安倍内閣の支持率はなぜ高いのか(7) ―トランプをアメリカ人より好きな安倍晋三―
- 2017年 5月 5日
- 時代をみる
- 半澤健市安倍
朝鮮半島を巡る軍事的・外交的緊張が続いている。メディアは連日「一触即発の危機」をトップで報じている。北の「挑発」に対して米・韓・日が「牽制」で対応している。これがメディアの見た構図であり、日本政府、国民の大勢も同じ認識である。
《挑発と牽制はだれが決めるのか》
果たしてそうだろうか。
構図の実体は逆である。北朝鮮が空母中心の艦隊を米本土の首都や商都の近海に派遣展開しているのではない。世界最強の米海軍部隊が朝鮮半島の周囲に展開しているのだ。米側のいう北の挑発は、たかだか、ミサイル発射と国内での砲撃訓練―テレビは加工映像だと報じている―である。
お前は平和ボケかと思う人は、韓国大統領選挙で対北宥和派が優勢であることをどう考えるのか。1950年に勃発し3年続いた同胞間戦争の悲劇を、韓国国民は誤った代理戦争として、改めて熟慮するのではないか。これが私の希望的観測である。
《日本を護る米軍をなぜ日本軍が護るのか》
海上自衛隊による米艦「防護」は私に初耳であった。
少なくとも、戦争法案―政府は「安保関連法」という―の審議過程でこれは大きな争点ではなかった。私はそういう理解だった。海自に出来て、空自・陸自が出来ないことがあろうか。今は後方支援と言っているが、空陸海三軍―いずれ日本にも海兵隊ができる―が米軍の尖兵としてグローバルに動員されることになるだろう。日米両軍の一体化は、日米ガイドライン・2+2・特定秘密保護法・安保関連法のもとで、「黒塗りの世界」が予想より早く進んでいるのである。
《米国人42%に対する安倍晋三の100%》
就任一カ月で米大統領の支持率は42%である。史上最低という。
ゴルフクラブを土産に、先進国首脳で一番乗りをしてトランプに会い、「信頼に値する人物」と言ったのは、日本の首相である。安倍晋三は、アメリカ人より深くトランプを愛しているのである。
内閣閣僚の妄言や醜聞を「気のゆるみ」と考える我々は優しい国民である。日本人はいつから「優しさ」と「愚かさ」を区別できなくなったのか。内閣支持率は、依然として50%台の高水準で推移している。(2017/05/01)
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