山城博治さんら3人の初公判メモ(仲宗根勇)Notes from the first court hearing with Okinawa activists Yamashiro, Inaba, and Soeda
- 2017年 3月 18日
- 時代をみる
- 「ピースフィロソフィー」
3月17日那覇地裁で開かれた山城博治さんらの初公判、元裁判官の仲宗根勇氏がフェースブックで公開した傍聴メモをここに紹介します。報道などできいたときのイメージと全然違うと思うのでしっかり読んでください。(これまでの経緯は「AERA」昨年12月19日に掲載された渡辺豪氏の記事、3月7日のローレンス・レペタ氏の毎日新聞の記事などを参照。)
山城議長らの那覇地裁での初回公判(2017.3.17)傍聴メモ
「山城博治さんたちの即時釈放を求める会」共同代表 仲宗根 勇
(起訴状に対する認否)
山城博治の弁論:5か月にわたる勾留と接見禁止のもとで、厚いガラスごしに弁護士としか話せず、裁判に臨む意見交換も準備もできない不当な処遇に憤りを表明する。新基地を作らさないという沖縄の戦いは不滅であり不屈である。沖縄は権力による不当な弾圧には決して屈しないであろう。
起訴状記載の傷害・公務執行妨害の点について:沖縄防衛局の作業は違法なものであり、保護に値する正当な公務ではない。わたしは暴行もしてないのでしたがって傷害も与えていない。また、他との共謀の事実もない。高江における警察官の暴徒化はひどいものであった。
起訴状記載の威力業務妨害罪の点について:ブロックを積んだことは争わない。しかし、これは本土から派遣された機動隊のあまりに過剰な違法警備・暴力が始まったために止むを得ず行った、憲法で保障された表現行為である。1月28日から30日までの特定の日の行為を切り取って起訴したことも納得できないし、ブロックは「威力」にあたらず、ブロックは機動隊が片付けた後、工事車両はゲート内に入っており、沖縄防衛局の業務の妨害もしていなかった。
起訴状記載の器物損壊の点について:線を切ったことは争わない。
稲葉博の弁論:名護署や検察官の取り調べで「お前たちは基地反対なら何をしてもいいのか」と何度も言われた。「何をしてもいいのか」とは政府に対して言うべき言葉だと思う。全ての選挙で「オール沖縄」の新基地反対候補が勝利し沖縄の反対の民意ははっきりしました。しかし、政府は工事を問答無用で強行しました。わたしはヨーロッパで長く暮らしたこともありますが、こんなことは沖縄以外ではありません。日本は本当に民主主義国と言えるのか。
ブロックを積んだ前年は海上保安官のカヌーや抗議船への暴力はひどいものでした。海保のボートに引きずりあげ首を絞めたり海に落とされたり映画監督が馬乗りされたりしました。
機動隊が本土から来た2015年11月頃からの暴力の無法ぶりは激しさを増し、たくさんの人があばら骨を折られたり、けが人が多数救急車で搬送されたりしました。機動隊の指揮者が我々のことを「犯罪者」呼ばわりもしました。機動隊に一日になんども排除されて、椅子がわりのブロックをだれかが置いて参加者全体が置き始めた。1個では安いブロックは全国からも高い郵送料を払って送られて来ました。工事を少しでも遅らそうと参加者みんなが積み上げたのです。
このブロック、つまり石は我々の抗議の意思です。このようなことは沖縄だけにおいて起こっている。沖縄に民主主義はないのか。
正義は我々にあります。
国には4つの大罪があると思う。
一つ目は民主主義、地方自治を踏みつけて基地建設をを強行して いること
二つ目は沖縄の生活環境を破壊していること、ヘリの爆音やオスプレイの墜落などではっきりしています。
三つ目は自然環境の破壊行為です。大浦湾の多様性に富んだ海の 生態系を壊す危険やサンゴ、やジュゴンへの影響は明らかです。
四つ目は作ろうとしているものが、200年の半永久的な戦争のための軍事基地ということです。
添田さんの弁論:起訴状記載の傷害・公務執行妨害の点について
わたしは、そのような行為は一切しておりません。
(なお、添田さんについての事件は分離された。山城さんたちの事件とは別個に審理されることになる)
(以上)
初出:「ピースフィロソフィー」2017.03.17より許可を得て転載
http://peacephilosophy.blogspot.jp/2017/03/notes-from-first-court-hearing-with.html
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔eye3956:170318〕
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