1945年8月、私がアメリカ人Xだったら
- 2018年 2月 10日
- 交流の広場
- 一人負彦
「我がアメリカ軍による日本全土への無差別空爆と、その総仕上げとしての原爆投下による無差別大量虐殺という事実は、その規模が真珠湾への報復というレベルをはるかに越え、自衛権という国際法上のレベルをもはるかに越えたものだったことは認めざるを得ない。
この凄まじい破壊力と放射能被害は、どんな理屈をつけようとも、創造主である神への冒涜以外の何物でもない。と同時に、アメリカ人はこれから先、神風特攻という不気味な自爆攻撃を当然視する日本民族による復讐の予感に、いつも怯え続けなければならなくなるだろう。日本人の民族性からいって、真珠湾が桶狭間の再現だったように、討ち入りの再現も必ずあるに違いない。
ではどうすればよいのか。
要は、日本人がこの戦争に負けて良かったと感謝されるようにすればよいのだ。具体的には、占領政策で以下の5項目を実施すること。大丈夫。私、失敗しないので。
1 まず第一に、アメリカは日本を民主主義の国にすることを強調し、国民に希望を与える。(→マッカーサーと天皇のツーショット→天皇の人間宣言→新憲法) 併せて経済援助、復興支援も忘れずに。
2 第二に、日本のナショナリズムの核である天皇の命を救うことで、国民に精神的安定を与える。他の国が天皇の処罰を求めても、アメリカは断固として天皇を守った、悪いのは一部の軍人で天皇と国民は騙されていただけだということにする。(→新憲法で天皇を象徴に→天皇免責→東京裁判)
3 原爆のおかげで本土決戦しなくて済んだし、こんな爆弾があったらどんなに強い軍隊があっても無意味だと、国民に思わせる。と共に戦争への反省として、国連憲章をベースにした世界最先端の平和主義の理想を掲げさせ、敗北感を相殺できる程度のささやかな自尊心を与える。(→憲法9条 戦力の不保持)
4 共産主義の脅威が増している中、兵員の拡充及び経費節減の観点から旧日本軍の生き残りをアメリカ軍の補完部隊として利用したいが、憲法との兼ね合いもあるので、当面はできるだけ戦闘はさせず、災害救助等でイメージアップを図って国民の支持を高め、機が熟したら憲法改正させる。(→警察予備隊→保安隊→自衛隊→国軍)
5 現時点では、最大の脅威がソ連ということで、安全保障上日本との利害は一致しており、対ソ連の最前線基地としても我が軍が日本に駐留する理由があるが、この理由が無くなり撤退という事態になった場合、その後自由になった日本が核を保有する可能性が高まるので、引き続き占領軍を駐留させ、日本を永久に監視する体制をとっておくことが必要だ。日本には絶対に核を持たせてはならない!そのためには、在日アメリカ軍が保護者となって日本を守ってあげているというストーリーを強化するために、隣接国との領土問題や朝鮮半島危機の火種を絶やさぬよう、脅威なるものの不断の更新が不可欠だ。(→日米安保条約)
なお、謝罪は神に対して致します。日本人には致しません。」
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。