「これが東日本の放射能汚染」集会(12月17日、大阪)速報
- 2017年 12月 25日
- 評論・紹介・意見
- 田中一郎
皆さま
渡辺悦司より
メール、添付ファイルとも転送・拡散可です。
以前案内を差し上げました「これが東日本の放射能汚染」集会(12月17日、
大阪)ですが、70人以上が参加、関東や福島からの避難者を中心に次々
発言があり、盛会でした。
私のような年齢の方々だけでなく、若い方が多く、今後への展望につながれ
ば、とうれしく思いました。
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関東からの避難者の報告がメインだったのですが、若い夫婦や子どもに深
刻な被害が出ていることを、実体験を通して涙ながらに訴えておられました。
集会報告にあった東京在住だった一人の女性の経験は、恐ろしいものです。
彼女の友人・知り合い・身近な人々の中に現れた健康被害の実例のリストを、
引用しておきましょう。
・脳腫瘍(30代男性)
・脳梗塞(40代男性、40代男性、60代男性、60代男性)
・脳出血(30代男性・死亡)
・突然死(50代女性、前のバイト先の女性)
・心臓の疾患(50代男性、30代男性)
・がん(30代男性大腸・死亡、50代女性大腸、50代男性・死亡、50代男性、
30代女性胃、60代男性、40代男性膵臓・死亡)
・甲状腺異常(20代女性、前のバイト先のアルバイト)
・甲状腺炎(20代女性)
・免疫力低下による抗酸菌症(30代男性)
友人の友人・知人・身近な人々など
・甲状腺摘出(20代女性)
・子宮筋腫(20代女性)
・白血病(2件)
・がん死(友人の行きつけの美容院の美容師)
・手足口病・帯状疱疹(40代)
これらは「すべて東京の話です」と書かれています。
このような実体験を記録する運動が重要だと確信しました。
若い人々とくに女性は放射線感受性が高く、放射線の影響を受けやすい
ことによるものだと思われますが、会場からも重要な発言がありました。
それは、若い人々、とくに学生たちは、「外食」することが多いので、外食産
業(大学食堂も)に大量の福島県産の米や農産物が安く買いたたかれて流
れており、それによる内部被曝が、要因としてあるのではないかという問題
提起があり、私もその通りと思いました。
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私の講演は、「50分ぴったりで質疑なし」になったこともあって、あまり内容
のある展開は難しかったですが、次の点を強調させていただきました。
(1)東日本の汚染状況は、避難が必要なレベル、すなわちチェルノブイリで
は「強制移住」や「移住の権利」が保障されるべきレベルであること。
線量基準に関わりなく、放射線影響を受けやすい人々(子ども・妊娠可能な
若い夫婦・遺伝子的に放射線感受性の高い人々)を避難させなければなら
ないこと。
(2)放射能は、がんや遺伝的疾患だけではなく、ほとんどあらゆる病気をもた
らすことが科学的に証明あるいは示唆されていること。
この意味で、避難者や支援者を誹謗する「放射脳」という表現は、実は反対に
「正しい感覚」であること。
また、実際に、福島だけでなく関東における被曝による健康被害は、人口動
態統計など政府側の統計にすでに広範囲に出ていること。
(3)事故で放出された放射能による健康影響について日本政府の見解は、
「過去・現在・未来にわたり全くない」(安倍首相)というものであること。
それは全くの嘘であり、デマであり、デマによる強権的支配であること。
(4)「避難」「移住」の意義と効果は明確に示されており、子どもや女性、影
響を受けやすい人々は、ぜひ避難するべきべきであること。
再稼働による次の重大事故が西日本で起これば、もう避難するにも逃げ
場がなくなってしまうこと。
最大のタブーとは、安倍政権と原子力マフィアの支配の下で、原発再稼働と
除染残土の再利用、さらには廃炉作業で出た部材の再利用、一般公衆全
体への福島と同様の20mSv/y基準の拡大などにより、日本の全住民が放
射線被曝による自滅の危機にあるという事実であること。
それをを認識し避けるために多くの避難者の運動や再稼働反対などの運
動が手を携え連携して闘う必要があること。
当日の講演スライドの検討用資料を添付いたします。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion7217:171225〕
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