASJDF5G6FJDFULBJ015.html
(関連)虚偽報告拒んだ社員、上司が従わせる 原燃が調査結果:朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/ASK1Z5S9XK1ZULBJ00H.html
3.再処理工場のPAZは0km(無し)・UPZは5km、こんなことはありえない=過酷事故が起きたら地域住民は死ねというのか!!
下記のパブリックコメントをご覧ください。再処理工場だけでなく、その他の核燃料サイクル施設や核施設などについても、信じがたいくらいに狭い範囲に避難区域を押し込めようとしています。(関連)パブリックコメント:意見募集中案件詳細|電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=198281010&Mode=0
(関連)ウラル核惨事 – Wikipedia(旧ソ連・マヤークにおける高レベル放射性廃液タンクの爆発事故です:田中一郎) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%A9%E3%83%AB%E6%A0%B8%E6%83%A8%E4%BA%8B
(関連)(メール転送です)たんぽぽ舎MGより
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┗■2.核燃料再処理施設の避難計画策定範囲は5kmでいいのか?
| 「原子力災害対策指針」改悪を許すな!六ヶ所が心配、JCO(1999年)臨界事故を忘れるな
| 原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その122
└──── 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
原子力災害対策が全く実効性がないことは各原発現地で確認され、再稼働反対の住民の声が高まっている。その原因は原子力規制委員会が発足直後に作成した「原子力災害対策指針」にある。にも拘らず、原子力規制委員会はこの指針をさらに改悪する。これを糾弾しよう。今、原子力災害対策指針の改定案がパブコメにかけられている(締切1月27日)。
「原子力災害対策指針の改正に伴う意見の募集について」
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=198281010&Mode=0
指針作成時に、実用発電用原子炉に対してPAZ(予防的防護措置を準備する区域)5km、UPZ(緊急時防護措置を準備する区域)30kmと決めたが、他の施設については仮決めであった(「(ⅱ)実用発電用原子炉以外の場合 実用発電用原子炉以外の原子力災害対策重点区域は、…見直しを行うべく、今後、原子力規制委員会において検討し、本指針に反映する。」)。
今回の主要な改定は次のとおり。
(1)原子力災害対策重点区域の範囲を、施設からの距離を目安としていたが、「危険性及び事故発生時の潜在的な影響度合いを考慮して設定」(距離を短縮)。
(2)実用発電用原子炉の廃止措置では重点区域(PAZ,UPZ)5kmに短縮。
(3)研究開発段階原子炉及び50MWより大きい試験研究用原子炉は8~10kmだったが、一律に5kmに短縮(UPZも)。
(4)再処理施設も5km(UPZも)。
これらにより、実用発電用原子炉の廃止措置やそれ以外の施設は総ての原子力災害対策重点区域を5km以内に短縮している、ここでは次の問題2点を指摘しておく。
年間最大再処理能力800トンで、100万kWの実用発電用原子炉の年30トンと比べて桁違いに多い。かつ、曲がりなりにも燃料棒を原子炉に閉じ込めている原子炉と違い、核分裂生成物を細かく切り裂き硝酸に溶かして処理をする為に環境に放出する放射能の量は1日で原発1年分。にも拘らず、PAZもUPZも5kmとはあまりにひどい。稼働が危険であるし、稼働させるならば原子力災害対策重点区域を拡大するべきだ。
1999年9月30日、JCO東海事業所の核燃料加工施設内で、ウラン溶液が臨界状態に達し核分裂連鎖反応が発生、この状態が約20時間持続。至近距離で中性子線を浴びた作業員3名中、2名が死亡、1名が重症となった他、667名の被曝者を出した。避難要請は、10km以内の住民10万世帯(約31万人)への屋内退避および換気装置停止の呼びかけ、周辺の県道、国道、常磐自動車道の閉鎖、JR東日本の常磐線、水郡線の運転見合わせなどの措置がとられた。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」原子力規制委員会の指針改悪を許してはいけない。
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4.(独)日本原子力研究開発機構の出鱈目
(独)日本原子力研究開発機構といよりも動力炉・核燃料開発事業団という旧名称の方がぴったり来ます。どうしようもない組織であり、どうしようもない連中です。(独)日本原子力研究開発機構は解体あるのみです。下記の記事にある東海村での核ゴミの出鱈目放置は、既に1997年に東海村再処理工場敷地内で関連施設が事故(火災)を起こした時にも問題となり、その当時はわざわざ予算措置までして適正化させた経緯があったそうです。
(1)東海再処理施設 廃棄物山積み、廃止 当面10年で2170億円(朝日 2016.12.1)
http://www.asahi.com/articles/DA3S12684278.html
(2)東海再処理施設 現状は、放射性廃棄物のドラム缶 雑然(朝日 2016.12.5)
http://www.asahi.com/articles/DA3S12691244.html
(3)東海再処理施設 廃止措置に70年、原子力機構が初の見通し(東京 2016.9.10)
http://www.asahi.com/articles/ASJ985QFSJ98ULBJ00D.html
5.「御用学者」の異常な審査 危険な「六ケ所」活断層:渡辺満久(東洋大学教授):FACTA ONLINE
https://facta.co.jp/article/201210022.html
6.その他の再処理関連情報
(1)核燃料サイクルの本当の話をしよう(澤井正子『科学 2014 5』)
(2)(別冊)TWO SCENE 再処理(原子力資料情報室 2016年春)
(3)東海村 再処理施設に懸念、原子力規制委(日経)
(4)使用済み核燃料 再処理事業は中止できる(河合弘之 朝日 2016.9.10)
http://lawyer-kawai.com/news/watashinoshiten_20160910.html
7.信頼できる必見・必読の関連サイト
(1)三陸の海を放射能から守る岩手の会 HP
(2)天恵の海 バックナンバー(「三陸の海を放射能から守る岩手の会」)
http://sanriku.my.coocan.jp/envr407.htm
(3)核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団
http://www5a.biglobe.ne.jp/~genkoku/
(4)なくそう原発•核燃、あおもりネットワーク:資料室
http://nakuso-gk.net/shiryou.html
(5)美浜の会
http://www.jca.apc.org/mihama/
(サイトの左側に再処理工場の解説サイトへのリンクがあります)
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔opinion6521:170221〕
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