SJJA&WSJPO【西サハラ最新情報】230 ケーラー国連事務総長個人特使、西サハラ視察開始
- 2017年 10月 16日
- 評論・紹介・意見
- サハラ国連平田伊都子西サハラ
2017年10月15日、ホルスト・ケーラー国連事務総長西サハラ個人特使が、やっと現地視察を開始しました。 ケーラー個人特使がグテーレス国連事務総長から個人特使の指名を受けたのは、4月21日のことです。 世界は毎日目まぐるしく動いているのに、ケーラーは国連に入れてもらえなかった、、モロッコが例によって通せん坊をしていたからです。 ケーラーが国連のオフィスに入れたのは、4か月以上も経った9月8日のこと、、その間、オフィスの人件費も諸経費も、国連分担金が賄っていたわけですよネ? 時々、国連報道室で、国連事務局内部の不明な出費や不正な人事が追及されていますが、国連報道官はのらりくらり、、 報道官は秘密主義の超お利口さんです。 僭越ながら国連報道官に代わって、ケーラー出発までの推移を、報告します。
ホルスト・ケーラー国連事務総長西サハラ個人特使、元ドイツ連邦大統領
(1) 「住民投票は死んだ」? オマル・ヒラル・モロッコ国連大使:
2017年10月10日、ヒラル・モロッコ大使が国連脱植民地化第4委員会で、「住民投票は死んだ」と、発言した。西サハラ住民投票は国連が提案し、25年を経た今も施行されていないとはいえ、反対するモロッコの説得に努めてきた、国連の権威をかけた住民投票なのだ。国際社会の誰もがその死を認めていない中でモロッコが「死んだ」というのは、「モロッコが殺した」ことを自白しているようなものだ。「国際社会の決め事を殺すこと」は、国際法を犯す重大犯罪だ。即刻、ICC(国際刑事裁判所)に告訴して欲しい。
また、「住民投票は死んだ」という発言は、「国連は死んだ」と言われているのに等しい。なぜ、国連は反発しないのか?モロッコの反国連西サハラ住民投票キャンペーンとして、許すつもりなのか?「UNESCO脱退」と、大手スポンサーのアメリカに蹴られても、しっかり蹴り返せない国連って、、何なの?
(2) マチュー・リー記者 VS ステファン報道官:
言われっぱなし蹴られっぱなしの国連を、追及し続けているのがマチュー・リー。インナー・シテイ―・プレスを主催するジャーナリストだ。10月11日の国連報道室での、マチューとステファン国連報道官のやり取りを紹介する。
質問(マチュー)「第4委員会でオマル・ヒラル大使が二つの事を言った。彼は、ホルスト・ケーラーが次週(10月16日に始まる週」に該当地域を視察することを明かし、日時も明らかにした。さらに彼は、<住民投票は死んだ>と言及した。名称が示しているように、この視察団はMINURSO‘(国連西サハラ住民投票監視団)の任務を担っている、、国連は<住民投票は死んだ>という認識をもっているのか?」
応答(ステファン)「これは新国連事務総長個人特使が行う恒例の視察だ。(日程が)確定次第、お報せする。大使の発言にコメントはしない。視察団は国連安保理の命令に従い、使命を全うするのみだ」
しかし、国連報道官は視察スケジュールを週末の10月13日までに、国連報道室では発表しなかった。プレスなんて馬鹿にしてるんだ。
(3)ホルスト・ケーラー国連事務総長西サハラ個人特使、行動開始:
「ホルスト・ケーラー国連事務総長西サハラ個人特使は、恒例公式視察に出発する。特使は40年以上の西サハラ紛争に決着を付けるため、2017年9月8日に就任した。アルジェリアやモーリタニアでの聞き取りの前に、日曜日(10月15日)にはモロッコ首都・ラバトに立ち寄る」と、10月14日に南アフリカ・ニュースが明かした。
「ホルスト・ケーラー国連事務総長個人特使は10月18日から19日まで、西サハラ難民キャンプを訪問する」と、10月13日にアルジェリア首都・アルジェの駐アルジェリア西サハラ難民大使が発表した。アハメド・ブハリ国連西サハラ難民代表は10月11日に国連で、「西サハラは、5年間も暗礁に乗り上げたままの両当事者(西サハラとモロッコ)交渉再開が目的の、ケーラー個人特使の当該地域訪問を全面的に支持する。我々の立場は、民族自決権に基ずく国連とアフリカ連合の<脱植民地化>にある」と、明言した。
ホルスト・ケーラー国連事務総長西サハラ個人特使(74)は、経済家で、2000年から2004年3月まで 国際通貨基金 (IMF) 専務理事を務めた。2004年7月から2010年5月までドイツ連邦大統領を務めた。2005年4月4日に来日し、<日本におけるドイツ年>を宣言した。第二次世界大戦のドイツ責任をドイツ連邦議会で訴え、良識ある政治家として評判が高い。
国連は秘密主義だけど、スパイが楽しく公に動き回っているテーマパークでもあるのだから、情報は漏れるのです。 「10月24日午後4時30分(ニューヨーク時間)、国連安保理で、ホルスト・ケーラー国連事務総長西サハラ個人特使が西サハラ視察報告」と、国連安保理は10月メニューに載せています。 それ以上のことはまた、情報をかき集めてお報せします。
では、 ホルスト・ケーラー国連事務総長個人特使さん、
ボン、ボヤージュ!
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2017年10月16日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion7035:171016〕
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。