本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(175)
- 2017年 12月 1日
- 評論・紹介・意見
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天爵と人爵
四書五経の一つである「孟子」に「天爵修めて、人爵これに従う」という言葉があるが、このことは、「天爵」という「天の位」、すなわち、「精神的な成熟度」が上昇すると、「人爵」という「この世における地位や名誉」などが後から付いてくるという考えのことである。しかし、実際の世の中においては、「北朝鮮の金正恩氏」のように、「天爵」と「人爵」が、大きく乖離したケースが頻繁に見られ、私自身も、この点に、長年、悩まされ続けてきたのも間違いのない事実である。
そのために、「天の位」と「地の位」について、それぞれ「10段階のスケール」を当てはめながら、個別の具体例を、いろいろと考えると、興味深い事実が浮かび上がってきたようにも感じている。具体的には、「金正恩氏」の場合、「天の位」については、「現代人の平均レベルである、3程度の段階」に位置しているものと思われるが、一方で、「地の位」については、「北朝鮮という国家の代表」であるために、「7程度のレベル」に位置しているようにも感じられるのである。
つまり、「人爵」が、「天爵」を上回っている状況であり、この時に発生する「想い」は、「自分の地位を保つために、どのような行為も実施すべきである」というものであり、その結果として、「自分の敵対者を排除、粛清し、自分の味方だけを集める」という行為に繋がりやすくなるものと思われるのである。そして、「金正恩氏」は、この通りの行動を取っているようだが、本来は、「帝王学」という「宰相が学ぶべき教えや考え方」を理解し、「天の位」を挙げることが求められているものと思われるのである。
このように、現在では、実に理不尽と思われる現象が、世界各国で発生しているようだが、この点については、「人類全体の天爵が上昇するために必要不可欠な出来事」とも考えられるようである。具体的には、「約6000年前」の「お金の発明」、「約4000年前」の「文字の発明」、そして、「約2000年前」の「キリストや釈迦の誕生」などのことだが、実際には、これらの出来事により、「人類全体の天爵」が、徐々に、上昇したようにも感じられるのである。
そして、今回は、「西暦2000年前後」という「時代の大転換期」、すなわち、「西洋から東洋への文明移行期」に遭遇しており、この時に、「人知では理解しがたい、神の計らい」が働いているようだ。つまり、「金正恩氏」の出現にも、何らかの意味が存在する可能性のことだが、この点については、間もなく、理由が判明するものと考えている。(2017.11.01)
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パラダイムシフトと創造的破壊
現在は、典型的な「パラダイムシフト」が起きているようだが、具体的には、「その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観などが革命的にもしくは劇的に変化する状況」のことである。別の言葉では、「文明法則史学」が教える「西洋から東洋への時代転換」であり、実際のところ、「この法則でしか、現状説明ができないのではないか?」とも考えている。
そして、このような「時代の大転換」の原動力となったのが、「マネーの大膨張」であり、この点については、「1600年前」の「西ローマ帝国の崩壊時」と同様の展開となっているようだが、大きな違いとしては、「飛躍的な技術革新」が指摘できるようである。つまり、「自然科学の分野」において、「ニュートンの万有引力の発見」以来、過去300年間で、劇的な進化が達成されたからである。
しかも、今回は、新たな「産業革命」とも言える「IoT」や「AI(人工知能」」などにより、私自身が危惧していた「マネーの縮小による、地方への人口移動」も解決できるものと考えている。つまり、今までは、「マネーの大膨張」や「通貨への信頼感向上」などにより、「多くの人々が、富を求めて大都会へ移住してきた」という状況だったが、今後は、反対に、「大インフレによる、マネーの縮小」や「都会に住みづらくなった人々が、地方へ分散を始める状況」を考慮していたのである。
そして、現在では、「国家財政の行き詰まり」や「先進各国の中央銀行による出口戦略」などにより、「私の想定する事態へ、日々刻々と近づいている段階」とも考えているが、一方で、このことは、「シュンペーターが提唱した、創造的破壊を意味するのではないか?」とも感じている。別の言葉では、「マネーの大膨張と、その後の大収縮」が、「技術革新」を生み出し、また、「古い時代」を壊す可能性のことだが、このような観点からは、今後、極めて効率的、かつ、生産的な社会の到来も予測できるようである。
具体的には、「自動車の自動運転」や「無人トラクター」、あるいは、「その他の、さまざまな技術革新」により、かつての「飛脚」や「駕籠かき」などのように、「人類が、過酷な仕事から解放される可能性」のことである。ただし、この時に必要な条件は、やはり、「経済学」や「道徳」などの「社会科学」が、飛躍的な発展を遂げることにより、「戦争」のない「平和な社会」が到来することだと考えているが、これから想定される「大インフレ」については、そのための、絶好のキッカケとなるものと考えている。
(2017.11.02)
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion7154:171201〕
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