都議選・自民党の歴史的大敗はアベ政治の墓標だ。
- 2017年 7月 3日
- 交流の広場
- 澤藤統一郎
都議選の開票が進んでいる。
自民党は、歴史的大敗である。負けたのはアベ様ご一統。「アベのアベによるアベのための政治」あるいは、「トモダチのトモダチによるトモダチのための政治」に、国民の批判が沸騰した。都民は国民を代表して、アベ自民に「ノー」を突きつけたのだ。
前回59人の立候補者全員を当選させた自民が、今回選挙では23議席。マイナス36議席。アベ政治の完敗であり惨敗であり総崩れであり、凋落というほかはない。
アベ政治は、株価に支えられた政治との思い込みがあった。財政を株式市場に投じて無理矢理株価を上げて景気の高揚を演出することで、虚構の支持率を保持している底上げ政権。いずれ株価の下落とともに、アベ政治も終わるであろうはかない運命。しかし、裏を返せば株価が下落ぬかぎりは、しぶとく命脈を保つ政権ということでもある。
それが、株価の下落より先に、アベ自民が大逆風に見舞われたのだ。自業自得とはいえ、この現実は予想をはるかに超えるものとなった。
これまでも、世論調査での安倍政権支持の理由は「ほかよりマシだから」。消極的支持でしかなかった。少しのきっかけで、驚くべき奔流が堤防を決壊させる。
これは、アベ自民にお灸というレベルではない。国民がアベ自民を見限ったというべきだろう。「謙虚に選挙結果を受けとめる」のなら、アベ退陣しかあり得ない。
選挙期間の最終日、初めて安倍晋三が秋葉原の街頭演説に顔を出して、盛大な「帰れコール」を浴びた。そして「アベやめろろ」コールも沸き起こった。これがこの選挙のハイライト。状況を象徴するできごと。
安倍の応援を受けたのが、千代田区(定員1)自民公認の中村あや候補。みごと大差で落選している。アベの応援は、足を引っ張るだけだったようだ。
その中村のツィッター。開票前と後。
「最終日午後は秋葉原にて安倍総裁はじめとした多くの国会議員の先生方から激励をうけ、最後の思いを述べさせていただきました。その後マイク納めし、夜は半蔵門駅で最後のご挨拶。選挙戦、悔いはございません!皆様明日は投票へ! 」
「先程の会見でお世話になった先生方に恨み節を言ったかのような変な切り取られ方をしましたが、反論します。”今の国政どう思うか”という質問の答えの中で”…党問わず公人なら国民の代表者としての意識をもたなければならない。…脇が甘い”と言っただけで敗因を押し付けたりしていません。」
「脇が甘い」とはよく言った。しかし、アベ様ご一統、脇が甘い程度ではなかったのだ。
それにしても、都民ファーストの会の票の出方には驚く。風は恐い。明日はどちらに吹くのやら。
共産党が、都ファに埋没せず、前回17議席を今回19議席に増やしたことは欣快の至り。
我が文京区(定数2)の開票結果は、以下のとおり。
当 増子博樹〈元〉 42,185票 43.96% 都フ
当 中屋文孝〈前〉 26,997票 28.13% 自民
次 福手裕子〈新〉 26,782票 27.91% 共産
共産候補は200票差での次点。28%の得票率での落選。
最大の関心事は、この選挙結果が改憲策動にどう影響するかという点。レームダック同然のアベの号令で、自公連立が改憲を急ぐなどということは常識的にあり得ない。また、沖縄の県民いじめに居丈高となることもできまい。
残念な面も多々あるものの、ひとまずは胸をなで下ろした開票結果。
(2017年7月2日)
初出:「澤藤統一郎の憲法日記」2017.07.02より許可を得て転載
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