「『瑞穂の國記念小學院』の敷地取得価格の怪」は、私欲を抑制出来なかった揚句の結果か?
- 2017年 2月 28日
- 評論・紹介・意見
- 熊王信之
瑞穂の國記念小學院に関わる疑惑を一点に絞り見詰めていますと、同學園設立・認定に至る道筋が、この一点に限り視線を集める不思議に気づきます。
どういう事か、と申しますと、「よどきかく」さん作成になる一覧表から観て、全てが整合性を持った學園設立と認定に向けたプロジェクトが動いているようであり、それは、まるで、バブル期に観られた大規模都市開発の様子に例えられるようなのです。
つまり、大都市開発等では、作戦実施のためにはまずコンサルに知恵を借り、一般的には、取引金融機関に資金面を相談の上で、各種行政手続を円滑に進めるために大物政治家の威光を得て行政手続前に各行政庁への挨拶廻りを済ませ、事前相談をすることになります。 大物政治家が背景に居れば、行政手続前に各種手続の調整が終わります。
行政庁では、各種分野が分立していますので、その壁を突破するには、総合的に調整可能な能力と「政治力」が必要であり、各行政分野にまたがる知識と担当部門の管理者との知遇を得ていることが必要です。 反社会的勢力等では、各行政分野が独立していますので相互監視機能に妨げられて目的を達成することが不可能ですから、どうしても総合調整力のある者が必要になります。 そして瑞穂の國記念小學院の設立と認定に向けては、その力の存在が顕著です。 当初からその存在は顕著です。
そして、學園敷地は、当初から豊中市の当該地に予定されていたようです。 登記情報に依ると、2012年7月1日に当該国有地を関空会社へ現物出資されたものが、2013年1月10日に錯誤を原因として現物出資を無効(所有権移転登記を抹消)とされています。 従って、2012年7月1日以後、2013年1月10以前に当該地を學園敷地とする予定で万事が進捗していたのでしょう。
つまり、国有地を賃借して学校用地とし、「大阪府私立小学校及び中学校の設置認可等に関する審査基準」を満たしているとする訳です。
(参照)
大阪府私立小学校及び中学校の設置認可等に関する審査基準
7 資産等
(1) 校地、校舎その他の施設は、自己所有であること。
(2) (1)にかかわらず、教育上支障がなく、かつ、次の基準を満たす場合に限り、借地を校地及び運動場とすることができる。
ア 当該借地の上に、校舎(倉庫等簡易な建物を除く。)がないこと。
イ 次の (ア)又は(イ) のいずれかに該当し、将来にわたり、安定して使用できること。
(ア) 20年以上にわたり、賃借権等を取得し、これを登記すること。
(イ) 借地の所有者が国、地方公共団体等の公共的団体であること。
特に、(イ)を御覧下さい。 お誂え向きでしょう? 自己資産に乏しい學園経営者が認可を得るためには、是が非でも、国、地方公共団体等の公共的団体から敷地を賃借する必要があった訳です。
因みに、この審査基準ですが、2012年2乃至3月に、大阪府は、「幼稚園を設置する学校法人が小中学校等を設置する場合でも、借入れを認める」とする、私立学校設置認可基準改正に関するパブコメを実施、意見無しとして4月に施行しています。 此処でも、所有資金が過少である処の學園認定に向けて「行政努力」が続けられている様が窺えます。
森友学園のためか 大阪「私立小設置基準」緩和に重大疑義 日刊ゲンダイ 2017年2月25日
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/200226
その後、各種審議会では疑問の声も出たようですが、審議会は、行政庁の隠れ蓑、乃至は、操り人形ですので、如何様にもなるのでしょう。
そのまま事態が推移すれば、全て順調であったことでしょう。 ただ一点、學園経営者の私欲がその均衡を破ったのかも知れません。
例のTBSラジオでの荻上チキ氏の直撃インタビューが、私には、自白のように聞こえます。
即ち、以下のとおり。
(参照)
「荻上:ということは金額がどれくらい安くなるかという確信なしに、買えるようになるだろうということで購入に変更したという事ですか?
籠池:買える金額になるだろうではなくて、例えば深いところからも出てきましたしね。浅いところからも出てきたと。それは、これはちょっとなんというのかな。工事の期間もかかるけどたくさん入っているかもわからないなというような気持ちが、気持ちというか第六感が働きまして、これはちょっと賃借料にしたらかなり安くなると。そうすると賃借料が安くなるということは購入させてもらえる金額に近づいてくるというのではないかということで、これも自分の第六感ですが、それだったらいくらになるかわからないけど国のほうが指し示してくれる金額で購入させていただきましょうかという風な感じを持ちました。」
【音声配信&抄録書き起こし】「大阪の学校法人への国有地払い下げ問題~森友学園・籠池理事長に荻上チキが直撃」(2月20日放送分)TBSラジオ
その後の経過は、押して知るべし、です。 その道の者ならば、知己の業者に声を掛けて、廃棄物処理の高額見積書をデッチあげて、強面の兵を数人連れて、相手に面会を申し込み、面談録音の無いのを確認した後に脅すでしょう。 何度も危ない仕事に手を染めた相手方は、その失策を誤魔化すのに必死なので、この段階での脅しは効くでしょう。
その日は、何時だったのか。 きっとこの日だ。
(参照 国会質疑)
「宮本議員「具体的に、いくつか聞きたいと思うんですね。
2015年9月4日、午前10時から12時の間、近畿財務局9階の会議室で、近畿財務局は、森友学園側と売買価格の交渉を行なったのではありませんか?」
(議場:どよめき)
佐川理財局長『今の、細かい会議の記録について、手元にございませんので、確認できてございません』」
【国会ハイライト】近畿財務局は森友学園側と売買価格の交渉を行なっていた――!? 共産党・宮本議員の「超弩級」の追及に近畿財務局は「交渉記録を廃棄した」と答弁!~「極右学校法人の闇」第20弾! 2017.2.26 IWJ
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/365368
「第六感」じゃ無くて、「確信」だったのでは無いのでしょうか。 私なら、そう思う。 その場合は、此処までも当初の目論見どおり、と言うことになり、學園の目論見のとおりにしてあげなさい、と言う大物の声が聞こえるようです
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion6537:170228〕
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。