安倍首相は森友学園幼稚園の思想刷り込み教育を本当に知らなかったのか?
- 2017年 3月 3日
- 時代をみる
- 醍醐聡
2017年3月1日
「安倍首相、日本を守ってください!」
とうとう、こんな録画が出てきた。園の行事のDVDを保護者に買わせていたのが次々と流出しているようである。
「昭恵夫人が涙 新映像入手」(03/01 20:40 FNN)
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00351247.html
「2014年4月、森友学園が運営する幼稚園で、園児たちが、『日本国、日本国のために活躍されている安倍晋三内閣総理大臣を、一生懸命支えていらっしゃる昭恵夫人、本当にありがとうございます。ぼくたち、わたしたちも頑張りますので、昭恵夫人も頑張ってください』と話すと、安倍昭恵夫人は『感動しちゃいました』と話していた。
子どもたちの言葉に、涙を見せる女性、安倍首相の妻・昭恵夫人。FNNは、2014年4月、昭恵夫人が、渦中の森友学園が運営する幼稚園を訪問した時の映像を入手した。その隣には、森友学園の籠池泰典理事長の姿もある。
籠池理事長 『中国から、なに? 言って』
園児 『中国から鉄砲とかくるけど、ぜったい日本を守ろう』
籠池理事長 『安倍総理大臣を応援してあげてくださいよ! 』
園児 『はい! 』
昭恵夫人 『ありがとう。おうちに帰って安倍総理大臣に伝えます。みんなを守りますように、みんながそう言っていたことを伝えます』
籠池理事長 『うれしいですか?』
園児 『はい! 』
籠池理事長の話は、さらに。
籠池理事長 『「日本を守ってください、お願いします」と、昭恵夫人にきちんと伝えてください』
園児 『日本を守ってくださいね』
昭恵夫人 『ちゃんと伝えます。ありがとう』
昭恵夫人は、満面の笑みを見せた。そして、子どもたちと集合写真を撮っていた。」
これでも「利用された」なのか?
「思想の刷り込み」を「しつけ」と捻じ曲げる安倍首相
安倍首相は2月17日の衆院予算委員会で、「妻から(籠池)先生の教育に対する熱意は素晴らしいと聞いている」と答弁したが、2月28日の参院予算委員会では、森友学園内の幼稚園について、「しつけ等をしっかりしているところに共鳴した」と発言をずらした。
しかし、昭恵夫人が、「ちゃんと〔主人に〕伝えます。ありがとう」という園児への約束どおり、家庭に戻って、夫・晋三氏にこの日の出来事、園児が唱和した「日本を守っている安倍首相」への感謝の気持ち、あるいは、「中国から鉄砲とかくるけど、ぜったい日本を守ろう」と園児に唱和を促した籠池理事長の「教育」ぶりを伝えたのなら、知っていたのは「しつけ」のことだけかのように安倍首相が答えたのは事実の歪曲である。
「中国から鉄砲とかくるけど、ぜったい日本を守ろう」、「日本国、日本国のために活躍されている安倍晋三内閣総理大臣』などと児童に唱和させるのが社会一般で言う「しつけ」に当たらないことは明白で、教育基本法が禁じた、偏向した「政治教育」であり、児童の精神的発達段階を顧みない「思想の刷り込み教育」である。
運動会の選手宣誓で、「尖閣列島 竹島 北方領土を守り」、「安保法制 国会通過 よかったです」などと意味も理解できない言葉を園児に唱和させるに至っては、「思想洗脳」教育であり、「日本を悪者として扱っている中国、韓国が心を改め」などと唱和させるのは、特定の民族を侮蔑するヘイト刷り込み教育である。
安倍夫妻がこうした運動会の様子までは知らなかったとしても、安倍夫人が自分の目の前で、理事長が園児たちを促して唱和させた言葉は「しつけ」ではない。安倍首相が上記のような唱和を昭恵夫人から伝え聞きながら、「知っていたのは『しつけのこと』と答弁したのであれば、虚偽答弁にあたる。
初出:醍醐聡のブログから許可を得て転載
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye3927:170302〕
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。