「国有地低額譲渡の真相解明を求める弁護士・研究者の会」ホームページ開設のお知らせ
- 2017年 5月 11日
- 評論・紹介・意見
- 澤藤統一郎
本日は、表題の「会」ホームページ開設のお知らせと、幾つかのお願い。
「国有地低額譲渡の真相解明」とは、言わずと知れた「アベ友」学園事件の隠された真相を明るみに出して、解明しようということである。「アベ友学園事件」は、憲法問題でもあり、教育問題でもあり、行政の説明責任や情報の管理と開示の問題であり、行政の中立性の問題でもある。また、政治と行政の関係のあり方をめぐる問題でもあり、さらには地方教育行政の独立性の問題でもある。
「真相解明の会」は、多面的なアベ友学園問題を「国有地低額譲渡の真相解明」の一点において、徹底して追及しようとの趣旨で結成されたものである。当初は、「安倍晋三記念小学校」と首相の名を校名に冠し、首相の妻が、名誉校長に就任して広告塔を務めた小学校。まさしく、首相夫妻とズブズブの関係にあったその学校の敷地が、常識では考えられない「特例」の待遇を受け、「国有地(超)低額譲渡」の対象となった。どのような経過で、なにゆえに、国有財産処分をめぐってこのような理不尽きわまる事態が出来したのであろうか。その真相の解明から、この社会の深層の風景が見えてくるのではないだろうか。このような不合理に、国民は主権者として怒らねばならない。けっして、これをうやむやのうちに放置してはならない。
この会の実務は、阪口徳雄君を筆頭とする大阪の弁護士諸君と上脇博之さんら関西の学者のみなさんが担ってくれている。このほど、立派なホームページが立ち上がった。
その目玉は、関連事実の詳細な「年表」である。そして、公益通報(内部告発)の呼びかけや専門情報の提供のお願いなど。幾つかの記事を引用してご紹介し、ご協力をお願いしたい。
ホームページのURLは下記のとおり。
http://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/
「設立の趣旨と入会のお願い」
http://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/purpose/
近畿財務局は、2016年6月、学校法人森友学園に対し、小学校用地として国有地を、鑑定価格9億5600万円からごみ撤去費8億1900万円などを差し引いた1億3400万円で売却しました。
国会の審議を経た現在でも、ごみ撤去費用に関する算定資料の欠如や交渉経過の記録廃棄等、なぜこの低額譲渡がなされたかの真相は極めて不透明なままです。また、安倍首相はじめ政府の関係閣僚や官僚らは、野党が求める調査や証人喚問を拒否したり、あたかも事実を隠蔽するかのような答弁に終始したりし、多くの国民を納得させる説明がなされていないのが現状です。
このままでは国有地が異常に低額で売買された事実はうやむやにされそうであるとの「危機感」から専門家として何かできることはないかと話し合う中で、できることは何でもしようと「国有地低額譲渡の真相解明を求める弁護士・研究者の会」(略称「真相解明の会」)を結成しました。この会では
1.当面は「真相解明の会」の入会の賛同の呼びかけの呼びかけと同時に近畿財務局長に中立、公正な第三者による調査委員会の設置などの要求
2.今後、専門家として本件事件の真相解明についての調査と研究
3.多数の弁護士・研究者が自ら刑事事件として告発など
4.多数の国民が参加できる要請・告発などの呼びかけ
5.その他専門家としてできる行動はすべて行う
との方針で結成しました。
ぜひ、弁護士・研究者の各位の賛同のお願いをする次第です。
(呼びかけ人代表) 阪口徳雄(呼びかけ人) 豊川義明、大江洋一(以上大阪)、村山晃(京都)松岡康毅(奈良)、梓澤和幸、澤藤統一郎、児玉勇二、山下登司夫、中山武敏、宇都宮健児(以上東京)、野上恭道(群馬)、郷路征記(札幌)、渡辺輝人(京都)、小林徹也、由良尚文、愛須勝也、菅野園子、白井啓太郎、岩佐賢次(以上大阪)
宛先:Email:sinsokaimei@yahoo.co.jp
弁護士 岩佐賢次宛 FAX06-4302-5159
*管理の都合上、なるべく電子メールでの送信をお願いいたします。
1 「弁護士・研究者の会」に
①入会する。 ②入会しない。
入会する場合、氏名の公表は①可 ②不可
2 第三者調査委員会の要望書に
①賛同する。 ②賛同しない。
賛同する場合、氏名の公表は①可 ②不可
3 近畿財務局の職員を背任罪で告発する場合、告発人に名を連ねることは
①可 ②告発状の中身が決まった段階で積極的に検討したい。③不可
【氏名】漢字( )読み仮名( )
【連絡先メールアドレス】( )
【送付先住所】(〒 )
【電話番号】( )
【FAX番号】( )
【弁護士の方】単位会( )弁護士会、修習( )期
【研究者の方】所属( )役職( )
【メッセージを一言】( )
公益通報(内部告発)の呼びかけ
http://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/yobikake/
