醍醐さんは法治主義を誤解されている
- 2011年 4月 1日
- 交流の広場
- 法治主義海の大人
「市民の自発性を阻む行政、社協の壁」を読んだ。NHKをまともにされる運動をされているのだから醍醐先生はインサイダーでリベラリストで合法主義者であると想像するのだが、これには少し違和感を感じた。
行政に対する批判はありきたりのモノだから違和感はない。社会福祉協議会に対する誤解が、醍醐先生にしてなぜなのだ、と思わせる。「社会福祉協議会」は、旧社会事業法(現社会福祉法)で設置されている半官半民、公的行政外福祉統制組織であることは常識ではないか。民間福祉事業を行政の外で行政の統制下に置くための自由で、自主的な干渉組織として組織されたモノ、歴史的には戦前から皇室、華族とキリスト教を繋ぎ、戦後ははじめ、占領軍と結び独立後、下級官僚の天下り先として殆どの予算を行政から支給されてきたモノ、代わりに、赤い羽根募金など官製義援金を独占してきた事業体、準公務員組織そのものである。
つまり、NHKと同じ組織である。違うのは経営委員会などというモノが無く、国会での追及も大テーマになる舞台が設定されている訳ではない、と言うだけである。腐っているところはいくらでもある。全国レベルでも、市町村レベルでも、中間の都道府県レベルでもである。
本当に批判を続ける事、そのものに意味があると考えておられるなら言う事はないが、批判を続ける事でシステムを変革しようと考えておられるのなら、社協批判はあまりにも素朴すぎるモノである。
社協職員の仕事としては、くだらない仕事の仕方ではあるが間違っているモノではない。法律に基づき設置された組織の職員が、非常時に法的上位組織の意向を気にするのは当然の事である。上位組織は行政そのものである。
法治主義には二つの根拠があると思われるが、ギリシャ・ローマから始まり、近代を創った市民のイデオロギーと、中国の法家による統治者の公務員統制イデオロギーの内の、後者こそが役人のイデオロギーである。まともに法家イデオロギー批判として、公務員批判をしなければならないのではないか。
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。