SJJA&WSJPO【西サハラ最新情報】210 世界一大金持政府と世界一貧乏難民政府
- 2017年 5月 19日
- 評論・紹介・意見
- サハラ平田伊都子西サハラ
ホワイトハウスのメールが、世界一大金持ちトランプ大統領ご一行の初外国旅行予定を伝えてきました。 ファーストレデイー・メラニア夫人の全コース同伴は、華やかに楽しくなりそうです。 が、娘夫婦を始め、ホワイトハウスの主要スタッフたちがこぞって同行するのは、ダサいよね、、 ホワイトハウスを非難の集中豪雨が襲っている今、誰が留守を守れるのでしょうか? 大統領ご一行が帰ってみたら、、新大統領がお迎え、、なんてことにならないように、、、ボン・ボヤージュ!! 一方、世界一貧乏な西サハラ難民政府は、ラマダン断食月を目前に控え、食料不足を世界に訴えています、、 これも格差?
(1)デンマーク赤緑連合党大会に招待される:
2017年5月12日から14日にかけて開催された<赤緑連合党の年次大会>にポリサリオ戦線・西サハラ難民政府が招待された。西サハラ難民政府デンマーク代表のアッバ・マライニンは、大会に参加していたデンマークの政治家や外国の代表たちに会い、西サハラの状況を説明し、改めて西サハラ難民に対する食料援助を要請した。デンマークは、西サハラ独立を目指す西サハラ民族自決権と、西サハラ人の西サハラ天然資源所有権を認めている。ヨーロッパでは、スウェーデンに次いで西サハラ人の権利を強く支援し続けてきた。
(2)西サハラ難民政府ドイツ代表 ハビブ・ケンタウィー:
5月14日、アリイアン・ハビブ・ケンタウィーが、西サハラ難民政府ドイツ代表に任命された。数回、来日したケンタウィーは日本西サハラ友好議員連盟の礎を創り、インドやアフリカ諸国で西サハラ難民政府大使を歴任した。スウェーデンでも大使として西サハラ国家承認を訴え、議会を通過させ政府の容認を待つところまでこぎ着けた。ケンタウィーの外交手腕は高く評価され、西サハラ難民政府はドイツに彼を送り込んだ。グテーレス国連事務総長が西サハラ個人特使に元ドイツ大統領ホルスト・ケーラーを指名したからである。西サハラ難民政府はヨーロッパ諸国との外交活動拠点を、ドイツに絞ったようだ。ドイツには、移民難民に優しいメルケル首相もいることだし、、ケンタウィーがひょこっと日本に現れるのも間近かな?楽しみですね、、
(3)国連WFP(世界食糧計画)が西サハラ難民食糧支援を50%削減:
「慢性栄養失調の西サハラ難民たちは、基本的な食料の不足と食料援助削減に悩まされ続づけている。これから断食月ラマダンが、一か月間続こうというのに、財源難のWFPは、6月西サハラ難民食糧援助を半分に削減しなければならない。WFPは資金拠出国に対して、7,900,000 US$ の緊急援助を求める。資金不足は西サハラ難民たちの、特に幼児や妊婦たちの生命に危険をもたらす」と、2017年5月13日、WFPアルジェリア支部代表ルマイン・シルイスが首都アルジェで緊急記者会見で訴えた。
2017年の断食月ラマダンは5月27日から6月26日までと、予測されている。その間、陽のあるうちは、イスラム教徒に対して、一切の飲食を禁じている。「どうせ食べられないんだから、食料援助が半分になってもいいじゃん、、」と思うのはラマダン無知で、ラマダン期間中の方が食料消費量は多いのだ。何故だ?考えてみよう、、
ちなみに、WFPは西サハラ難民に対する食料援助を、1986年から続けている。食料が
アルジェリアの港に入り西サハラ難民に分配されるまで、国連WFP(世界食糧計画)とUNHCR(国連難民高等弁務官)事務所のスタッフが監督監視をしているのは、いうまでもない。
(4)また、拿捕されたモロッコのリン鉱石輸送船:
2017年5月17日夜、パナマ運河でモロッコ占領地・西サハラから積み出されたリン鉱石輸送船が拿捕された。モロッコが盗掘したリン鉱石を運ぶ輸送船が拿捕されたのは、これで2隻目だ。一隻目はニュージーランドに向かう盗掘リン鉱石輸送船が、南アフリカで拿捕された。一隻目の裁判は5月18日に、南アフリカで行われる予定だが、、
今回拿捕されたデンマーク船会社の<ウルトラバーク>はモロッコ占領地・西サハラの首都ラユーン港から、モロッコが盗掘したリン鉱石55.000トン(6,000,000$)を船積みして、パナマ運河を通過しカナダのバンクーバーに向かおうとしていた。パナマ運河の税関が、「占領地でモロッコが盗掘したリン鉱石は、密輸品に相当する」という嫌疑で臨検した。
国連と国際司法裁判所は西サハラを、<不確定地域><モロッコの占領地>と規定している。国連司法関係者もEU法務局も、モロッコ占領地・西サハラの天然資源は西サハラ住民のもので、モロッコを始め他国は手を付けてはいけないと封印をしている。
モロッコ盗掘リン鉱石輸送船の南アフリカに於ける拿捕事件を、国連報道室で問いただしたのは、西サハラ最新情報209号でご紹介したマチュー・リー記者でした。 リー記者とは電話やメールでの交信を始めました。 が、これまで国連報道官から発言を無視されてきた習い性で、リー記者はとにかく早口の英語でまくしたてます。 ある米ラジオ番組のキャスターも、「もっとゆっくり」と、クレームをつけていましたっけ、、 お願いしますよ、こっちは英語ネイテイブじゃないんだから、、 何言ってんだか、分かんないよ! リーさん!!
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2017年5月19日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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