本問題は安倍官邸が近畿財務局において「適正」に処理したという国民世論を無視した態度で真実の情報の大半が隠蔽されたままで「うやむや」に終わらせされようとしています。しかしこの問題には多くの関係者が関与し、真実または真実の周辺事実を知っているとおもわれます。
・近畿財務局、大阪航空局の職員
・大阪府の職員
・学校法人森友学園の関係者
・地中埋設物の撤去、小学校の建設に関係した従業員または下請けの関係者
・安倍昭恵夫人に付き添った中央省庁の役人の周辺の関係者
公益通報者保護法は事業者が隠蔽工作を行っている場合は外部通報をした者に不利益取り扱いをしてはならないことになっています(法第3条3号ロ・第5条1項、2項)
なお、この公益通報(内部告発)を担当する本会の代表の弁護士阪口徳雄は公益通報者保護法の制定前に「公益通報(内部告発)支援センター」を大阪の弁護士らで結成した時の事務局長として、多数の公益通報者の相談・受理にのって来た経験を有しています。(新聞記事参照)この代表の下で守秘義務を有する弁護士5名が特別この回の公益通報(内部告発)を受理して相談することになりました。
通報者の一切の秘密を守ります。
公益通報(内部告発)に当たっての留意点
1.通報先の住所(〒541-0041大阪市中央区北浜2-1-5平和不動産北浜ビル4階弁護士阪口徳雄宛)
メールアドレス「sinsokaimei@yahoo.co.jp」
FAX06-6223-5202(弁護士阪口徳雄宛)
2.メール、FAXで通報される場合は勤務先のアドレス、FAXを使わないこと。Webメール、自宅のPCなどのアドレスを使うこと
3.最初の通報には ☆通報者の知っている情報の概要 ☆関係先(それを通報すると個人情報が判る場合は省略して頂いても結構です)がわかればよく、氏名、詳細な通報ではなくてもかまいません。メールの場合は弁護士の方からメールの場合は連絡します。もし必要な場合は面談させてもらいます。但し手紙、FAXの場合は通報の場合は通報者と連絡を取りたい時のためには、氏名、連絡先を書いて頂かないと連絡ができませんのでよろしくご協力のほどお願いします。
4.形式は問いません
本件に関する専門情報の提供のお願い
今回の低額売買については地中埋設物が地下9メートルまでありその撤去費用などが8億円と高額な試算をして土地鑑定価格から控除しています。このような手法に極めて疑義があります。
・地中埋設物の調査。積算方法についてのコンサルの方かまたはゼネコンなどの業務に従事している方でそれが判る方
・国、自治体の積算関係の業務に従事されている方で今回の8億円の積算の仕方に批判、疑問のある方
・その他、今回の森友学園への低額売買などに関して専門的な見地から批判、意見がある方
などの情報も是非お願いします
森友学園問題年表(関連情報を含む)
http://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/moritomogakuen-mondai-nenpyou/
森友学園問題の年表について
「国有地低額譲渡の真相解明を求める弁護士・研究者の会」では、その結成前から、国有地が低額で「森友学園」に払い下げられた問題について、マスメディアの報道した情報や私たちが入手した関係資料の情報を参考に、エクセルで年表を作成しました。
この年表では、主に
1.近畿財務局などの国
2.大阪府私学課などの大阪府
3.安倍晋三首相と昭恵夫人など国会議員
4.籠池泰典夫婦など森友学園
という主体ごとに、国有地の払い下げ等の事項、または、それに関連する事項をまとめています。
また、時期として、
1.森友学園が小学校建設のための国有地を探し始めるまでの時期、
2.森友学園が国有地を探し始めた頃以降、払い下げを受けるまでの時期、
3.森友学園が国有地の払い下げを受けた以降、現在までの時期
という3つの時期の順番で、上記事項をまとめています。
以上のように森友学園問題につき主体別に、かつ時系列で、直接・間接に関係する事項を把握しやすいように年表にまとめました。
情報公開請求をしていますので、それが開示されれば、今後、情報を追加します。また、まとめた年表情報に誤記・誤認があれば、指摘いただければ、情報を訂正します。さらに、この年表に漏れている情報につき皆様から提供があれば、その情報を加筆します。
この点での皆様の協力をお願いします。(引用終わり)
国有財産とは、政権の財産でもなければ、首相の財産でもない。飽くまで国民の財産である。これを、首相とズブズブの関係にある者、首相の歴史修正主義や右翼思想に共鳴する者に対し、あるいは首相の後ろ盾があるとの忖度される者に、ただ同然で払い下げられてよかろうはずがない。
いま、アベ友学園疑惑追及の火勢を消してまわろうとする意図的な動きを感じざるを得ない。ぜひとも、多くの人の、熱意と情報をご提供いただきたい。
(2017年5月10日)
初出:「澤藤統一郎の憲法日記」2017.05.10より許可を得て転載
http://article9.jp/wordpress/?p=8534
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion6664:170511〕
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。